麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

(日帰り)列車満喫の旅<その4:会津鉄道トロッコ列車と会津発浅草行>


ようやく日帰り旅行記も最終になりました。


会津若松駅でのSLとトロッコ列車の接続時間は僅か7分。元気な人なら何てことはない時間なのでしょうが、足が悪い私は階段の昇り降りに人の倍以上の時間がかかるため、結構プレッシャーがかかります。おまけにこのSL、さっきから毎回ダイヤより数分遅れる~停車のたびに遅れを取り戻して定刻出発に戻る… の繰り返しで、喜多方は定刻に出発したものの、今までのパターンからすると終着駅会津若松には同じように数分遅れて到着⇒ということは間に合わない? と思うと少々心配です。

なので喜多方を出てからすぐに車掌さんから聞いた「階段は先頭車が一番近い」という情報を信じて、先頭車に移動します。
終着会津若松が近づき、乗り継ぎ等の案内のアナウンスが流れますが、目指す会津鉄道の乗り継ぎ案内では「次の列車は1時間後」という案内があり、7分後のトロッコ列車の存在には一切触れられません。
「これは、乗り継ぎ指定列車ではなく、時間になったら無情にも出発してしまうかも??」と俄かに心配が増幅します。
もっとも観光要素の高い時間がかかるトロッコ列車に乗り遅れて、1時間後の普通列車に乗っても、終点の会津田島では同じ列車に乗り継げることは判っていましたので、乗り遅れても問題ないといえばないのですが…

会津若松到着は予想通り4分ほど遅れです。目指す階段は… しかし1号車は無情にも階段を通り過ぎて停まります。
「車掌さん、情報違うじゃん!」と万一乗り遅れたら文句言わなきゃ… と考えて下車しましたが、目の前にはエレベーターがあり、怪我の功名状態でした。
目指す会津鉄道の階段を時間をかけて降りながら時計を見ると、あと1分で発車の時間です。でも転倒の恐怖のある私には、階段を走るわけにはいきません。

何とか間に合い、3両編成の列車とご対面です。ホームにいた係員さんに「これがトロッコ車両ですか?」と聞くと驚いたような顔で「予約制で、今日は満席ですよ!」とガラガラの車内を見ながら言われます。なので私もおもむろに予約券を取り出し、「予約してます!」と言うと、「今日、団体以外もいたんだ…」と言いながら無人の真ん中の車両に案内されます
席に座る間もなく、列車は定刻に発車してゆきました。
(こんな状況なので、写真は撮れませんでした。)

列車は3両編成。「トロッコ列車」と書きましたが、正式には「お座トロ列車」というそうです。先頭車が畳の「お座敷列車」で、真ん中の車両が「トロッコ列車」、最後尾が豪華な椅子がある「展望列車」です。人気はお座敷とトロッコに集中しているようですが、足の悪い私にとってはお座敷はNGですし、トロッコは雨対策で窓も屋根もあり、立山などのトロッコ列車のような迫力はない普通の列車のようです。
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誰もいない車両(車両の指定はありますが、座席指定はありません)に座るとすぐに先ほどの係員が来て、「本日途中の駅で団体さんが乗ってきますので満席になります。なのでその時は相席になりますが宜しいですか?」とファミレスのような注意があります。勿論、今まで鉄道のボックス席で「相席NG!」と言ったことはありませんので… 
でも、見た目が予想よりも良かったので、「こっちにすればよかった!」とちょっとだけ後悔した展望車にも魅力があったので、係員さんに「団体で満席なら、後ろの展望車に移りましょうか?」と言いましたが、「展望車も本日は満席です!」と断られてしまいました。
なので団体客の中にポツンと座る自分の姿を覚悟しました…

列車は会津の田舎風景をのんびりと走ります。鶴ヶ城の近くを通るので、列車のからちょっとでも眺められるのを期待していましたが、残念ながら見ることは出来ませんでした。
西若松でJRの線路を離れ、会津鉄道に入ります。車内で会津鉄道の乗車券を購入します。「この路線の乗車券は驚くほど高いですよ!」と聞いていましたが、西若松から終点会津田島までの乗車券は車内でも手帳を見せなくても「身障者割引」をを適用していただいたようです。身障者割引を適用してもらったことは、実は後で知りました。少しは売り上げに貢献しようと思ったのに…

最初の長時間停車は芦ノ牧温泉。昔から芦ノ牧温泉の大型旅館には随分お世話になりましたが、温泉街と駅は遠いので久し振りにぶらり歩きをすることは出来ません。
でも、このあたりの風景、本当に不思議な「懐かしさ」を感じます。
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この鉄道の名物はこの駅の駅長の「猫」。乗客の多くも猫駅長に逢うのを楽しみに来ていたようですが、この時間の猫駅長は「お昼寝タイム」らしく、「奥で寝ています。」とのこと。駅長との遭遇は叶いませんでした。
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発車間際になっても係員さんは何やら連絡を取り合っています。聞いてみると「この駅から乗車予定だった団体さんが遅れており、間に合いそうもない。」とのこと。
こんな話を聞くと予約時間がある施設や乗り物と、のんびりとショッピングや昼食でお酒を飲んですっかり盛り上がって時間を忘れて楽しむお客さんとの狭間で、時間管理に苦悩した添乗員時代のことをリアルに思い出してしまいます。
添乗員がいるかいないかは聞いていませんでしたが、「間に合うといいなぁ」と業界関係者として密かに祈る反面、「このままの方が旅は楽しめるなぁ」という正直な気持ちもあり、複雑ではありましたが、列車は発車時間を数分遅らせて待ったにもかかわらず、諦めて芦ノ牧温泉息駅を発車してゆきました。
「団体客で満員の中に窮屈な思いをする一人」から一転して「三連休なのに人気列車を貸切状態」です。
でも、この駅からやこの後の駅からは何人かの一般客は乗ってきます。少しでもマイナスを取り戻そうと商売をしているのでしょうか? 本当に逞しい経営で嬉しくなります。頑張れ! 会津鉄道
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この後はどんどんと景色の良いエリアに入っていきます。
景色が良い場所では一定時間停車してくれ、風景を満喫する時間を作ってくれるのも観光列車ならではです。
この「ト止」という看板は、「トロッコ列車止まれ!」という意味の信号なのでしょう。
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写真タイムの停車はその後も何回かありました。
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それ以外にもトンネルに入ると列車の中からビデオをトンネルの壁面に映し出すサービスがあるのですが、これは1両の中でも見やすい場所と見にくい場所があるようです。写真にもトライしましたが、設定を変える暇もなくフラッシュが光ってしまうため、結局何の変哲もないトンネル内の写真になってしまいました。

次の長時間停車は湯野上温泉駅。温泉で有名というよりは、あの大内宿へのアクセス駅なので、本当に半日以上ゆっくりと歩いてみたい場所です。
この駅で、地元の売り上げに貢献するべくささやかにお土産を買いました。名物は「とち餅」。土地そのもののように素朴な味でした。
会津のすべての駅にはこの看板があり、「八重」で会津を盛り上げているようです。
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車窓風景が変わり、高原のような雰囲気になってきたところが景勝地塔のへつり」。駅から少し歩いたところに百万年の歳月をかけて浸食と風化を繰り返してきた見事な景観があるのだそうです。
大内宿と含め、2泊ぐらいの旅行でじっくりと見る価値は十分にあるのでしょうが、今日はとにかく先を急ぎます。
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会津鉄道の終点は会津田島。お世話になった会津鉄道を最後にパチリ。
ロッコやお座敷など3両でも1両ずつ全く違う車両ですが、こちらは(次回はこれにしようと決めた)展望車です。
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このたびで唯一と言っていいくらいゆっくりとした乗継時間がありました。時間があったので駅に外に出てパチリ。
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でも、駅の周りにも何もなさそうです。

次の列車は快速浅草行。始発の会津田島駅ではたったの2両編成です。勿論、埼玉あたりを2両で走っているところは見たことがないので、どこかで増結するのでしょうが、「会津から(東京の)浅草まで直行」というのがちょっと新鮮でした。
出発の時点では、とりあえずボックス席は独占できていました。

しばらくは駅に必ず「八重のふるさと」の看板がある会津が続きます。
時折、美しい風景も見えますが、今度は観光列車ではないので停まってはくれません。
会津高原尾瀬口駅です。「ここからも尾瀬に行けるんだ…」と思っていたら、大量のお客さんが乗ってきて、ボックス独占⇒立っている人もぎゅうぎゅう詰の通勤列車のような状況にあっという間に一変しました。連休で尾瀬ハイキングを楽しんだ年配の方々のようです。
最後に「三連休らしい」風景にようやく出会いました。

次の駅は男鹿公園。秋田とは違いこちらは「おじか」と読むようです。看板を見るとどうやら栃木県に入ったようです。
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それにしても合併でできた日光市は巨大です。この後に停まった湯西川温泉川治温泉鬼怒川温泉も全部日光市なのですから… 
夕暮れが近づいて来ますが、4両に増結された車両は、着実に東京を目指します。

鬼怒川温泉駅で目の前に泊まっている特急「スペーシア」に乗り換えます。たった2分の乗り継ぎ時間なので、満員電車を降りて向かいの列車に何とか乗ったら、すぐにドアが閉まり、席に着く前に発車です。
写真を撮る暇などは全くありませんでした。

満員電車から乗り継いだスペーシア。温泉地発の夕方の上り列車ですがさすが3連休で、「今日は予約で完全に満席」なのだそうです。インターネット会員に登録して携帯で指定券を入手しておいて本当に良かったと思います。因みに、前の浅草行にそのまま乗り続けていても勿論家には帰れますが、1時間以上は到着が遅くなります。
最初はノロノロと走っていた特急スペーシアですが、栃木を過ぎたあたりでスピードを上げて、特急らしく快調に飛ばしてゆきます。
勿論もう夜なので、車窓を楽しむことは出来ません。

スペーシアを春日部で降り、その後は東武で久喜まで戻り、宇都宮線で8時前には自宅に戻ることができました。

本当に大満足の日帰りの旅でした!