麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2、紀伊半島周遊の旅②<三重県ーその1>


4月4日(土)夕

静岡から愛知県を経由して、いよいよ日本一周の3県目となる三重県に入ります。
三重県の最初の目的地&今日の宿泊地は四日市です。
四日市と言えば工業地帯・コンビナートの街で、私が子供の頃には「四日市ぜんそく」をはじめとした「公害の街」のイメージが強く、幼少期からずっとぜんそく持ちだった私にとっては、「できれば一生避けて通りたい街」であったことも事実です。でも、そんな四日市も今ではすっかり公害都市を克服しているようなので、意を決して初訪問をすることにしました。

今回、そんな四日市に行く気になった理由は、私が今回の日本一周をするにあたって大いに参考にさせていただいている、朝日新聞出版の「日本の絶景&秘境100」という本の影響です。この77番(別に人気順ではありません)、”天空の城、竹田城”の後に、「四日市の工場夜景」が紹介されており、4ページにわたってその綺麗にライトアップされた工業地帯の夜景が、「日本を代表する工場夜景」として紹介されているのです。
日本の絶景.jpg
近年、川崎あたりの工業地帯でも「工場萌え」として夜景観賞が人気になっていたのは知っていましたが、私は不勉強にもまだ見たことがなかったのと、本によると「四日市の夜景は、日本を代表する工場夜景」だそうですし、確かにウィキペディアの「工場萌え」のページには、四日市の夜景の写真が使われています。

そんな訳で、四日市に泊まって夜景を見るプランについてずっと検討していたのですが、初めての地で夜に車を運転してあちこちの夜景スポットを巡るのは、夜のドライブがあんまり好きではない(苦手な)私としては、少々不安でもありました。(特に運転復帰後には、夜の運転は出来るだけ避けているのです。)
いくつか調べるうちに、毎週土曜の夜に地元の旅行会社が主催する「夜景クルーズ」があることを発見。出発日を決めかねていたため予約できなかったのですが、3月後半にはこのクルーズに乗る為に日程を決め、思い切って4月4日土曜日のクルーズをネットで予約、ネットバンキングで代金(2人で7800円也)も早速振込んでしまいました。何事も決めたら先に先に行動を起こして、後には引けなくするのが、私の得意なパターンなのです!

17時過ぎに四日市中心部のビジネスホテルにチェックインします。18時にはホテル目の前の近鉄四日市駅前に集合し、主催旅行会社が用意してくれた大型送迎バスに乗車、クルーズ出発の小さな港まで送っていただきます。1人@3900円で港までの往復送迎まで付いているのですが、送迎バスは大型バスでありながら今日の乗客はたったの数名。どうも元の職業柄、「このツアー、採算は取れているのかしら?」と余計なことが大いに気になってしまいます。
船は定員が60名ぐらいの船のようですので、最低でも40人ぐらいは乗っていないとこのツアーは赤字になってしまうような気がするのですが、この日の乗客は40人以下のようです。
少しでも売り上げを伸ばすためなのか、主催旅行会社の社員の方は、必死に夜景写真のクリアファイルを売っていました。買ってあげたい気もしたのですが、仕事を辞めてクリアファイルを使う機会も殆どなくなったので、貧乏旅行を旨とする日本一周のポリシーに従って、購入を断念しました。

出航時間の7時になってようやく船に乗り込みますが、相変わらず冷たい雨がポツポツと降り続いています。参加者の多くは雨でも船室に入らずに、船尾のほうにあるデッキに立って工場夜景のシャッターチャンスを狙っているようなのですが、我々は他のお客様で混雑していてデッキにも立てないため、諦めて船室から外に展開する夜景を眺めることにしたのですが、容赦なく降り続く雨粒が窓に張り付いて、写真すら思うように撮れません。
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船中では、「昔、コンビナートで働いていたボランティアガイドのおじさん」が必死に案内をして下さるのですが、あんまり興味のない者にとっては、ただ石油会社名を連呼しているだけのように聞こえ、ボランティアガイドさんなので真面目さは判るのですが、案内が一本調子で「聞かせる」部分もなく、いささか退屈でした。関西に近い三重なのですから、少し笑わせる部分を作り、お客の「つかみ」をするのは必要な気がしたのですが、ボランティアガイドのおじさんにはいささか高いハードルなのでしょうか?
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肝心な初めて見る工場夜景ですが、「やっぱり、プロの写真家は凄い!」と変な関心をするだけに留まりました。
写真ほどの風景には、最後まで出会うことは出来ませんでした。

8時半頃、再び送迎バスにて四日市中心街に戻り、夕食を食べに行きます。
四日市で食べたいと思っていたのは、最近話題になっているB級グルメの「四日市トンテキ」。観光案内所で近くでトンテキを食べられるお店を聞いたところ、ごく普通の中華料理店というかラーメン屋さんのようなお店を何店舗か紹介されたので、そのうち1軒のごく普通のラーメン屋さんに入って名物トンテキを注文してみました。
ラーメンや各種定食が500~700円程度のごく普通の値段のお店ですが、名物の「トンテキ定食」は1200円也とこのお店のメニューの中では飛び抜けて最高値のメニューでしたが、大きくて美味しい豚肉のボリュームも凄くあり、1200円也を払っても納得の夕食でした。
でも、昔から食べていた「ポークステーキ」と、味は変わらないような気がしましたが…

4月5日(日)

この日の天気予報も昨日に続いて雨でしたが、朝目覚めると相変わらずしとしとと雨は降り続いています。
この日のメイン観光は何と言っても伊勢神宮なのですが、伊勢神宮に向かう前にもう一つ行きたかった場所があるので、早々にホテルを出発して雨中のドライブを開始します。

この日、最初に行きたかった場所は東海道53次の47番目の宿場である「関宿」で、東海道の宿場町の中では一番と言っていいほど古い街並みが良く保存されていて、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているそうです。
日曜日の全く混まないバイパスを通り9時前には関宿に着いてしまいましたので、観光客用の無料駐車場に一番乗りで車を停め、早速関宿の散歩をスタートさせます。

雨の中傘をさしての散策で、まだ9時前ですから当然観光客は我々だけで、殆どのお店もまだ開店準備すら始めていない状況です。
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確かに町並みには昔の風情がたっぷりと残っていて、何となく「仁」のセットにあった街並みのような気がして、天気が良ければのんびりと散策してみたい街並みではありますが、相変わらず雨は降り続いているので、我々はそうのんびりとしてもいられません。

周りの街並みに溶け込んだ、風情溢れる建物の地方銀行です。
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この銀行、伊勢神宮の参道にも風情溢れるお店があったのですが、人も少ないであろうこっちの支店の方に軍配をあげたくなります。

早朝から開いていた喫茶店で休憩し、10時頃には関宿を出て伊勢神宮に向かいます。プラン作りの段階では、この後県庁所在地である津や松坂牛で有名な松阪をちっと訪ねる選択肢もあったのですが、天気と私の足の調子を考え、無理な行動は控えようと、伊勢神宮に直行することにしました。

伊勢神宮は古来より外宮⇒内宮の順番で参拝するのが習わしであると、全てのガイドブックなどには書かれています。本日の我々の宿泊ホテルは外宮の近くなので、最後を外宮にすれば時間も駐車料も節約できる筈なのですが… 古来からの習わしの順序を破ってしまえば、折角のご利益も減ってしまうかも?? と考えたため、習わし通りの順番にて外宮から参拝することにしました。

外宮の駐車場は意外にも空いていて、すぐに駐車が出来ました。おまけに駐車券やゲートなどの存在もないようです。「さすがは伊勢神宮! 参拝も駐車料も無料!」と、神社としての器の大きさ(!?)に早速感激してしまいました。
駐車場近くは正門ではなく北御門という門らしく、参拝のルールとしては正門から入らないといけないのかもしれませんが、既に朝の関宿散歩で痛みが走っている私の足を考え、この北御門から往復することにしました。
この頃になるとようやく雨も上がってきています。外宮の参拝客は予想より少ないような気がしました。
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外宮の参拝後、混む前にと外宮近くのお店で昼食をいただきます。この日の昼食は伊勢神宮参拝時の定番である「伊勢うどん」。勿論初めて食べるのですが、どの案内を見ても「コシがない」と書いてあるので、期待していませんでした。確かに「名物だから」と、自分を納得させて食べるような味でした。再訪した時には恐らく食べないと思います。

午後はメインである内宮に向かいます。内宮に向かう道には駐車場情報がたくさん出ているのですが、簡単に入れた外宮の駐車場とは違って、どの駐車場にも「満車」の文字が… いくつかの駐車場を回って何とか1台分のスペースを確保することができました。混雑具合にも大きな差がありましたが、内宮の駐車場は無料ではなく、料金はしっかり取られました!!
でも、この駐車場の横の桜は満開で、伊勢神宮の中よりきれいでした!
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駐車場から内宮までは、江戸の町並みを再現した参道の「おはらい町」を通って行きます。私の足は相変わらず痛みがあるままなので、休憩しながら歩くのですが、椅子に座って休憩するには、何かを買って食べなくてはなりません。
今日、松坂に行けなかったので松阪牛を食べたいところなのですが、さすが松阪牛で、肉の一切れだけでも結構な値段がしています。なので「味の違いなんて、絶対にわかりっこない!」とは思うものの、何か一つは松阪牛の関連書品を妻に買ってあげたいという気持ちだけで、「松阪牛のコロッケ」を買うことにしました。
予想通り味の違いは全く分からなかったのですが、コロッケ1個が250円もする「値段の違い」だけは十分に判るので、ありがたくいただきます。

さすがの伊勢神宮(の内宮)、門から正宮までの距離もとっても長く、休み休み歩いて、何とか参拝をすることが出来ました。比較的人が少なかった外宮とは違い、内宮はやはり凄い人でした。春休みの日曜日なので、混んでいるのが当然ですよね…
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来た道を駐車場まで戻ります。帰りは行きよりも更に足が痛くなり、「出来るものなら、タクシーに乗りたい!」と強く願うほどでしたが、当然のごとく歩行者専用道路ですので、タクシーに乗れるはずもありません。
何とか伊勢神宮を出て、来た時に通った「おはらい町」を通ります。ここでも何度となく休憩しましたが、お約束の有名店「赤福」は、妻の強いリクエストもありしっかりといただきました!
(それにしても、凄い人通りですよね!?)
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その後はホテルにチェックインして休憩、万歩計の歩数は既に2万歩を超えていましたので、ひたすら足を休ませました。

夕食は外宮参道のお店へ。かき揚げ丼を頼んだら「大きいけれど大丈夫ですか?」と店員さんに確認されたので、「どういうこと?」かと思ったら、こんな凄いタワーのようなかき揚げ丼でした。
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でも、意外とご飯は少なく、カリッと美味しく揚がっていて完食出来ました!