麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

5、北海道一周の旅<その7(最終回):函館~下北半島>


7回に渡って投稿した北海道旅行記も、ようやく最後になりました。次の旅行までに、この旅行記だけは何とか書き上げたい… という最低限の目標だけは、何とか達成できたようです。
今週の木曜日からは、お盆のピーク時期ではありますが、信州~北陸の旅に出かけます。
その後、ちょっとだけ休んで、9月にはいよいよ九州です!
日本一周も、後半の山場を迎えます!

13目:7月7日(火)

昨日は登別温泉に宿泊しましたが、登別はやはり場所柄仕事で来ることも多かったので、馴染みのある懐かしい宿がたくさんありました。「あの宿の、○×さんは元気かなぁ~!?」と何人かの方の名前を思い出し、宿の玄関を見て思わず訪ねたくなりましたが、もう会社を辞めた立場の私が訪ねて行けるはずもありません。
一抹の寂しさを感じた登別の滞在になってしまいました。

本日は、北海道最後の1日で、一路函館に向かいます。道南各地をスルーするような日程になってしまいましたが、本当なら長万部や瀬棚など名前だけは昔から知っている地や、奥尻島をはじめ江刺・松前などにも行きたかったのですが、暇人とは言え、なんやかんやと都合もあり、ボチボチ埼玉に帰らなければいけないために断念しました、
2周目かどうかはともかく、次の北海道旅行の時にはこれらの地に必ず立ちたいと思います。

函館近辺に向かう前に、登別周辺を簡単に観光します。まず向かったのは日和山。噴煙を上げ続けているさまは、火山が生きていることを実感します。今、日本全国で火山活動がかなり活発化しているので、こういった噴煙が上がっている場所を見ると、何となく心配になってしまうのは私だけではないのでしょうね。
IMG_5784.JPG
次に向かったのは「神秘の湖」と言われるクッタラ湖。摩周湖同様注ぎ込む川も流れ出す川もなく、透明度の高い不思議な湖です。
北海道3大秘湖の(自分にとって)最後の湖である”東雲湖”は、徒歩でしか行けない道を片道1時間半も歩かなければいけないため、今の私にはとっても手が出せる秘境はありませんので、残念ながら3大秘湖の制覇はできませんでしたが、自分への区切りとして、代わりにこの”準秘境”で我慢することにしよう… と、勝手に考えた自己満足のための訪問です。
IMG_5794.JPG
宿は1件だけあるようなのですが、湖のほとりには人もいずに、とても静かなたたずまいでした。
IMG_5798.JPG
 
噴火湾(内浦湾)に沿った高速道路を快適にドライブします。伊達、長万部、八雲、森と、名前だけは37年前から知っている町々が見えます。やっぱり「降りたいよ~!」という欲望が押さえきれなくなってしまいますが、唇を噛んで我慢しなければいけません。

大沼公園には、37年前の初北海道で最初の見学地として来て以来ですから、紛れもなく37年振りです。37年前、青函連絡船は朝5時前に函館港に着き、その後すぐに列車で大沼を目指したのですから、私が北海道で最初に感激した地が、ここ大沼だったことは間違いありません!
以前は、青函連絡船で函館に着き、秀峰駒ヶ岳を見ると、「また来たよ!北海道!!」という嬉しい気持が最高潮に達したものですが、この日は「明日には帰らなければいけない」と言うブルーな気持を表すように、その駒ヶ岳には雲がかかっていて、その美しい全景を見ることは出来ません。
IMG_5818.JPG
大沼、小沼近辺には、いくつか散策路が整備されていますが、37年前にどこを歩いたのかについては、残念ながら全く記録も記憶もありません。今回も、一番短そうな散策路を歩こうと思ったのですが、意外とアップダウンがありつかまる手すりもないため、結局歩きやすそうな道を20分程度歩いただけで引き返して来てしまいました。
IMG_5824.JPG
 
いよいよ最終目的地の函館です。ホテルのチェックインにはまだ早かったので、五稜郭には行ったことはあってもタワーには登ったことがないという妻のために、五稜郭タワーに登ってみます。五稜郭は、その中を歩いただけでは五角形の形を実感することが出来ないのですが、すぐ横に聳える五稜郭タワーに登って見下ろすと、本当に見事な五角形であることが実感できるので、私の好きな場所の一つでもあります。
IMG_5826.JPG
今回のホテルは、2時にはチェックインができて、なおかつその時間から(都会の函館なのに)駐車場が無料と言う我々にとっては願ってもない条件のビジネスホテルです。おまけに、宿泊者はすぐ隣の日帰り温泉に無料で入れるという特典もあり、昼の観光よりも夜景を観光をしたい我々は、その特典をフル活用させていただきました!
3時前にはチェックインを済ませ、すぐに日帰り温泉を楽しみます。4時半ぐらいには、風呂上がりのすっきりした体になり、市電に乗ってロマンチックな函館の元町地区散歩に出かけます。
DSC_0169.JPG
「元町地区を散歩して、そして暗くなる頃にロープウエイで函館山へ上り、夜景を満喫しよう!」と目論んでいたのですが… 
元町地区の散歩を始めたのが5時近くになったため、見どころの教会などは殆どがクローズしていて、私の目論見は大きく狂ってしまいました!
カトリック信者の妻が楽しみにしていた函館カトリック教会も、門は閉ざされて誰もいません。
(勿論、礼拝も叶いません)
IMG_5842.JPG
函館元町を代表するハリストス正教会。こちらも見学時間は終わっていて、中国人らしき観光客が、大声で騒ぎながら写真を撮り合っています。
IMG_5856.JPG
仕方がないので、喫茶店ででも時間をつぶそうかと思いましたが、この付近のお店はすべてクローズで、座って休むところさえどこにもなさそうです。

結局、他にすることもなくなり、6時前にはロープウエイで函館山に登ります。でも、まだ7月の初めで昼間がとにかく長い時期ですから、まだ外はすっかり明るく、夜景が見えるはずもありません。
IMG_5859.JPG
驚いたことに、たくさんの外国人団体が既に「夜景待ち」をしています。夜景が見やすいベスポジを確保し、思い思いの方法で時間を潰しています。恐らく、夜景が見えるまでには、まだ1時間半以上はかかると思いますが、”2~3時間は厭わない”感じの万全の臨戦態勢です。
外のベスポジは外国人団体に占領されているからなのかはわかりませんが、「夜景の見えるレストラン」の窓際の席は、日本人ファミリーによって占領されています。みんな、「1時間半後の夜景が見える時間までは、絶対に食事は終えないぞぉ!」といった感じで、オーダーも一品ずつで来た料理をゆっくりと時間をかけて食べています。(というか、手をつけていません)
そんな窓際の席が空くのを待っている人も10名以上はいて、大人しくウエイティング席に座って、空きそうもない席が空くのを辛抱強く待っています。でも、この人たちがレストランのテーブル席に座れるのは、今から2時間以上後ではないでしょうか!?

とてもそこまでの根気も根性もない我々は、人気のない景色から遠い席でビールを飲みながら夜景になるのを待ちますが、ビール一杯で粘れる時間にも限度があります。勿論、妻も何度かは函館の夜景を見たことがあるようなので、少し暗くなったあたりで「もういいよ。帰ろう。お腹空いた!」ということで、あと30分ぐらいで見頃になり、勿体ないと言えば勿体ないタイミングで下山してしましました。
DSC_0190.JPG

北海道最後の晩は、旅行前知人に推薦された函館市内の居酒屋。「2000円の刺身盛り合わせ一つで、お腹いっぱいになるよ!」と推奨され、確かにこの2000円の刺し盛りでかなり満腹になりました!
DSC_0194.JPG
(「いか太郎」という居酒屋でした。)


14日目:7月8日(水)

フェリーで北海道を離れる前の短い時間を利用して、函館の朝市で朝食と最後のお土産を仕入れることにします。
6時過ぎから活気ある朝市を散策、北海道産の新鮮な野菜やドライブ中の運転手(つまり私)の睡眠防止のための”噛みごたえのある乾きもの”などを朝市のお店の人たちとの掛け合いを楽しみながらいくつか買います。
IMG_5873.JPG
朝ごはんは、妻はお約束の海鮮丼。私は、海鮮系にもそろそろ飽きてきたので、本当ならばガッツリ肉系でも食べたかったのですが、函館の朝市にはなさそうなので、熟考の結果刺身はもういいということで、何故か「ホッケ定食」を頼んでしまいました!
フェリー出航前、朝8時までの最後の観光も無事に堪能しました!

今回利用するフェリーは、北海道航路では一番短い、函館から下北半島の突端にある大間まで行くフェリーです。所要時間はたった1時間40分ですが、たったそれだけの所要時間なのに、車1台と人間2人で17000円とかなりの高額です。因みに、5月に乗った徳島⇒東京のフェリーが丸一晩以上(約20時間)のフェリーで、同じく車1台と人間2人で20000円だったのですから、時間は10倍以上なのに料金はたった3千円しか違いません。それでもこの航路は人気が高いようで、この日は車も人も予約で満員なのだそうです。

過ぎ去っていく北海道の大地を、未練たらたらでデッキから眺めます。
DSC_0209.JPG
「ごらんあれが竜飛岬北のはずれと…」青函航路に来るたびに、必ず口ずさむ”津軽海峡冬景色”。
津軽半島の竜飛崎にも、日本一周では必ず行きたいと思っています。
DSC_0213.JPG
フェリーは予定通り下北半島の突端の街大間に到着します。勿論、ここに来たら本州最北端の地である大間崎に行かないわけにはいきません。
IMG_5892.JPG
ここ大間には、大学1年生の時の9月の東北旅行で来て以来です。当時はまだ「大間のマグロ」なんて全くメジャーではなく、単に「本州最北端だから」という理由だけで列車とバスでここまで来たのですが、すぐ近くに見える北海道にどうにも我慢ができなくなり、翌日フェリーに飛び乗ってしまった思い出の地です。
(とは言え、その後東北で友人との約束もあったので、函館で1日だけ過ごして夜行の青函連絡船で青森に戻ったので、その時の北海道滞在はたった十数時間でしたが…)

大間崎にも、多くの観光客が来ています。でも、たった2時間弱船に乗っただけですが、明らかに観光地全体&観光客の雰囲気は大きく変わった気がします。明らかに「北海道⇒本州(東北)」の変化です。
観光客的には、同じく大型バスが何台も来ていますが、”外国人団体が圧倒的多数の函館”から”日本人(の年配客)ツアーばかりの大間”ですし、観光客も何となく大間ではリラックスしているように見えるのは、私の錯覚でしょうか?
また、観光地で売っている土産では、どちらも海産物をメインに扱っているのですが、イカ&北海道海の幸オールスターズの函館vsマグロ一本勝負の大間で、漁場は同じ目の前の津軽海峡の筈なのに、その違いは鮮やかなほどです。そして何より売り手の方々の言葉が… 東北にしばらく住んでいた私としては、東北弁が何となく懐かしくて嬉しいのです!!
IMG_5895.JPG

下北半島にはもう一つ行きたいところがあり、大間の次に訪ねます。マサカリ形の下北半島の中心部にあるのはご存知「恐山」で、ここ恐山も大学1年の東北旅行以来の訪問です。
恐山に向かう間、妻に「イタコさんに(お互いの)親を呼び出してもらおうか?」と冗談交じりで聞いてみると、妻はクリスチャンなのに「う~ん、どうしようかなぁ~??」と真剣に悩んでいます。「イタコさんは、普段は恐山にはいなくて、お祭りの時にだけ恐山に来るんだよ!」と説明すると、ちょっと残念そうでした。
IMG_5904.JPG
恐山は、以前にも感じたことが記憶として残っていましたが、やっぱり我々の感覚を超越したような一種独特の雰囲気があります。本堂を参拝するだけでは恐山を体験したとは言えず、「賽の河原」や「三途の川」を実体験できるような荒涼とした硫黄臭漂う景色の中を歩くことが恐山の本領発揮なので、道は決して歩きやすくはないのですが、ここまで来たからには歩かないわけにはいきません。
IMG_5924.JPG 
IMG_5929.JPG
”あの世”のような風景を抜けると、逆に”この世のものとは思えない美しい湖”の宇曽利湖畔が現れます。湖畔に立つ地蔵菩薩像は、東日本大震災犠牲者追悼のために作られたのだそうです。
IMG_5941.JPG
35年以上振りの久し振りの恐山でしたが、ゆっくりとその霊気を感じ取ることが出来ました。
IMG_5950.JPG

これで、今回の北海道旅行記を終わることにします。
(自身の老後の楽しみのため、)この後の行動だけを簡潔に記録しておきます。

・この日の宿泊は八戸。夜は八戸の友人と歓談
・15日目:7月9日(木)
 花巻温泉日帰り温泉入浴、昼食は花巻でいつも行くお蕎麦屋さん
 仙台の実家に行き、札幌で出したカニを無事に受け取り、夜にみんなで食べます。
・16日目:7月10日(金)
 東北道を埼玉へ直行。
 ランチは久喜でいつものイタリアン!!