麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2018年GWの旅】道南&桜紀行<その1:宮城県とフェリー>


すごく久し振りの投稿です。前回の投稿は正月明けの静岡県旅行記でしたからおよそ4ヶ月振りとなります。
以前は病状の回復&リハビリの様子を、「ブログ作成もリハビリの1つ」というコンセプトで、病気になった2010年から数年間はほぼ毎日投稿していたのですが、次第に病状も固定化するとともにこのブログに書くこともなくなり、徐々に投稿も減ってゆきました。2015年に32年間勤めた会社を退職してからは日本一周の夢を追いかけるようになり、このブログはその日本一周のレポートというより「自身の備忘録」的なために投稿しておくだけになりました。なのでこのブログは人に読んでいただくというより、自分とごく親しい人だけに(あとで)読んで貰えればいいと考えていますので、たまたま訪れた方には退屈極まりないと思います。(申し訳ありません。)

今回の旅行記は2018年ゴールデンウイーク、北海道道南地方への11日間の旅です。高校2年生の時の夏休みに、バイトで貯めた僅かなお金と当時の旅行者の必需品「北海道ワイド周遊券」をショイコに担いで、津軽海峡青函連絡船で渡ったのは今から41年前。情報の少ない当時、数少ないガイドブック「ブルーガイドパック」と新宿の紀伊国屋書店にだけ売っていた「北海道時刻表」を擦り切れるほど読んで綿密に計画を立てたにもかかわらず、ユースホステルや列車で知り合った人の「クチコミ」により、半年以上掛けたプランはたった3日で全く別のプランと化してしまいました。
それでも、17歳の高校生はその日から完全に北の大地の虜となり、その後は大学4年間だけでも5回は北海道に渡り、冬を中心にのべ半年近くは北海道で過ごしました。

旅行会社に入って以降も北海道に行く機会は多く、最初の頃は主には添乗員として、40歳を過ぎた頃からは会議や販売促進などで合計すると数十回は北海道に来ており、その折には仕事の前後に休みを入れてちゃっかりプライベートな旅行も楽しんだりもしたものです。(勿論、添乗員の時ではありません。)病気になる前年には1週間の休暇を取って、妻と道東をレンタカーでぐるりとドライブもしています。

病気になってからは、2013年に片手片足での運転に復帰し、翌年にはその改造車で1週間の道央のドライブを決行。(記事はこちら)その時に美瑛の美しい丘を眺めながら、「そうだ、会社を辞めよう。」と決心した思い出深い旅になったのです。(ブログにはそんな決心のことはひとことも書いていませんが…)
翌年、会社を辞めて取り組んだ日本一周の時には、フェリーで苫小牧に上陸し反時計回りに2週間掛けて北海道をぐるりと回っています。(記事はこちら

それら私の北海道に残した足跡を改めてじっくりと眺めてみると、ほとんど道東や道北が中心だったことに気付き、道南エリアがあまり塗りつぶされていないことに今更ながらに気づきます。勿論、函館には何度も行っていますし、洞爺湖支笏湖登別温泉などには特に前職の仕事では何度となく行ってはいますが、特に北海道の入口であり有名な観光地や温泉が他のエリアと比べても決して多いとはいえない渡島半島の部分が殆んど塗りつぶされていません。そういえば前回の北海道一周の時にも、登別温泉で高速に乗り次の見学地は大沼公園、その日の泊りはこの時も函館でした。

ということで、今年のGWの旅は渡島半島を中心にと半年前に目標を定め、今回もプランニングに没頭する楽しい時間をたっぷりと。今はネットのお陰で関東でも十分に情報収集はできるし、現地で旅行者同士が会話をすることも殆んどないので、基本的にプランの変更をすることもなく、極めて計画通りの旅行になることは他の旅行と同じです。
今回も、まるで綿密なる旅行計画を検証するようなサプライズやハプニングのない,ある意味では退屈な旅でしたが、プランナーとしては十分に満足できる旅でした。
いつものように、健忘症が進んだ私が忘れてしまう前に、急いでだらだらと綴ることにします!

1日目:4月26日(木)

ゴールデンウィークの旅といいながら、出発は少し前の木曜日から。GWになるとフェリーの料金が繁忙期料金になり2万円近くも高くなるため、会社にわがままを言って2日前から休暇をもらいこの日の出発になりました。
今回も片手片足運転の私はレンタカーは運転出来ないため、マイカーをフェリーに積み込みます。往路のフェリーは迷わず今回で3回連続となる仙台発苫小牧行きの太平洋フェリー。妻の実家がある仙台でお見舞いに行く必要があったのと、このフェリーの運航スケジュールが夜発午前中着でクルーズを楽しむにはほどよい時間であること、GW期間中以外は料金がリーズナブルなこと等が3回連続でこのフェリーを選んだ理由です。

自宅から仙台までは東北道を走れば4時間程度。フェリーの出航時刻は19:40なので、仙台市内での見舞の時間を入れても埼玉県の自宅をお昼に出れば十分に間に合うのですが、私(と妻)が「旅行当日になるとのんびりしたり他の用事を済ませることができず、結局朝から出発してしまう。」という習性であることは十分に判っているので、フェリーの時間まではいつも通り仙台付近での観光を考えます。前回は福島に行ったので、今回は宮城県内で探そうと試みましたが、ここだけ間際までプランが決まらなかったのですが、10日ほど前にたまたま見たTVの花の情報がヒントになり、プランを決めることができました。

イカーに万一のためのダウンなどの防寒具までいつも通りたくさんの荷物を積み込み、出発は8時半。まだGWなんて雰囲気は全くないいつも通りの東北道を快適にドライブします。今年のGWの天気は前半は悪くないという予報で、この日もまずまずのドライブ日和です。

宮城県に入り、寄り道というか(時間潰しの)観光をするために山形道へ。宮城川崎インターで降りたら、蔵王方面に向かい最初の目的地である地元で有名なピザ屋さん"森のピザ工房ルヴォワール"を目指します。このピザ屋さんは、廃校になった分校をそのまま使って営業をしていることをTVで何度となく紹介された影響で、週末は2時間待ちは最低でも覚悟しなくてはいけないという超人気店なのだとか。地元仙台では大変有名で、後で話したら妻の妹も北海道よりこのピザ屋さんの方が何だか羨ましそうでした。
周囲に何も無さそうな店に近づきながら、「本当に、こんな場所(田舎)に行列が出来るの? 今日は平日で、しかもまだ12時前だよ?」なんて考えていましたが、旧分校の校庭だった駐車場には情報通りかなりの自動車が…
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何とか車を止め、学校らしく下駄箱で靴を脱いで校舎に入ると、意外と狭いお店の1テーブルだけあたかも我々を待っていてくれたかのように空いています。今回の旅の幸先は、何となく良さそうです。
一番の名物である「蔵王のお釜ピザ」とデザート感覚の「りんごのピザ」を頼み、妻とシェアして味わいます。
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味は確かに美味しかったのですが「でも、2時間は並ばないかも!?」というのが偽らざる感想。
私には小さな分校の経験もないので、校舎を見ても懐かしさも感慨もありませんでした。
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校庭の片隅にはまだ桜が咲いています。今回の旅のテーマの一つが「桜紀行」なので、最初の目的地でいきなり桜が見られてとてもラッキー。
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ここからもう少し進めば2年前の夏の旅でガスがかかっていて全く見えずに悔しい思いをした蔵王のお釜があり、所要時間を計算するとお釜に行ってもフェリーの時間には十分に間に合うのですが、出発初日から慌てたり焦ったりするのは嫌なので、お釜は次の機会にして昔営業で何度となく通った川崎町の懐かしい風景に密かに感動しながら、次の目的地「国立みちのく杜の湖畔公園」を目指します。
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釜房湖すぐ近くに広がる公園に着いた途端、妻が「ここ、来たことある!」と予想外の一言。どうやらまだ1歳だった娘を連れて、妻と妹とで来たらしいのです。当時1歳だった娘には、今や2歳の息子(つまり私たちにとっては孫)がいるのですから、紛れもなく昭和の時代の記憶です。
でも入場してみると、やはり昭和の時代とは大きく変わっているようです。最近流行りの芝桜が写真に載っていたので芝桜の広大な景色を期待したのですが、スケールは今一つ。
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でも、それなりにきれいな公園で来た価値はありました。
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ここの広場にはまだ桜が満開の木もあり、ここでも「桜紀行1日目」としてはこの旅の幸運を予感させてくれます。
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仙台に向かいながら、懐かしの釜房湖に感動し、車を停めて思わずパチリ。
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30年前は、年に5~6回はセールスで通っていた記憶にある景色です。

仙台市内でお見舞いをした後は、前回も行ったフェリー乗り場近くの日帰り温泉で入浴を楽しみます。今回の旅では日帰り温泉も数ヶ所楽しむ予定ですが、この日帰り温泉施設「仙台コロナの湯」はフェリー乗り場にも近く前回も時間調整を兼ねてゆっくりと楽しんでいます。今回、仙台市近郊の秋保や作並の有名温泉ホテルの日帰り入浴も検討したのですが、快適なお湯にのんびり浸かると、そこが有名温泉でも健康ランド的な日帰り温泉でもどうでもよくなるから不思議です。(つまり、私はそこまで温泉通ではないということでしょうか…!?)

仙台でのフェリーチェックインは、ここ5年間で3度目ですから勝手知った手続きに抜かりはなくスムーズ。この日の船もこの路線では一番ベテラン船の「きたかみ」。フェリーオブザイヤーを受賞した新しい他の2船に乗りたいところですが、そのために予定を変えたりGWの高い運賃に変えるほどフェリー好きではないので、3年振りの「きたかみ」に"久し振りだね!"とご挨拶。
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しかし、今回は前2回とは少し違いがあります。それは船室。前回はツインルーム(それでもこの船の中ではかなり贅沢なのですが)に泊まったのですが、今回は妻と侃々諤々の議論の結果、セミスイートを奮発したのです!!
「自分や妻へのご褒美」というつもりではありません。"今までとは、少し違った体験がしたい"という気持ちでした。「それならば、"セミ"なんて言わずに船最上級のスイートにすればいいじゃん!?」とも思ったのですが、スイートルームに入るには階段を昇る必要があるということで、階段が苦手な私は断念した経緯があります。
乗船すると船のスタッフが荷物を持ってくれて船室まで案内してくれる高級旅館のような対応は、さすがにツインルームとは異なる「スイートのおもてなし」。部屋そのものは想像通りだったのですが、やはりバスルームなどを含めて全体的に余裕のある作りです。
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何とも嬉しかったのは大型を含めてTVが2台あり、航海中でも地上波の放送がほぼ途切れることなくずっと見られたこと。お蔭で、退屈せずに済みました。
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船室は船の前側に位置していて、船の進行方向が見える窓があるのですが、「夜の航海には光が邪魔なので、夜は必ずカーテンを閉めて下さい」との案内があり、そこだけはいささか残念ではありました。

セミスイートの部屋代金には船でのビュッフェの食事(夕・朝)が含まれているので、19:40の出港を待たずに夕食へ。船の夕食はいつも混むのでオープン直後にレストランに行きます。夕朝食無料以外には、スイートの特別待遇は当然のことながらありませんが、何とか窓際のテーブルを確保したものの、船はまだ出港前なので港の作業風景しか見えません。
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ビュッフェ代金を下げた代わりなのかアルコールのサービスはセルフになったので、料理を取る前にまずは自販機のハイボールで旅の成功と無事を祈念して乾杯。
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そういえば、ここ仙台って"ニッカの町"だったことを今更ながら思い出しました。昭和の時代には、"熊襲発言"でサントリー不買運動もあったっけ。
でも、自動販売機にない日本酒などを飲むのは結構大変でした。一旦レストランを出て、お土産やお酒・つまみ等を売っている売店に行き、レジの行列に並ばなければいけないのです。
ビュッフェは昔と違って寿司やデザートはなくなっていましたが、値下がりした@1500という値段にしては、船会社の経営努力が見てとれる十分な内容でした。
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夕食後にはコンサートなどもあるのがこのフェリーの魅力なのですが、久し振りのアルコールと運転疲れでゴロンと横になった途端すぐに眠りについてしまいました。
寝心地はスイートもあまり関係ないようでした。