麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

5、北海道一周の旅<その6:増毛~札幌~洞爺湖~室蘭>


11日目:7月5日(日)

前日の宿泊は留萌のビジネスホテルでした。留萌は、高2の初北海道の時に天売・焼尻の離島に行くために列車を乗り換えた経験があるだけで、実質的には初訪問です。やはり海辺の町なので、夕食時に訪れた居酒屋ではとにかく安くて新鮮な魚介類に圧倒され、一晩ですっかり留萌ファンになりました。

もう一つありがたかったのは、宿泊したホテルの「訳ありプラン」。宿泊する部屋に「窓がない」ため、他の部屋と比べても割安の設定でしたが、この「窓がない」ことが「訳あり」どころかかえって大変に有難く、今回の旅で一番熟睡ができた最高の一晩でした!

この時期の北海道の夜明けは早く、3時過ぎから空が白みはじめ、4時には外はすっかり明るくなってしまいます。早く寝る私が一旦目覚めるのはいつもこの4時頃で、外の明るさゆえに一度目が覚めるともう眠れなくなってしまうことも多いのですが… このホテル、窓がないお陰で明け方の外の白みに起されることもなく、7時までたっぷりと熟睡することができました! 
この時期の北海道で、こんな”訳あり”なら大歓迎で、料金が多少高くても窓のない部屋を選びたいぐらいです!!

留萌では、市内が見渡せる「千望台」という展望スポットのみ観光することにします。市内が見渡せる展望台からは、意外と大きな留萌の街の全景を見ることが出来ます。
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留萌の北の方には、今回外周の旅で回れなかった羽幌などがあり、天売・焼尻に行くフェリーが出ています。37年前に行ったことは行ったのですが駆け足のような訪問だったので、利尻・礼文同様もう一度ゆっくり行ってみたい場所です。
「次回、2周目で必ず来ますね!」とご挨拶だけしておくことにします。

留萌を通っているJR「留萌本線の廃止」のニュースが出たのは6月末のことで、私はこのニュースを北海道のTV(ローカル番組)で知りました。
留萌本線は深川が起点で、留萌から日本海沿いを南下して増毛まで行くのですが、深川~留萌間はともかく、留萌~増毛間は本線とは名ばかり(失礼!?)の超ローカル線です。昔は、留萌から海岸線を北上して稚内近くのサロベツ幌延まで行く”羽幌線”の方が、距離も長く”留萌本線”にふさわしいのでは? と私も誤解していたのですが、その羽幌線は分割民営化の昭和62年にあっさり廃線になってしまったので、留萌~増毛間も近いうちに同じ運命を辿るのでは? とは危惧していたのですが、今回の廃止論は、留萌より先だけではなく、留萌本線全線が対象のようなのです。

偶然、我々の北海道旅行に合わせたように”留萌本線廃止”のニュースが出ましたが、この報道とは関係なく今回増毛の町を訪ねる予定にしていました。海沿いをずっと行こうと思っていたことと、ノスタルジックだという増毛の町にも大いに興味があったためです。

増毛駅前に車を停め、まずは廃止議論で一躍主役になっているJR増毛駅を訪ねます。
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「愛国」「幸福」などの駅名がブームになっていた頃、ここ「増毛」も”毛が増える”ということで入場券等がもてはやされたことがあったと記憶しています。当時はともかく、今は私もその恩恵に浴したいうちの一人になってしまったのですが、駅の中には観光客用の売店はあっても、昔からの「増毛」関連の入場券やグッズはありませんでした。

車を駅前に置いたままでノスタルジックな街を散歩してみます。駅前通りの一等地には昔の建物を再利用した観光案内所があり、観光に力を入れていることがわかります。今日は日曜日ですが、まだ9時なので人通りは殆どありません。
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駅前通りの向かい、古い建物をそのまま民宿として活用しているようです。
「泊まってみたいなぁ~!」とは思いますが、古い設備だと私の宿泊は難しいのかもしれませんね…?
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中を公開しているのは、「旧商家丸一本間家」。入場料を払って呉服商の店頭や当時の住居なども見せていただき、この日限定とのことですが抹茶とお菓子のサービスまで受けることが出来ました。因みに、「本間家」と言えば山形の酒田にも有名な本間家があるので関連を聞いてみましたが、「特には関係がない」のだそうです。
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この時間から一番人がたくさん来ていたのはこの酒蔵「国稀」で、私も名前だけは何となく知っていた増毛の有名な日本酒酒蔵です。ファイターズにいた頃、ダルビッシュ投手が「国稀の日本酒は美味しい!」とTwitterでつぶやいて以降、札幌を中心に人気のお酒となったようで、この日も朝からお店には10人以上の人たちが来ていて、色々な日本酒をどんどん買って行っています。
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車で来ている私は試飲が出来ないので、たくさんあるお酒を飲み比べて選ぶことは出来ません。仕方なく、より希少価値が高そうな、「増毛限定販売」のお酒を友人への土産用に仕入れました。
味はどうだったのかはまだ聞いていませんので、今度聞いてみたいと思います。

それ以外にも、駅横の坂をちょっとだけ登ると、人家のすぐ近くに灯台があったりして、ちょっと驚きです。 
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増毛って、意外に面白い町でした。
「今度は、ゆっくり列車で来てみたいなぁ~!」と思いますが、この夢叶うでしょうか??

高校時代、初の北海道旅行を計画した時、増毛より南には道路がなく、南の海沿いの”陸の孤島”と呼ばれていた集落「雄冬」に行くには、1日1便の船で行くしか方法がないというのをガイドブックで読み、当時から無性に行ってみたかったのですが、その増毛~雄冬とその先まで道路が開通したのが1984年とのことなので、37年越しの念願である雄冬の初体験です!
この増毛~雄冬間の道路は、作るのに大金がかかった「えりもの黄金道路」以上にお金がかかっているような(少なくとも私にはそう見えた)、本当に凄い道路でした。長いトンネルと抜ければすぐ高架の橋、そしてまた長いトンネル… 
「こっちも黄金道路!」と観光振興してほしい気もします。

雄冬には展望台が出来ていて、車でかなりのところまで行け、その上にはしっかりとした階段通路が作られています。
展望台から見た道路と雄冬の集落です。本当に絶景でした!
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こっち側が、利尻富士の方角です。天気がいくら良くても、ここまで来ちゃうとさすがに利尻富士はもう見えません。
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雄冬のすぐ先には結構豪快な「白銀の滝」があります。殆ど期待していなかったのに意外にいい滝に巡り合えて、感動モノでした!
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札幌からも近い雄冬、意外と楽しい観光地です。今度、ゆっくりと名物の「甘エビ」を食べに来たいと思います。

本日の宿泊は札幌。やっぱり日本有数の大都会だけのことはあります。既にホテル代が結構高くなるシーズンに突入しているのか、札幌中心街で安く泊まれるホテルがなかったため、本日のホテルは琴似という近郊の街。ホテルの駐車場に車を停めて大通公園まで地下鉄で行き、札幌中心街の散策を楽しみました。

夕食は、札幌らしく「味噌ラーメン」。「近年、琴似は”新ラーメン激戦区”である!」という情報を鵜呑みにして、ホテルで貰った「琴似ラーメンマップ」から、適当な店をチョイスします。
結果は… 「最近のラーメンの味は、全国どこでもあんまり変わらない!」ということを再確認しました。確かに、37年前に初めて食べた札幌味噌ラーメンには本当に驚き、いままで東京で食べていた味噌ラーメンを根底から覆すような衝撃の出会いでしたが… 
あんな感動に出会うことは、もうないのでしょうか…??

12日目:7月6日(月)

本日は早々と札幌に別れを告げて、道南方面を目指します。
まず、向かったのは札幌の場外市場。市場でカニを選び、帰りに寄る予定の仙台の妻の実家に我々の到着に合わせて送ってもらおうとすると、今朝の札幌での買い物がベストタイミングです!
この「日本一周の旅」ではほとんどお土産を買うことはないのですが、今回本当に唯一の贅沢なお土産です。生きているカニを選び、到着日に間に合うように茹でて送ってもらうように依頼しました。
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「バカと煙は高いところに登りたがる」といういつもの金言に倣って、札幌市内を見渡せる「もいわ山ロープウエイ」で札幌市内を見渡そうと思って訪ねてみますが、誰もいない駐車場に車を停めると、慌てて関係者らしき人が近づいて来ます。
「ロープウエイに乗るのですか?」
「はい。」
「でも運行開始までまだ2時間近くありますが…」
早くホテルを出たので、まだ9時前です。9時オープンぐらいと楽観していたのですが、オープンは10時半らしくそれまで時間をつぶすアイデアもありません。
藻岩山には自動車道でも登れるのでそっちで行ってみようとも思ったのですが、混んでる朝の道路で何回か道を間違えて、行く気も萎えてしまいましたので、札幌を後にして眺望が期待できる中山峠を目指すことにします。
この「バカと煙」は、高いところが大好きな割には高所恐怖症で、おまけに飽きっぽくて根性がないのが最大の欠点です。

中山峠からは、1年振りの羊蹄山が昨年同様の勇姿をくっきりと見せてくれて、我々を歓迎してくれています。
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中山峠に来たら、”お約束”で名物の「あげいも」をいただかないわけにはいきません。恐らく10年以上振りに懐かしのあげいもをいただきましたが、昔通りどこか懐かしい味でした!

中山峠から洞爺湖に向けて峠道を下ります。昨年は洞爺湖に雲海が掛かっていて何も見えなかった「サイロ展望台」に立ち寄って洞爺湖の眺望を楽しみます。
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この展望台に来ている団体は全て中国語の方々で、マナーが悪い人が多いので、台湾ではなく中国本土の方々なのでしょう。このあたりから、フェリーで函館を出るまでは、本当に外国人の方々ばかりで、そのパワーには圧倒されまくってしまいます。
30年ぐらい前、日本人団体客が我が物顔で欧米を闊歩していた時代、私はまさにその「日本人団体の添乗員」でしたので、今更ながら当時の日本人団体と現在の訪日外国人団体とをどうしても比較してしまいます。でもやっぱりどう考えても、日本人団体の方が、「奥ゆかしかった&最低限のマナーは守れていた」と思うのは私だけでしょうか?? 当時は、大変失礼ながら若造添乗員の分際で、マナーを守れていないお客様には注意をさせていただいたことも何度かありました。

日本に来てくれて、たくさん買い物してお金を落としてくれるのは日本経済のためにも本当にありがたいのですが、申し訳ありませんがこのマナーの悪さを見るにつけ、「もろ手を挙げて大歓迎。」が出来ない自分がいます。
世界中の旅行関連のすべての業界が発展することは、32年間旅行業界に身を置いたものとしては嬉しくない筈はないのですが…
やはり、「最小限の全世界共通のマナーを身に付けた上で日本に来てほしい」と願わずにはいられません。

昨年も行ってソフトクリームを食べた牧場のお店。特にジェラートが有名なのですが、ソフト好きの我々は「年に1回」なのでやっぱり今年もソフトをオーダーしてしまいます。
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洞爺湖は昨年も堪能したのでこれ以上の観光はせず、初めて訪ねる北海道の都会「室蘭」に向かいます。まずは、白鳥大橋の風景を満喫すべくいくつかの展望台を中心に室蘭の景観を楽しみます。
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室蘭観光のハイライトは地球岬。「地球が丸く見える展望台」として有名ですが、この日は残念ながら雲がかかっていて、地球は普段見るような地球のままでした!?
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ところで、この日のお昼も例によってまた回転寿司だったのですが、私の全国回転寿司ランキングで「なごやか亭」の1位を脅かすお店を発見しました!
そのお店は、「回転寿司割烹伊達和さび」というお店で、伊達にある本店とここ室蘭にある支店とまだ2店舗だけのお店ですが、回転寿司でありながら高級感もたっぷりで、寿司も新鮮で凄く美味しかったのです!!
食べログなどでは、「高すぎる」的な批判もありますし、1回の評価で「なごやか亭」との優劣を論じるのもナンセンスだとは思いますが、次北海道に行く時には必ずこのお店にはまた行ってみようと思いました。
その頃に、このお店がどうなっているのかがとっても楽しみです。

本日の宿泊は登別温泉。久し振りに大きなお風呂でも有名な巨大旅館「第一滝本館」のお風呂にも入らせていただきました。
30年以上振りに入った第一滝本館のお風呂は、やっぱり快適で35もあるというお風呂のうち、10以上のお風呂をゆっくりと楽しませていただきました!