麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2023年九州ドライブ紀行<その1:九州までの長い道のり>

今年の夏は。ゴールデンウイークに引き続いて九州へ行きました。4月下旬に納車された新車ですが、特に遠出する予定もなかったので3ヶ月以上経過しても初回以外はまだ1回もガソリンを給油していない状態で、走行距離はまだ500キロに届いていません。これでは運転に慣れるどころか、新車の能力を十分に発揮させられるとも言えないため、今回の旅はとにかく長い距離を運転して車に慣れることをメインテーマとしようと、前回(2015年)は往復とも利用した長距離フェリーの利用を避け、全行程新愛車でドライブすることにしました。その結果、昨年の北海道旅行の時は総運転キロ数は3600 キロでしたが、今回の総運転キロ数は4370キロを超え、紛れもなく人生最長のドライブになったのです!
昨年の北海道旅行は欲張って20日間の旅行プランを組んでしまったため、帰宅後に腰痛に襲われた苦い経験があったので、今回休暇は昨年同様20連休が取れたのですが、全部を旅行に使うことはせずに旅行は18日間だけとして、最後の2日間は完全休養に充てることにしました。それでもやっぱり18日間運転するのは本当に疲れました。今回初めて「もっと短くても良かったかな?」と感じた瞬間が何度かありました。
今回、長距離フェリーを使わないことを決めたのですが、そうするとやっぱり九州はとっても遠い! なので直行は避けて、行き帰り共に本州内で日本2周目でまだ塗りつぶせていないいくつかの県を訪ねる寄り道プランを組みました。そのお陰で日本2周目の地図は関東以南は沖縄と四国以外はほぼ塗りつぶすことができたのです。
ということで、これからはいつも通りに冗長で退屈な旅行紀をダラダラと綴ることにします!

 

1日目:8月2日(水)

 

前日までに次回出勤する8月22日までにやらなければいけない仕事を何とか済ませて、この日の朝6時から待ちに待った大旅行のスタートです。正月の時のような愛車のトラブルもなく、順調に圏央道に乗ろうとした正にその時、妻が慌てて「携帯がない!」。流石に18日間の旅に携帯がないのはとても辛いので、躊躇なく片道20分以上を要して自宅に戻り、無事に携帯を持って出掛けることができたのです。本当にインターの直前で気付き、高速入口の前にUターンする場所があるのは知っていたのですが、ここでUターンしたのは人生初めての経験。
約50分のタイムロスでしたが、今回の我々の気持ちは前向き。「これが高速に乗った後だったり、中央道に乗った後だったら、果たして引き返しただろうか? 大いに悩むところだよね? 本当にラッキー!」二人共、落ち込むことなど全くなく、逆にテンションが上がるという少し変わったスタート。とは言え、朝の50分のロスは大きいはずで、予定の昼ごはんが食べられないかも?と危惧したので、自動運転を少し早めの105キロにセットして予定通り中央道を快走。今日の最初の目的地である滋賀県の長浜までは、新東名経由の方が中央道経由よりやや早いようなのですが、今回九州までの行きと帰りの道は基本的に違う道にしたいと考えたため、行きは躊躇なく中央道をチョイスしました。中央道、予想以上に渋滞もなく快適で、朝の50分の遅れを30分近く縮めて長浜インターに到着、長浜市内の駐車場にやや苦労したものの、12時半には目指す食事処へ。予想通りの行列はあったものの、少し待って無事に席を確保することができ、バリアフリーには大いに課題がある古民家のお店でしたが、何とかかんとか私でも入ることができました。

鯖そうめんの名店「翼果楼」 ( よかろう )

今日のランチは”鯖街道”名物の鯖そうめん。加えて食いしん坊の我々は鯖寿司を少しだけ追加したのですが、我々のオーダーが通った直後に、「今日、鯖寿司 売り切れね!」。我々は本当にラッキー!

すぐ出てきた鯖そうめんも鯖寿司も予想以上に美味。初日としては◎のランチ。

鯖寿司は妻とシェア

昼食後、黒壁スクエアを始めとした長浜市内を散策。

黒壁スクエアは本来はショッピングが楽しい場所なのでしょうが、元々ショッピングにはあまり興味がない我々で、今日が18日間の旅の初日なのですから、いくら良いものがあってもショッピングに目が行く筈はありません。しかもこの日水曜日はこのあたり定休日が結構多く、狙いをつけていた甘味処も残念ながらお休み。
散歩していてもとにかく暑いので、もう一つの目的地だった長浜市曳山博物館に涼みに入ります。同時に入場したもう1組の夫婦と4人に「説明します」と、学芸員の方が我々にずっとついて回ってくれ、想定していた時間よりかなり長い間詳細に説明してくれました。

ここ長浜で初めて城持ちになった豊臣秀吉に対する地元の人の愛着がとてもよく分かる丁寧な説明でした。長浜まつりにもいつかは行ってみたいものですね。


その後近くのカフェで休憩。妻はアイスコーヒーですが、ガンガン効いた冷房であっという間に冷えた私は、抹茶とお菓子をいただきます。

普段は絶対頼まないメニューも旅行中にはつい頼んでしまいます

こんなところも旅の楽しみ。
先程の曳山博物館で長浜の人の太閤愛を散々聞いたので、「太閤さんに会える神社」というキャッチフレーズにつられて、豊国神社へ。今回の旅の安全をいつも通り僅かなお賽銭で図々しく祈願。

この後、本当は賤ヶ岳に行きたかったのです。丁度大河ドラマでもお市さんの最後をやっていたし、賤ヶ岳の上から琵琶湖を眺めて柴田勝家の気分に浸りたいと思っていたのです。ところが出発間際の最終チェックで賤ヶ岳リフトの手すりが右側に付いていることがわかり、右手麻痺の私には乗れそうもないと判断、泣く泣く賤ヶ岳を諦め、車で行ける琵琶湖の展望スポットに行き先変更。柴田勝家の気分は味わえませんでしたが、琵琶湖の大きさを実感できてとりあえず満足。

この日の最後の観光は有名なメタセコイア並木。

近所の駐車場に車を停めて有名な並木をパチパチ。

メタセコイア並木は季節ごとに違った魅力があるとのことなので、次回は冬に来てみたいなぁ~!

今宵の宿はメタセコイアそばのペンション。ペンションのオーナーは元ホテルマンで、私がいっとき頻繁に宿泊していた大阪ロイヤルホテル(現、リーガロイヤル)にいたということで、懐かしの大阪ロイヤルホテル話で盛り上がり、楽しい一夜でした。

 

2日目;8月3日(木)

 

今日は琵琶湖の周辺から京都に行くという、おおよそ九州旅行の1日とは思えないような日程です。
午前中は昨日に引き続いて琵琶湖北・西岸の観光。まずは琵琶湖の中に鳥居がある白鬚神社の湖中大鳥居へ。

神社と鳥居の間には交通量のメチャ多い道路があり、横断禁止にもかかわらず多くの旅行者が横断している模様なので、対策として神社側に展望台があります。当然我々も道路は渡らず展望台からの眺望で満足。

続いてのビュースポットは箱館山展望台。冬はスキー場のようですが、夏はロープウェーとリフトで琵琶湖の絶景が眺められるとのこと。一番上まで行き、そこには展望ベンチや展望ブランコもあるのですが、肝心な琵琶湖のビューは湖が遠すぎて&デカすぎて写真としてはイマイチ。

琵琶湖は遠くに見えるのですが…

でも、「琵琶湖の巨大さを実感する」という目的は前日に続いて再びクリアです。

 

琵琶湖畔を出て、この日のメインの目的地京都の美山に向かいます。京都と言っても市内の神社仏閣でもなく、2015年に訪ねた”海の京都”伊根でもありません。京都府内に残るかやぶきの里が美山で、京都からも舞鶴からもそれなりに遠い田舎なのです。琵琶湖の畔から京都美山までナビをセットして走ると、ナビは日本海方面を目指し、福井県小浜市に突入します。間違いなくこの道が美山への最短ルートなのですが、九州旅行なのに今福井県を走っていることが何とも不思議で愉快なひととき。福井県小浜市といえば2015年に訪れて感動した三方五湖のすぐ近く。「こんなことなら、三方五湖もプランに入れておけば良かった!」などと妄想をしながら走ると徐々にかやぶきの家が増えてきて、かやぶきの里美山に到着。
美山でのランチは鮎とかも美味らしいのでいくつかブックマークしておいたのですが、あんまり考えるのも面倒になり、結局美山の駐車場そばのそば屋へ。

蕎麦屋「きたむら」

あまり期待していなかった故なのか、かなり美味しいお店でした。妻は天ざる、私は親子丼を食べたのですが、かなりのハイレベルなお店で大満足でした。

卵が特に美味しかった親子丼

美山の観光には地元のガイドさんを事前予約していました。予約の時間は2時なのですが、我々が昼食を食べ終えたのは1時20分頃。ダメ元で早くスタート出来ないか聞いてみたところ、ガイドさんに連絡を取ってくれて、阪神タイガースの帽子をかぶった元気なおじいさんガイドが颯爽と登場。

古民家が残るかやぶきの里美山。岐阜の白川郷や福島の大内宿などとの根本的な違いは、ここには里内に観光施設の民宿やお土産店は殆どなく、皆普通に生活している場所なのだとか。なので歩いていてもガイドさんはしょっちゅう知り合いと挨拶&世間話を交わしています。本当に生活感に溢れた素敵な観光地で、1時間のガイドツアーは本当にあっという間でした。

美山に満足して今宵の宿がある福知山まで1時間半のドライブ。ホテルに行く前にちょっとだけ明智光秀の福知山城にご挨拶。ところが、福知山城に行く坂道はかなり急で、見た瞬間城に行きたいという我々のモチベーションを早々に奪って行くので、下からお城を眺めて光秀を偲ぶことにします。

光秀はここで何を考えていたのでしょう?

福知山駅前のビジネスホテルに宿を取り、今日の夕食は駅前の餃子の王将

駅前にあるSL。後ろに見えるのが我々が宿泊したホテル

ここ福知山も京都府、我々に馴染みのある餃子の王将といえば「京都王将」なので、本場京都に敬意を表しての訪問です。とは言え、やっぱり餃子の王将は地元だから特別な訳ではなく、いつも通りの餃子の王将でした!

 

3日目:8月4日(金)

 

この日もまだまだ本州。この日のメインイベントは、 日本2周目でまだ塗りつぶせていない鳥取県を塗りつぶすために鳥取県内の温泉に泊まること。
福知山から鳥取までは国道9号線で一本。朝から約2時間の快適なドライブを鳥取砂丘まで。2度目の鳥取砂丘の妻の目的は前回ラクダの体調不良で乗れなかったラクダに乗ること。前回同様、ラクダがウリのお土産屋さん「らくだ屋」に車を停め、今回こそラクダに乗れるか聞いてみたところ、もうラクダも年なのか「ラクダにも”働き方改革”が必要なので、今はやっていない。」との残念な回答。

仕方がないのでとりあえず鳥取砂丘の端に立ってみます。

前回は足が砂まみれになるのを覚悟の上で砂丘をズボズボかなり歩いたのですが、この日の鳥取砂丘は酷暑!まだ10時頃だというのに、35℃は超えていそうで正直砂丘を歩きたくない気温。「まるで、ゴビ砂漠みたいだ!」と呟きますが、勿論ゴビ砂漠になんて行ったことはありません。
ということで砂丘を眺めるだけで砂丘内を歩く観光を諦め、涼しいビジターセンターに逃げ込みます。涼しいところで鳥取砂丘の映像を大画面で見て、満足することにします。
鳥取砂丘には、もう一つメインイベントがありました。それは予約しないと食べられない海鮮丼。当然我々は1ヶ月前から電話予約していて、車をらくだ屋さんに停めたまま歩いてそのお店に向かいます。

鳥取砂丘の名店「鯛喜」

我々の予約は11時半ですが、やや早く着いたので全部の席が埋まっていて、満席のお客は皆満足げに海鮮丼を食べています。11時半前にようやく席が空き、早速海鮮丼と岩牡蠣をオーダー。

ビジュアルもいいが兎に角旨かった!

岩ガキも美味しかった!

その後前回も楽しんだ「鳥取砂丘 砂の美術館」へ。ここは一定期間ごとに展示が変わるので、2回目でも初めての感動が味わえます。2015年は確かヨーロッパの街並みだった記憶があったのですが、今回はエジプトでしたので、超新鮮。

ラクダには乗れなかったけれど、鳥取砂丘に来た目的は十分に果たせたようです。

鳥取県の2つ目の目的は「すなば珈琲」。その存在とシャレの効いたネーミングを知ってから、美味しいと言われるコーヒーを飲みにいつかは行きたいと熱望していたお店です。本来なら鳥取駅前の旗艦店に行くべきなのでしょうが、今回は道の駅にもここのお店があるということで、前回も立ち寄った因幡の白うさぎで有名な白兎海岸の道の駅へ。ここのすなば珈琲は、期待したようなお洒落なお店ではありませんでしたが、白兎海岸を見ながら美味しいコーヒーが飲めたので、ここでも目標達成です。

白兎海岸を眺めながらの優雅なコーヒータイム

この日の泊まりは山陰の名湯皆生温泉鳥取県内の温泉に泊まることをテーマに三朝温泉やはわい(羽合)温泉を含めてさまざまリサーチをしていて、ここ皆生温泉の游月という宿も有力候補として考えていた時に、同じく元プロの友人がFacebook にこの宿の宿泊を投稿していたので、本音を聞いてみたところ「本当に良かったよ」ということなので、三朝やはわいの誘惑を断ち切って、この旅では3番目の高級宿になりやや予算オーバーになりますが、ここに泊まる決断をしたのです。
この皆生游月、かなり満足しました。日本海との一体感が味わえるインフィニティ天空露天風呂も良かったし、料理もかなりハイレベル。

バルコニーには温泉露天風呂もあって、朝日の中日本海を見ながら朝風呂も楽しめたのです!

潮騒を聞きながら温泉に入る… 最高でした!

九州に入る前なのにこの旅でベスト3に入る高級旅館でしたが、本当に満足しました。

そして明日はいよいよ九州に上陸です!