麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

神戸・淡路島旅行<その2:神戸市内観光前のぶらり散歩>

 
1日目:2月28日(木) つづき

12時20分過ぎ、のぞみ21号はダイヤ通り正確に新神戸駅に滑りこみました。さあ、これからは楽しい観光のスタート… なのですが、心の中には小さな不安がざわざわと蠢いています。
実は駅には、私にとって最初の難関というか関門が控えていて、私はちょっとだけ心穏やかではない状況だったのです。
その難関とは… そう関西のエスカレーターなのです!

ご存じの通り、関東ではエスカレーターに乗るのは左側で、急いでエスカレーターをかけ降りる(またはかけ上がる)人の通路として右側を開けるのがマナーとなっています。右半身に麻痺がある私は、左手で手すりを掴んで左側に立つ体制が一番安全で安心な体制なので、この関東地方の暗黙のルールは私にとっては願ったり叶ったりなのです。
でも何故か関西のエスカレーターのマナーは全く反対で、右側に立ち左側を急ぐ人に開けるのがマナー。左麻痺の人にはこっちの方が良いのでしょうが、私にとって右に立つという動作は慣れない動作で、この関西のルールで乗るエスカレーターは倒れて以来初めてなので、不安とプレッシャーでドキドキしてしまっているのです!

でも「郷に入っては郷に従え」ですし、関西のマナーですから慣れなければなりません。見方を変えれば、左に立つのはイギリスのロンドン風ですが、右に立つのは華の都のパリ風なので、パリに行ったと思えば良いわけです。

なので、決意を固めて「いざ、エスカレーターへ!」と颯爽とエスカレーターに向かいますが、改めて新神戸駅エスカレーターを眺めると、何故か全員が左側に立っているではありませんか!?
よくよく考えると、東京駅を朝に出た新幹線ですから、乗ってきた?乗客の大半は地元民ではなく関東エリアの住民。つまり何の疑いもなく自然に左側に立っているのでしょう。
なので、私もみんなに従って左側に立つことにしました。
でも、関西の東京風エスカレーターはこの一回だけでした。その後の旅行では全て右に立つルール通りに何とか乗ることができ、鬼門のエスカレーターも何とかクリアできました!

さぁ、いよいよ待望の神戸市内観光です。観光手段は、今回もタクシーを6時間チャーターしており、魅力たっぷりの神戸市内を満喫する予定にしています。
この市内観光、神戸を初めて訪れる妻が特に楽しみにしていた時間なのですが、観光の前に、ちょっとだけ妻の知人がいるカトリック修道院を訪問することにしていました。

これは妻の希望で、先週この神戸の修道院の知人にアポイントの電話を掛けて決めた予定です。
「30分ぐらいの訪問だからいいでしょう?」と言われていましたが、元々神戸のタクシー観光は妻のリクエストで設定したスケジュールなので、私に異論があろうはずはありません。訪問する修道院の場所を調べたところ、市内中心部で新神戸駅からも比較的近く、六甲の登山口にあるので、六甲も観光の候補に入れていた我々には好都合です。
なので新神戸駅でミートした人の良さそうな運転手さんに希望と場所を伝え、まずその修道院を目指します。

修道院には予想通り20分ぐらいで到着。函館のトラピスチヌ修道院のような観光で訪れるような修道院ではないのですが、この修道院の本部らしく市内にありながらそれなりに大きな施設です。
誰よりも地元に詳しいはずの今日の運転手さんも、 この建物はご存じだったようですが、ここが修道院だったのはご存じなかったようです。こんな市内中心部で、神に仕える方々が人知れずにひっそりと暮らしている…なんて、ちょっとおごそかで神聖な気持ちになりました。
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でも私はクリスチャンではないので、妻と一緒には修道院に入らずに、車の中で待つことにしました。でも折角初めての街に来たのだから、これは「30分でもぶらり旅を楽しもう!」と思い歩き出してみます。

修道院から5分も坂を降りると、阪急電車の六甲駅があるよといわれて、とぼとぼと坂を下って行ってみることにしました。

ここ六甲駅は、あのノーベル賞を取った山中教授の母校である国立神戸大学の最寄り駅で、六甲山の中腹にある神戸大学へ行くバスが出ていると言われて、不思議と懐かしいような気持ちが湧いてきました。
高校時代、旅先で知り合った神戸大学の先輩に何故か憧れ、一時は真剣に神戸大学の受験を考えたことがあったからです。
もっとも、その夢は学力の問題や経済的な理由もあり、早々に諦めざるを得なかったのですが…
でも、高校生の時にこの六甲駅に降り立っていたら、私の人生はどうなっていたんだろう? とちょっと感傷的な気分にもなりました。
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でも、さすが坂のまち神戸、行きは下りなのでよいよいでしたが、帰り道の登り坂は駅へのアクセス道路としては東京にはない急勾配です。
もし神戸大学を受験したとしても、学校に落とされる前にこの急坂にモチベーションを奪われていたかも知れない…
と、一人で考えながらも必死に坂を上ってようやくタクシーの待つ場所までたどり着きました。

妻も話が盛り上がったのか30分の予定を10分以上もオーバーしましたが、満足そうな顔をしてタクシーに戻ってきました。
予定より一時間ほど短くはなりましたが、いよいよ神戸の市内観光を始められます!