麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

埼玉県全鉄道路線乗りつぶしの旅<その①>

久し振りの投稿です。
突然ですが… 2024年3月末をもって、8年と5カ月勤務した第2の職場(学校法人)を退職することにしました。まだ63歳(間もなく64歳)なので、定年には2年を残しての退職です。じゃぁ、何で辞めたのかというと、話せば長くはなるのですが、やっぱり片道1時間半を終える通勤が兎に角辛くなったというのが最大の要因です。
コロナで在宅勤務という制度が定着してから早数年、今までは往復3時間の通勤も”当たり前のこと”だったので殆ど苦にならなかったのですが、コロナ禍で在宅勤務が定着し、コロナ禍が収束してからは通勤電車の混み方を含めてすっかり以前の通勤に戻ったのですが、自分の気持ちと体力については以前の自分に戻ることが出来ませんでした。毎日の仕事と通勤が終わると兎に角ぐったりとしてしまうのです。仕事なんて以前のようなプレッシャーがかかり精神的にも体力も激しく使うような仕事では全くないのにも関わらず… です。
「今の体力では、仕事は兎も角往復3時間超の通勤は… もう限界!」と、退職を決意したのは昨年の夏前。その後は年度契約の事務嘱託職員なので、何とか契約満了の3月までは無事に勤めあげて円満退職しようということが大きな目標となりました。そして、3月1日(金)に無事に最終出勤日を迎え、今週から有給休暇消化期間となり、3月末に無事に契約満了となります。

では、「会社辞めて、何すんの?」 については、正直まだ決めてはいません。在職時代人事部で様々な雇用問題の担当をしていて、「障がい者雇用問題」についても知遇を得る機会があり、各企業が毎年上がる”障がい者法定雇用率”に苦しんできている実態を見てきているので、”身体障がい者は売り手市場である。”という実態は知っているつもりなので、贅沢を言わなければ働き口はあるだろうとは思います。とはいえ、やっぱり通勤が長いのは嫌だし、年齢・体力的にも「もう、フルタイムはいいかな…」という気持ちもあります。とりあえず、来月からは9年振りにハローワーク通いをして、縁があればまた働こう と、考えています。
「このまま働かずに老後を迎える」という選択肢についても、退職前にシミュレーションしてみて、「このまま仕事をしなくとも、つつましく暮らせば何とか生きてはいけそう。」という検討結果にはなったのですが、「つつましく暮らすのが嫌だ」という訳では決してないのですが、むしろ「今後、何もしない退屈な人生は、きっと苦痛!」のような気がするので、それが仕事以外だとしてもやっぱり何かはし続けたい… と考えているのです。

とはいえ、今週からすっかり時間が出来たので、とりあえず私がすることと言えば、やっぱり「旅」。9年前に会社を辞めた時には「日本一周がしたい!」という理由で会社を辞めているので、何より「旅行第一」の退職だったのですが、今回はその時のような「旅行第一」の理由ではないとはいえ、私の唯一最大の趣味が旅行なので、「時間ができたら行きたいところ」はまだまだたくさんあります。でも、3月中は無事に年休消化期間を迎えられるかどうかの自信もなかったため、とりあえず長い旅行には行く予定は立てていません。
でも3月には毎年恒例の「青春18きっぷ」も発売され、40年振りに鉄ちゃんに戻るにはちょうど良いチャンスなので、半年前からあれこれとプランを立てていました。加えてJR東日本が2~3月の平日限定で1日1万円で乗り放題のきっぷ「キュンパス」を発売したので、こちらも含めての3・4月の旅行をあれこれ考えています。

ところで、間もなく私の「日本二周目」はゴールを迎えて、今年もしくは来年には「三周目」が始められそうなのですが、我が地元埼玉県巡りだけはどうにもあんまり調子がよくありません。埼玉県については「全市町村巡り」を始めてはいるのですが、72市区町村(さいたま市の区を含む)の内、巡れているのはまだ31市区町村のみで、まだ半分以上が未達成です。この「全市町村巡り」だけを集中的に行うというモチベーションは私にはなく、今後も暇な時に少しずつやり続けたいと思っていて、このままではこの埼玉県が「日本二周目の達成の足を大いに引っ張る」ことが危惧されるため、この埼玉県の全市町村巡りは、3周目に向けてのんびりと続けて行くことにしました。(この辺の優柔不断さこそが私の持ち味!?)
「じゃぁ、埼玉県の二周目、何にしよう?」と考え、ある時思いつきました。「そうだ、埼玉県の鉄道路線に、改めて全部乗ってみよう!」埼玉県の鉄道はJR・私鉄含めてかなりの路線があります。その路線を端から端まで乗ってみようと考えたのです。
<埼玉県鉄道路線図はこちら
埼玉県内で、鉄道が全く通っていない市はなく、町村で鉄道が通っていないところは5町村のみ(東秩父村三芳町松伏町、川島町、吉見町)とのことなので、全鉄道を乗ることによりほぼ「埼玉県を塗りつぶし」することが出来ると考え、「これぞ、二周目に相応しい!」と一人悦に入っています。(さすがは、自己中男!)

具体的には、今までの乗車経験はともかく、ゼロからスタートして隣接する都県から全鉄道路線に全て乗ってみるプランで、そのことを考え始めてからは後は実際どのくらいかかるのかを様々考えてみました。その結果、新幹線を除くと3日間掛ければ何とか全路線に乗れそうなことがわかりましたので、3月2日以降、早速実施してみることにしました。全鉄道に乗ると言っても、全部の路線の全部の線路(往復)に乗ることはせずに片道だけ乗ればOKというマイルールを作りました。でも、鉄ちゃん的にこだわったポイントは以下の2つ。この2つ共結構な難敵でしたが、時刻表と格闘の結果、何とか設定した3日間の日程の中で(理論的には)全てクリアすることが出来そうです。
①貨物線を通るJR快速 「しもうさ号」と「むさしの号」
大宮から貨物線を通って武蔵野線に直通するJRの快速が2パターンあります。1つは大宮駅を出て貨物線を通り武蔵浦和に出てから千葉方面に向かう「しもうさ号」で、もう一つは同じ貨物線を通りながら武蔵浦和駅を経由せずに八王子方面に向かう「むさしの号」。共に朝夕に計3本程度の運行ですが、両方のルートを乗りつぶすためには両方の快速に乗る必要があります。
西武線秩父鉄道の直通列車
以前、華々しくデビューして私も大昔に乗りに行ったこともある西武線から秩父鉄道への乗り入れ列車。今では規模も縮小されて乗り入れは休日のみの運行です。しかも、この直通列車ルート的には長瀞方面に向かう路線と三峰口方面に向かう路線と2パターンがあり、どうやら2つは違う線路を走って相手路線に乗り入れるようで、こちらも両方に乗る必要がありそうです。しかも、西武線の直通列車は横瀬駅長瀞行きと三峰口行きに分割されるようなので、「2回行かないと両方には乗れないかも…?」と、このクリアに向けては散々悩んだのですが、あれこれ検討した結果、何とか休日の1回の秩父行きで両方クリアすることが出来そうです。
それ以外に、埼玉県内を通る新幹線としては、上野~小山と高崎まで行く必要があり、時間はともかく料金が気になるところでしたが、「平日1万円乗り放題」のキュンパスのお陰で、日帰り旅行とセットで何とかクリアできそうです。
最初は、「退職後の最初の1週間で、3回(+1回)を全部回ってしまおう」と考えていたのですが、天候の件や思ったより疲労感が残る(もう、年!)ため、3月中の達成を目指すこととしました。

 

1日目:3月5日(火)

 

退職後初の旅行は、最終出勤日翌週の火曜日。1日目のこの日は埼玉県内のJR線乗りつぶしが中心なので、退職前に買っておいた青春18きっぷの1回目を使っての旅で、朝6時に最寄駅白岡駅からのスタートです。

以前は東京方面行きのホームから、空いているこっち(宇都宮方面行)のホームを見ながら、「あ~ぁ、仕事を放り出して反対側行きの電車に乗ってみたいなぁ~!」と願ったことが何度も。遂に念願叶ってこっち側の人になれました!
埼玉県乗りつぶしのスタート地点は、利根川を越えた茨城県古河駅。昔、チャレンジはしなかった国鉄乗りつぶしキャンペーン「チャレンジ2万キロ」を真似て、スタートかゴールで駅名標の写真を撮ろうと考えていたのですが、古河駅の上りのホームには何故か駅名標が見つかりません。間もなく列車がやってくるので、止むを得ず反対側の下りの駅名標をパチリ。

ここは、茨城県です!

古河駅では通勤電車にもまだまだ空席があります。利根川を超えると、いよいよ埼玉県の鉄旅のスタート。

今までは結構混んできている列車に白岡駅から乗っていた私ですが、いつも座っている人がどこから乗ってきているのかはずっと謎のままでしたが、約数十年たってようやくその疑問がわかりとてもスッキリ。埼玉県2つ目の駅である東鷲宮でほぼ空席が埋まって、隣の東武線接続の久喜駅でどっと乗客が乗ってきました。白岡駅から乗ってきて私の前に立ったおじさんサラリーマンが羨ましそうに私を見ていたのが印象的。「俺も、こんな風に羨ましそうな目で見ていたのかなぁ?」なんて考えながら大宮駅で下車して、そのおじさんに席を譲りました。

大宮駅からは高崎線で高崎まで。朝の高崎線の下りは学生を中心に結構混んでいるようなので、グリーン車を奮発して旅情を味わいます。大宮を出るとすぐに鉄道博物館の横を通ります。見慣れた風景ではありますが、何となく旅気分になりパチリとしてしまいます。

高崎線の埼玉県は結構長く、熊谷、深谷、本庄を過ぎてようやく埼玉県の一番端の駅神保原へ。間もなく居住30年になる埼玉県人ですが、こんな偉人、知らないなぁ~!?

神流川(かんながわと読みます)を超えると、列車は群馬県に入ります。次に乗る八高線への乗換駅は倉賀野駅ですが、次の列車までまだ時間があるので八高線の始発駅である高崎駅まで。

高崎駅前を眺めてみます。「高崎や前橋、会社員時代には本当に縁がない街だったなぁ~!」と感慨ひとしおです。他の主要都市は何らかの仕事で行ったことはあったものの、群馬県には伊香保草津の温泉には仕事で行ったものの、高崎や前橋には仕事で来た記憶が全くないのです!

高崎駅前の風景

次に乗る八高線は、2番線と4番線のホームのずっと先にある3番線からの発車。

八高線にもかなり昔に乗りに来たことがある筈なのに、全くその時の記憶がありません。やってきた列車は、ディーゼルの2輌編成のワンマン列車。

ここから先はしばらく単線区間が続きますが、埼玉県内での非電化区間はこの八高線高麗川までの区間だけなので、今回の旅で一番旅情を感じられる区間で、鉄ちゃんのテンションも上がります。
ディーゼル独特の音を発して、八高線はのんびりと出発。倉賀野までは高崎線を走り、単独路線になって再び神流川を超えると埼玉県に突入。

同じ埼玉県とは言え、仕事上でもほとんど縁のなかった本庄・児玉などののどかな田舎風景を走りながら寄居へ。ここ寄居は、八高線東武東上線秩父鉄道の3つの路線が集まるターミナル駅。3路線のターミナル駅なんて東京ならば相当巨大なターミナルなのですが、ここ埼玉県の寄居は、驚くほどの超田舎駅。

でも、ここ寄居には埼玉県巡りでまだ来る必要がありそうです。
のんびり・ゆっくり走る八高線でウトウトしながら旅は続きます。4人掛けのボックス席でディーゼルの心地よいサウンドを聞いていると、「呑み鉄」をしたくなりますね。
高崎からのディーゼル列車の終点は途中駅高麗川高麗川からは単線ではありますが電化区間となり、JRらしい近郊列車がやってきます。

八高線の名前は、八王子から高崎まで。その名の通りの八王子行きが来ますが、埼玉県内を走るのはあと2駅だけで、3駅目の箱根ヶ崎駅は、田舎ですが(失礼!)もう東京都なのです。

戻る列車の時間までの間、ここが東京都だという証拠が何か無いかなぁ~? と階段を上がってみますが、瑞穂町の案内しかありません。瑞穂町… 都内といえども超マイナーな街ですよね??

反対行きの八高線高麗川まで戻り、まるで同じ路線のようにそのまま川越線を走る電車でそのまま川越駅まで。途中駅からはたくさんの女子高生が乗ってきて久々の大混雑状況です。まだ1時前なのにこんなに高校生が多いってことは、試験期間なのでしょうか? 営業職を離れてからもう20年を超え、平日の昼間の電車に乗るなんて、本当に久しぶりなのです!

川越駅からは川越線埼京線で大宮経由で武蔵浦和まで。馴染みがありすぎる列車なので、旅情感はほぼゼロ。

武蔵浦和からは武蔵野線へ。あんまり利用頻度は多くないとはいえ、生活圏に近い電車なので同じく旅情感は希薄です。次の下車駅は千葉県の南流山駅。今日は、茨城、群馬、東京都に続いて4つ目の隣接都県です。

次の乗車はつくばエクスプレス。TXといえば秋葉原から千葉・茨城に行く列車で、埼玉県のイメージはあまりないのですが、途中埼玉県内の三郷と八潮にある2つの駅を通るのです。

時間の関係で快速に乗り、埼玉県内の2つの駅を通過して北千住まで。

北千住からは再び青春18きっぷにお世話になり王子経由で地下鉄南北線の終点赤羽岩淵に行き、埼玉高速鉄道乗りつぶし

埼玉高速鉄道は現在浦和美園止まりで、今は埼スタ浦和レッズ)専用路線のイメージですが、地元民は岩槻延伸を望んでおり、その先には蓮田まで延伸の計画すらあるのですが、岩槻も怪しいし、蓮田までなんて実現しそうな気がしません。私が生きているうちに、埼玉高速鉄道で岩槻や蓮田に行ける日は来るのでしょうか?
埼玉高速鉄道を一駅戻り東川口へ行き、再び武蔵野線へ。ここまで急いだのは”難敵その①ー1”である「しもうさ号」を捕まえるため。

今まで何とか予定通りの行程で来られたので、私史上初めての「しもうさ号」に乗車。

しもうさ号は、武蔵浦和までは普通に武蔵野線を走ります。武蔵浦和駅を出た後は武蔵野線を跨いで右に進み中浦和駅の下を通って、その後トンネルの中をしばらく進んだ後、地上に出ると、そこは何と北浦和駅与野駅の間! という、埼玉県民(というか鉄ちゃん)には感動的なルートを通るのです!
いやぁ~! しもうさ号、感動しました。周囲の人はいつものことなのでしょうか誰も外なんか見ずにスマホを眺めているようですが… この絶景、見られたことに大感動でした!
この日の最後は大宮駅からのニューシャトルで終点の内宿駅まで。

でも、このタイミングでニューシャトルに乗ったのは失敗でした。結構激しい雨が降る夕暮れ、窓は曇って景色も隣を走る新幹線も全く見えないような状況に加えて、そろそろ帰宅ラッシュが始まって大混雑の列車は全く楽しめませんでした。おまけに終点の内宿駅で急いで改札まで往復して何とか折り返しの列車に乗れた… と思ったら見事に終点内宿駅での写真を撮り忘れました!

でも、何とか1日目の予定は無事に終了。
2日目以降も、近いうちに実施しようと思います!