麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2020年桜紀行① 稲取温泉と河津桜】

 正月明け、不満たらたらで湯西川温泉から自宅に帰りついた時に、伊豆のお気に入りの旅館から季節の便りと豪華宿泊プランの案内DMが届いていました。基本DMなどには釣られない私なのですが、この時は湯西川で受けたあまりに酷い対応に、半日以上経っても夫婦共々怒りが収まらなかったため、妻は「やっぱり、このレベルの宿に泊まらないとダメだよね! 早速、行こうよ!」と、しきりに湯西川のリベンジに行きたがります。でも、これからはGWの旅行に向けて資金を貯めないといけないので妻を説得にかかりますが、「じゃぁ、この宿の宿泊代は、私が払ってあげる!」とまで仰るので、妻のへそくりにお世話になることを決め、喜んでお言葉に甘えることとしました。その日のうちに休めそうな月曜日に当たりをつけ、2月16日(日)の予約を完了。
2月の伊豆と言えば何と言っても河津桜、我々は5年前前の会社退職寸前に河津桜と今回と同じ稲取温泉を訪ねていますが、あの頃は無職になる恐怖が徐々に始まっていたので、旅館は某有名旅館の姉妹館にリーズナブルに泊まっています。

また、3月のJRダイヤ改正で何回もお世話になった特急「スーパービュー踊り子」が廃止になることが発表されていたので、"スーパービューラスト乗車の旅"も楽しむことにします。ラスト乗車ならば、まだ乗ったことがない大宮始発のスーパービューに乗り、日曜日なので混むことは覚悟の上でこの日のうちに河津桜を楽しんでからお気に入りの宿に向かうプランを立て、列車も予約。昨年に続きグリーン車で行くことも考えましたが、JR代は家計負担と妻とは交渉妥結しており、GWの旅行に向けて我慢です。
河津桜祭りは2月10日から約1ヶ月の開催。さすがに2/16では桜は少し早いかな? と危惧していましたが、桜の開花状況をネットでチェックすると、今年の河津桜はお祭りが始まる前から既に満開のようで、桜の開花よりも日曜日の混雑の方が気になります。
ところが、出発日が近づくに連れて日曜日の天気予報が徐々に悪化し、前日には”終日、ずっと雨” の予報に変わったので、大宮からのスーパービュー乗車を諦め、日曜日は行くだけにして、河津桜の見学は天気予報は曇りの翌月曜日にしようと、JRの予約を何とか変更することができました。スーパービュー乗り納めの旅なので、前日の変更でもちゃんと往復共スーパービュー踊り子を確保します。

1日目:2月16日(日)

以前、世間では"金正日の誕生日"で認識されていた2月16日。でも私にとっては10年前に天国に召された母の誕生日でもありました。昭和2年生まれの母は生きていれば93歳かな? なんてことを考えながら、墓参りよりも伊豆の温泉を優先する親不孝な息子を詫びます。(さすがに、こんな親不孝にももう慣れたかも?)
雨の中、最寄り駅から東京駅まではいつも通りグリーン車を奮発。でも、来た電車は雨のせいか珍しくガラガラで、普通車でも余裕で座れた感じ。この旅最初の無駄遣い?
東京駅で駅弁を仕入れ、1時発のスーパービュー踊り子に乗り込みます。

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今日の宿はとにかく料理がメインで、ホームページにも"昼食は軽めにして、来て下さい。"と堂々と謳っています。確かに自信がなければあそこまで書けないと思いますが、その言葉に嘘偽りがないことは、過去2回の訪問で証明済みなので、見た目はさほど多くない弁当を選んだつもりでしたが、いざ相棒のビールと共に食べると、意外なほどボリューミーなお弁当だったのでいささかびっくり。
最後の伊豆までのスーパービュー踊り子、前日の乗車変更でもしっかりと海側のA席を確保していましたが、生憎の雨で景色は全く楽しめません。淋しいラスト乗車ではありますが、伊豆への列車がなくなる訳ではないので我慢です…
伊豆稲取駅で下車し、今日のお宿のお迎えのバスに乗車。バスに乗るやいなや早速暖かいおしぼりが供されます。さすがはサービスも一流の高級旅館!

今日泊まる宿の名は、「食べるお宿 浜の湯」。2018年の正月の静岡県の旅で泊まって(記事はこちら)以降、すっかり気にいって今回が3回目の宿泊です。

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(写真は雨が上がった翌日朝の写真です!)

名だたる名旅館がある伊豆半島において、この旅館を知った後には他の温泉旅館に行く気がしなくなったくらいに気に入った宿なのです。(自分的には最大限の賛辞のつもりです。)
この宿の素晴らしさはいくつもありますが、何より夕食と朝食が最高!大型旅館ではありますが、我々が毎回選ぶプランは夕食も朝食も部屋食なので、他のお客さんとはお風呂でしか顔を会わせません。そのお風呂も露天風呂も広いので、さほど混み合うこともなく、雄大な海と伊豆大島が見渡せる露天風呂はとにかく快適なのです!(写真をお見せできないのが、本当に残念!)

いよいよお楽しみの夕食。この宿に泊まるたびに食べ過ぎてしまうので、この日は夜も朝も胃腸薬を飲んでから美味しすぎる食事に挑みます。夕食と朝食は部屋でいただきますが、毎回、担当者がしっかりとついてくれて、絶妙なタイミングで一つ一つのメニューとお酒のお代わりを待たせることもなしに配膳してくれます。勿論、一品一品の説明も完璧。今、思い出すだけで改めてよだれが出てくる程。

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この、前菜からスタート

いつも伊豆らしい美味しいメニューが山ほど出るのですが、今回のメインを少しだけ紹介すると
・お頭付き伊勢エビのにぎり
・鮑のウニ焼き

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この2品が、今回選んだコースの一押しのメイン料理!

・舟盛り

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This is "浜の湯"その1

・キンメの煮付け

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This is "浜の湯" その2

味はどれも、期待を上回る旨さ。他の旅館の料理は確かに旨いものもあるけれど、そうでもないものもそれなりにあるので、そうでもないものを少しづつ残して量を調整するのですが、この宿には厄介なことに"そうでもないメニュー"が存在しないので、結局あの凄いボリュームの料理を妻共々完全完食してしまうので、胃腸は当然の如く音を上げます。今回も、最後の釜めしデザートも完食して、残したのは舟盛りの”刺身のつま”ぐらいでした!(自分でおろした伊豆名産のわさびすら、殆んど完食したぐらいですから…)
食事が終わったときには、我々はボディを打たれてノックアウトされたボクサーのよう。ただただ、お腹を押さえて幸せの余韻をいつまでも楽しんでいました。

2月17日(月)

宿の部屋と露天風呂からは、伊豆大島から昇る朝日が見えるのですが、日の出の時間の露天風呂はそれなりに混むので、私はいつも5時代のお風呂を殆んど貸切状態で楽しみます。朝から、アクティブに活動してお腹を空かせておかないと、美味しい朝食が入らなくという理由もあります。

お風呂から上がって、部屋のバルコニーから朝陽を待ちます。海の向こうには伊豆大島が見え、初めて来たときから「次は、伊豆大島行くぞぉ~!」と毎回誓っているにもかかわらず、まだ実現できていない自分の実行力のなさに情けない気分になってしまいます。

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大きく見える伊豆大島三原山

この日の伊豆は予報通り曇っていて、残念ながら朝日は見えませんでした!

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我々はこの宿では毎回バルコニー付きの部屋を予約しています。前回はGWだったので朝食は海を見ながらバルコニーでいただきましたが、さすがに2月にはまだ寒くってバルコニーでの朝食は無理です。次回は暖かい時に来たいものです。

再び胃薬を飲んだ後には、お楽しみの朝ごはん。

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朝からビール! の至福の瞬間

この宿の朝食には、なんと朝からまた舟盛が出るのです!

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これも、朝食なのです‼

朝の舟盛は、夜ほどの量ではないけれど、それでも普通の旅館で出る夕食時の刺身よりは多いくらいの種類と量は平気で出ます!初めて来た時には車で来たので、この至福の朝食の時にはビールが飲めずに悔しい思いをしたので、今回も勿論朝からビールが相棒です!

でも、夕食同様とにかくすべてのおかずが美味しいので、ビールの後でもご飯をお代わりして、朝食もやっぱり完食。特に、伊豆の朝ごはんの定番中の定番であるアジの開きと海苔の佃煮が絶品でした!

本当に満足して宿を後にします。今回の旅は、そもそも「あまりに悔しかった湯西川温泉のリベンジ」として計画したものでしたが、この段階で湯西川の事なんてすっかり忘れてしまいました!

さて、本日は河津桜を楽しんでから最後のスーパービュー踊り子に乗る行程。伊豆稲取駅に送っていただきましたが、各駅停車の下田行までは時間があるので、稲取の駅前をぶらり。駅前の”稲取名物のつるし雛”のお店に入りますが、つるし雛は意外と高価で、いいなぁ~と思うものは数万円もします。でも、間もなくひな人形の時期でもあるので、一番安いつるし雛を1歳の孫娘へのお土産に購入。やはり、”爺バカ”ですね!?

伊豆急下田行の各駅停車は、都内の朝のラッシュ時に近いくらいの大混雑。地元民らしい人は少なく、予想通り大半の観光客らしき人は当然のごとく伊豆稲取の2つ先の河津駅で下車します。階段の渋滞はこんな感じで、朝の都内の駅並み??

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コインロッカーに荷物を預け、河津桜鑑賞の開始です。河津川沿いの見事な桜は予想通り満開です!

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凄い数の観光客は予想以上、今日は平日の月曜日なのに… もし、昨日雨が降らずに日曜日予定通りに河津を見学していたら恐らく凄いことになっていたのでしょうね? 昨日雨でこの日程に変えて大正解だったのかもしれません。

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帰りは、3時間半後に河津駅を出るスーパービューを予約していましたが、桜を見ながらのんびりと歩いていると地元民向けのアナウンスがあり、「人身事故が発生し、伊豆急行は当面動きません!」とのこと。帰りの電車が心配になりますが、とりあえず予定通り上流に向かってのんびりと散策。上流に行くに連れ、人の数は徐々に少なくなってきます。

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桜と菜の花のコラボレーションも、本当に素敵です!

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2月中旬にして、桜は既に満開! というより、一部の桜ではもう葉桜が始まっているようです。長く楽しめるのがウリのはずの河津桜ですが、3月まで持つのかどうか、ちょっとだけ心配になってしまいます。

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のんびりと1時間ほど散策してから、今度はゆっくりと駅に向かって戻ります。食事の時間だったのですが、朝食を本当にたくさんいただいたので二人とも昼ご飯を食べる気になれず、私はビールとたこ焼きでお昼を済ませます。

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駅に戻ると、予想通り駅は大混乱中。でも何とか”帰りのスーパービューは、約1時間遅れ”ということが判り、駅前の喫茶店で時間を潰し、更に余った時間で私だけ駅近くのカメラマンが大勢待機している撮影スポットの端に場所を確保して、”列車と桜”の写真を撮るために列車を待ちます。

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30分程度で何本かの列車を撮影することができ、特に最後のスーパービューの写真を河津桜と一緒に撮ることができたので、1時間の遅延も大変ありがたい結果になりました。

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さようなら。スーパービュー踊り子

河津駅もホームに人が溢れんばかりの大混雑。反対側のホームには成田エクスプレスの車輛を転用した特急が停まっている中に、最後のスーパービューがやってきます。

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ガラガラだったスーパービューは河津駅であっという間にほぼ満席に。さすがに最後は海側のAB席は確保できずに山側のCD席でしたので、スーパービューとの最後のお別れの盃を酌み交わすうちに、熱海につく前にあっという間に眠りに落ちてしまい、気がついたら品川のビル街でした。

大満足の2日間のレポートをこれで終了します。でも、別の心配事がさらに増えてしまいました。今年のGWは、数年前から念願だった弘前を中心に東北の桜を見に行く予定で既にホテルの予約も完了していますが、日本中どこも桜の開花が早く、GWには楽しめないのでは…? という心配です。
結果がどうなるかは、5月のレポートでご報告します。

【2020年最初の旅】湯西川温泉への旅


2010年代の私にとっての10年間といえば、いきなり2010年の6月に脳卒中片麻痺になり、リハビリの日々。そして2015年には長年勤めた会社を辞めて日本一周への取組を始め、その後は旅行三昧という今までの自分の人生の中でも、最も激動のディケード(10年)でした。
2020年からの10年間がどんな10年になるのかは全く想像ができませんが、できることなら引き続いて旅行三昧の日々が送れる10年になることが理想です。最近、「いったい、私はいつまで元気でいられるのだろうか?」と時折考えるようになりましたが 、せめて最低でもあと10年(=60歳代)は妻共々旅行を楽しめるほど元気でいたいと考えています。

ということで、今年もお金と時間が許す限り、寅さんに負けないくらいに旅をしたいと思い、勤務先の正月休みが世間より1日ほど長かったため、連休の最後にまたまた1泊2日で出掛けました。


2020年の最初の旅行先は栃木県の湯西川温泉。栃木県の温泉には昔から結構あちこち訪れていますが、ちょっと遠い湯西川温泉には仕事・プライベート含めて行くチャンスがなかったのと、暖冬のこの冬には、まだ雪景色というか雪すら全くみていないので、とりあえず冬らしさを感じたいと考えたためです。雪があるのは確実と思われたので、車で行くという発想は全くなく、列車の旅です。

奥日光エリアの湯西川温泉に行くには、列車で鬼怒川温泉まで行くルートが一般的。鬼怒川温泉に行くには東武特急スペーシアなのですが、スペーシアに乗れる春日部駅までは車で行けばすぐなのに、列車だと大回りの必要がありメチャ不便。なので大宮から乗れる数少ないJR・東武相互乗り入れの特急を利用することにすると、便数が少ないのでもう行きも帰りも時間が決まってしまいます。
この、「大宮駅から乗り換えなしで鬼怒川や東武日光に行ける!」という特急の運行は確か2005年頃に始まった筈。当時旅行会社の大宮のオフィスにいたので、JRさんとタイアップして様々な販促をした記憶がありますが、その当事者だった私は、今でこそ言えますが、実は一度もこの特急に乗ったことがなかったのです!(JRさん、申し訳ございませんでした!)

11時に大宮を出る鬼怒川温泉行きの特急は、東武特急車輌のスペーシアで運行。(元)鉄ちゃんにとっては、「東武スペーシアがJRの大宮駅に停まるということは、とんでもなくエキサイティングなことなのだよ!」と、興奮ぎみに妻に訴えたところで、妻には全く興味はなさそう。

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一人で興奮してスペーシアに乗車します。”あのスペーシアが”私の通勤ルートを通り、我が家の最寄り駅白岡を通過、この普段の通勤ルートをビールを飲みながら通過するのがささやかな夢だった私は、お昼前から2020年最初のプチ贅沢を早速実行。
JRから東武への切り替えは栗橋駅にて。栗橋駅を通過してJRから東武の線路に乗り移ることも初体験で、"鉄爺"としてはとても楽しみにしていたのですが、ダイヤ上通過の栗橋駅運転停車して、乗務員がJRの人から東武の人に交代するのだとか… 切り替えポイントを高速で通過するというスリルは味わえませんでした。

東武線内に入ると、朝からのビールが回り、ほろ酔いでうとうと状態が続き、寝たり起きたりの気持ちいい状態が続きます。母親の実家があった新鹿沼には停車、子供時代にはよく遊びに来たけど、最近は本当にご無沙汰なのでつい降りたくなりましたが、今では母親の実家はどうなっているのかすら不詳です。
下今市で日光方面の路線と分岐すると、にわかに雪が降り始めます。今シーズン、雪を見るのもはじめてです!

鬼怒川温泉駅での乗り継ぎ時間は1時間強。本当なら美味しいレストランで落ち着いて高級ランチと洒落こみたいところですが、鬼怒川温泉駅周辺は観光用食堂ばっかりで、グルメを気取ることは出来そうにありません。それでも食べログで見つけたピザ屋さんに行くと、10人以上は待っていてとっても1時間では席に座るまでが精一杯の感じ。結局昼食を食べ損ねるのが恐くて、まさに「観光食堂」と呼ぶに相応しい観光地駅前にしかなさそうな超平凡な食堂でのカツ丼の(妻はそばの)ランチ。早く出てくることだけが取り柄かな? 食べ終えたら早く出るのがこのような食堂の暗黙のルール。表は結構雪が激しくなってきたので、とりあえず駅に戻ります。

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駅で列車を待っていると、駅前に多くの人が集まり出します。野次馬根性丸出しで見に行くと、駅のすぐ横にはSL用の転車台ができており、その上には最近走り出した東武のSL(C11)が!

はてなブログでもyou tube貼り付けできました!)


C11はD51やC62と並んで私が大好きだったSLだったのに、この東武のSLの存在を失念してしまうなんて、やはり健忘症は着実に進行しているようです。でも、久し振りにC11をゆっくり見られてラッキーでした。

東武線から野岩鉄道へ乗り継ぎ、湯西川温泉駅まで。一駅毎に周囲は徐々に雪深くなって行きますが、トンネルばっかりであまり楽しめない野岩鉄道の車窓は以前に体験済み。(記事はこちら)
トンネルの中の駅湯西川温泉は結構乗降客も多く、"平家の落人の秘境"とは、とても思えません。この駅で降りたたくさんの人たちは、駅前に停まっていた湯西川温泉行きの路線バスに吸い込まれて行きましたが、我々は今宵の宿の送迎車を予約していて、こちらも満員御礼のホテルバスにて、宿まで向かいます。

湯西川温泉は秘境だけあって全体的 にバリアフリー対応はイマイチの感じ。湯西川ナンバーワンの宿は、バリアフリーの点で私にはちょっと無理な感じだったので予約を諦め、以前から名前だけはよく知っていた大型旅館を予約していましたが、2020年最初の宿泊にして最悪と断言してもいいくらいに、散々な目に遇いました。
なので、2020年の初ブログには(最初の投稿としては極めて不謹慎ですが)名前及び写真を非公開にして悪口を書きます!

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ホテルの窓から見える雪景色です

その1 従業員
日本人はみな慇懃無礼で上から目線の従業員ばっかり。数多い外国人従業員は、日本人従業員がホスピタリティーを教育していない(というか、彼らも絶対知らない!)ので、日本の旅館のおもてなしには程遠い対応。実は私が夕方、お風呂で怪我をして血が止まらなくなり、ホテルの人を呼んでもらったのですが、ホテルの人は一目見て、「こりゃ~、酷い!」と私の血が付いた床のことばかり気にしています。目の前にまだ血をダラダラと流している客がいるのに無視され、ただの一度も「大丈夫ですか?」など気遣ってくれる素振りは皆無でした。なかなか血が止まらないので、予備のガーゼを分けて貰うお願いをしても、ほんの少ししかくれません。予想通り後でガーゼが足りなくなり、妻がフロントに貰いに行ってもやっぱりくれるのはほんの少しだけ… たかがガーゼとはいえ、そのあまりのケチ振りに、夫婦共々おおいに呆れてしまいました。

 

その2 大浴場
右手足が不自由な私は、浴槽に手すりがないとお風呂には入れません。今回も勿論事前にネットで風呂の手すりの写真を確認して予約したのですが、何と男性用大浴場には手すりがないのです! あれだけお風呂の写真の手すりを何枚もHPに掲載していながら、あれらは全て女性用と貸切風呂なのだそうです。(なんという酷い情報統制!)その貸切風呂に1回無料で入れるというプランを予約していたのですが、チェックインの時に、「本日、貸切風呂は故障で使用できません。その代わり、カラオケは如何ですか?」高齢の夫婦が温泉地でカラオケなんてすると思いますか?? 

ということで、結局手すりのある風呂には入れず、全く手すりのない風呂にトライしてみたところ、上述の通り全治1週間以上の大けがをしてしまいました。(損害賠償を請求したいくらい!?)

 

その3 夕食
夕食は「平家お狩場焼き」を選択、いろりで焼きながら食べるという夕食に期待していたのですが、いろりのある個室という場所はいろりが大きい反面、人が座るスペースが狭く、料理を置く場所が横という極めてヘンテコなレイアウト。座った横に料理を置く台があり、自分の左側に(貧弱な)料理が並び、自分の横の料理と、少しだけあるお狩場焼きを前のいろりで焼いて食べるのです。右半身が不自由な私がとてつもなく不便なだけではないようで、妻もしきりに「食べにくい、食べにくい」と愚痴っています。おまけに、このプラン、「2時間、飲み放題」なのだそうなのですが、お代わりを注文するには部屋の狭いところで立ち上がって酔うといろりに転びそうで危ない狭い場所を通って内線電話まで行き、お代わりをお願いしないといけない… という面倒さとスリルを味わわなければならないので、(酒飲みなのに)お代わりなんて1回が精一杯でした! (干からびた刺身など)料理が超貧弱だったので、飲む前に食べ終わっちゃったというのも、事実なのですが…

 

ということで、2020年度最初の旅は超不満だらけの2日間になり、妻にもたった2日でかなりのストレスが溜まってしまったようです。私にとっても、団体用大型旅館であることは判っていたので、あまり期待していなかったとはいえ、やっぱり利用には十分注意しなければ… と、大いに勉強になりました。(この年になっても勉強なんて… 相変わらず、修行が足りませんね!) 特に風呂場の手すりについては、少し高い授業料でした。妻は、「ネットの口コミに酷評して、他の方に知らせた方がいいよ!」と勧めますが、昔自分の会社がお世話になった旅館なので、武士の情けとして名前は非公開とし、旅館が写っている写真も掲載しませんのであしからずご了承ください。

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帰りの東武直通特急 帰りはJRの車両でした。

ストレスが溜まった妻は、「やっぱり、見知った”いい旅館”に行きたいね!」とさかんに言っていて、我々が今一番気に入っている伊豆の旅館からタイミング良く届いたDMはがきに見事に釣られてしまい、お金もないのに早速2月にその宿を予約してしまいました!
ということで、2020年代最初の満足温泉レポートは、来月になります!

【2019年最後の旅】茨城県あんこうの旅

 

はてなブログに乗り換えてから、初めての投稿です。

先日、2019年最後の旅として「茨城県の二周目」を楽しんできましたので、年末のバタバタした合間を縫って、今日はそのレポートを投稿します。まだ、このはてなブログの投稿システムに全く慣れていないので、リンクなどがまだうまく貼れない可能性がありますが、徐々に慣れて改善してゆきますので、お見苦しい点はご容赦ください。


「47都道府県の魅力度最下位」の茨城県への1回目の旅は、2015年度のGWに実施、国営ひたち海浜公園で満開の「ネモフィラ」を楽しみ、その後袋田の滝竜神大吊橋を満喫しました。翌年の2月には水戸偕楽園&筑波山の梅 を楽しみましたので、「魅力度ランキング最下位というのは… ちょっと言い過ぎでは??」とも思っていました。

2016年に日本2周を始めるにあたり、日本二周目各都道府県で行きたいところ&やりたいことを書き留めていて、今回久し振りに見返してみたところ、茨城のところには3つの目標が書かれていました。その3つとは、①アンコウを食べる ②鹿島神宮 ③牛久大仏。自分でこう書いたことなどすっかり忘れていましたが、約3年後の2019年末に、期せずしてまさにその3つの目的を完遂したのでした!

 

1日目:12月27日(金)

 

世間ではこの日が仕事収めという会社が大半のようなのですが、私が勤める学校法人はその前日が仕事納めだったため、この日を狙って1泊2日の茨城県への旅を実行。今回のメインイベントは何といっても「茨城県で茨城名物のあんこうを食べる。」ことだったので、時期は冬のなるべく寒い時期があんこうの旬なのですから、年末年始はまさに「あんこう旅のベストシーズン」です。
あんこうをどの宿で食べるか」については随分と悩みました。あんこうは冬であれば茨城県のどこでも食べられそうで、宿泊サイトを見ると茨城県内の海沿いならばどの宿にも「あんこうプラン」などがあり、そのどこで食べてもそれなりには満足できそうです。とは言え、宿にはやっぱり温泉も欲しいし、あんまり家(埼玉)に近すぎても旅行の雰囲気にはならないし… 
最終的に、日立以北の海沿いの宿3軒に絞って検討をしましたが、最後の決め手は宿の名前を「あんこうの宿」と銘打っている本当に茨城県最北端の宿を予約しました。検討していた3つの旅館はどれも良さそうだったのですが、このうちどこか1軒に決めなければいけないのにその決め手がなかなか見つからず、宿が「あんこうの宿」と名乗る場所ならば、今回のツアーの目的地にこそ相応しいと、自分で自分を無理やり納得させたというのが偽らざる実態です。

家出発は9時過ぎ。いつもの夏の旅のように朝早く家を出ないのはやっぱり寒いから。自宅近くから圏央道へ。圏央道に乗る時はいつも中央道・東名方面に南下するのですが、今回は反対側に。圏央道東北道との久喜ジャンクションを過ぎるとあっという間に片側1車線になり、反対側への時のように快適なドライブとはいかず、前に遅いトラックなどがいるとすぐにノロノロ運転になってしまい、しばらくノロノロ走るとやがて追い越し車線が現れノロノロ車を抜き去ってようやく快適なドライブが始まるかと思いきや、1分もたたないうちに前にはまた別のノロノロ車が現れる… といういたちごっこの繰り返し。少しストレスが溜まるドライブを1時間ほど続けると、最初の目的地「牛久大仏」がその巨大な姿を現します。

「日本三大仏」とは、奈良と鎌倉ともう一つには諸説あるようですが、最後の一つが富山県の高岡大仏ならば、私は一周目で三大仏とも訪ねていてます。その他にも大きいだけの大仏ならば日本各地にたくさんあり、サイズだけで比べたら高岡大仏なんて可愛いもので、鎌倉や奈良も太刀打ちできない巨大大仏も数多くあるようです。奈良や鎌倉の大仏とは比較対象にすらならない近年にできた大仏さんの中でも、この牛久大仏はその巨大さでは群を抜き、ギネスブックに登録されているそうなので、何であれ日本一・世界一の場所には敬意を表すのがマイルール。確かに、高速道路を運転しながらも、「で、でっけぇ~」と驚いたことは今までにも何回かあったものの、立ち寄った経験はありません。

入場料を払って間近から牛久大仏を見ると、そのデカさはやっぱり半端ねぇ~! 

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すぐ近くで見上げると、更にその大きさに圧倒されます!

それにしても今日は、本当に雲一つない好天ですね~!

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大仏さんの胎内へ入って、エレベーターでお胸のあたりの展望スペースに上がります。ただ、展望スペースとは言えども、あくまで大仏さんの中から覗き見るので、オープンスペースや広い窓があるわけではなく、大仏さんの景観を損なわないように作られた小さな窓から外が見えるだけ。「雲一つない好天」のはずですが、筑波山にも東京スカイツリーにも雲がかかっていて全く見えません。途中の階には金色のたくさんの仏様があったり、写経場があったりしますが、信仰心薄い我々はお土産コーナーでいつも通り線香を買い求めるだけ。(今更、親孝行しても遅い??)

この日のお昼は、大仏からほど近い牛久沼へ。実はこの牛久沼の畔が「うな重発祥の地」だと誰かから聞いた(または何かで読んだ)記憶がぼんやりと残っていたので調べてみると、以前は牛久沼の畔には十軒を超える鰻屋さんがあって、国道6号線のこの辺りは「うなぎ街道」として栄えていたのだそうですが、その後寂れてしまって今では数軒(ネットによると4軒)の鰻屋さんを残すのみなのだとか… でも、鰻好きの我々は「うな重発祥の地」と聞けば行かないわけにはいきません。4軒のお店の中から食べログで一番点数の高かったお店に入ります。このお店のうな重の特上が6千円を超えるという価格に驚き、貧乏人の我々には3千5百円のうな重の上が精一杯でした。

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でも、妻にはここの鰻はイマイチだったようです。

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お店のすぐ横には牛久沼が…

 午後は鹿島神宮へ。私の地理感覚では牛久・竜ケ崎と鹿島はすぐ近くのイメージだったのですが、ナビの誘導するまま高速に乗せられ、あっという間に千葉県に戻り(私の感覚では遠くの茨城県からすぐ近くの千葉に戻ったというイメージなのです)、その後もずっと高速を1時間以上も走ってようやく鹿嶋市にたどり着いたイメージです。

そう、鹿島神宮鹿島アントラーズは”鹿島”なのに、地名は”鹿嶋”市。これは確か鹿島が市になる20年ぐらい前、佐賀県に既に「鹿島市」があるので混乱を避けるために「鹿嶋市」にしたということを久し振りに思い出しました。でも、鹿嶋市に知人もいないので郵便を出す用事などもないので、普段見る鹿島はアントラーズなどが大半なので、私の中では「鹿嶋」というイメージにはいささか違和感があります。
とは言え、うなぎ街道から鹿島神宮まで、思ったより時間がかかってしまったため、「早めに宿に入ってのんびりする。」という妻との約束を果たすために、鹿島神宮はちょっと駆け足で観光します。

鹿島神宮は臨時駐車場がたくさん準備されており、参道にはたくさんの露天の準備が… もう既に初詣の準備が万端なようです。今日は年末の金曜日なので観光客も少なめですが、数日後からは大賑わいなのでしょう。

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楼門をくぐり、東京ドーム10個以上分はあるという広大な神宮に入ります。我々は奥宮などをゆっくり参拝することはせずに、入り口近くにある本殿に参拝し、ちょっと早い初詣を。

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「2010年代は(病気になるなど)色々あったけど、とにかくありがとうございました。2020年代も我々一家をよろしくお願いします。」というたくさんのお願いを、僅かなお賽銭で図々しくお願いします。

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いよいよ今宵の宿に向かいます。地図を見ると今いる鹿島神宮茨城県の最南端にあり、今晩の宿がある北茨城市福島県との県境に近い、茨城県最北端です。ナビをセットすると途中から高速を使っても2時間半以上はかかるようで、「茨城県って、意外と広いっぺ!?」と実感できます。とはいえ、国道には信号も少なく、渋滞とは無縁な感じで、ナビの到着予定時刻はどんどん早まっていき、高速を順調に走って4時半前には宿に無事に到着しました。(いえ、決してスピード違反はしていません! いつも安全運転ですから… ナビの平均時速が30キロで設定されているのに、大半のルートを40~50キロで走れたから短縮されただけなのです!)

今回の宿は、「あと1分も車を走らせると、福島県」という場所にある、「あんこうの宿まるみつ旅館」という宿。選んでいる宿泊プランは勿論、「あんこう尽くしプラン」です!

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この宿も温泉で、大浴場の他にあんこうのコラーゲンの露天風呂や家族風呂などたくさんの温泉があるようなのですが、4つある家族風呂は既に先に着いた他のお客さんが使っているので、我々は大浴場へ。最初っから、「あんこうのコラーゲン入りの露天風呂」には何となく入る気にはなれませんでした。でも、小さな旅館で4つの家族風呂が大盛況だった分、やや小ぶりな大浴場はほぼ貸し切りでした!

いよいよこの旅のメインイベントのあんこう尽くしの夕食。最初から、地の魚尽くしの料理が並ぶのですが、「あんこう尽くし」というほど、あんこうばっかり出てくるわけではないようです。

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アンキモもあるけれど、他の魚の刺身が大半

でも、メインの初めて食べる「あんこうのどぶ汁」はやっぱり絶品でした!仲居さんの指導でおいしいどぶ汁を作ることに必死で、そのお陰で写真を撮り忘れてしましました!

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完成して、取り分けたどぶ汁

 


〆の雑炊まで大満足! 雑炊をお代わりするほどの絶品でした。
「みんなこのあんこうを食べれば、茨城県は最下位から脱出できるかもね?」そんな夢見心地の気分で、あっという間に眠りについてしまいました。

 

2日目:12月28日(土)

 

早く寝た分、年寄りは朝早く目覚めます。5時には再びお風呂に入ることにしますが、さすがにこの時間の露天風呂はとても寒そうなので、再び大浴場へ。今回も30分以上のんびり入っていましたが、ずっと貸し切り状態でした!

朝食も贅沢に。いきなり鍋に焼き石を入れる「豪快鍋」のような味噌汁が出て驚いていると、メインは巨大な鯛の尾頭付きの焼き物。2人で1尾とは言え、朝から食べきれないほどの量でした。

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お正月に食べたいような、”めで鯛”です

この日の午前中は、宿付近の北茨城の海岸線を観光する予定。まずは五浦(いずら)海岸にある岡倉天心の別荘だった「六角堂」へ。この六角堂、海より少し高い所に立っているのですが、東日本大震災後の津波で、六角形の地盤を残してすべて上物は流されてしまったそうなのですが、今は再建されています。すぐ近くまで行きましたが、この階段を降りるのは私には無理なので、すぐ近くから再建された六角堂と五浦海岸を写真に収めて満足することにします。

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続いて岡倉天心の功績をたたえる、「茨城県天心記念五浦美術館」へ。岡倉天心の功績や、天心の弟子である横山大観などの作品などが展示されています。

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この茨城の北端の地が、近代日本の絵画史にたくさんの功績を残したことなどを興味深くじっくりと眺め、楽しませていただきました。

 

北茨城での最後の見学地は、「北茨城市漁業歴史資料館 よう・そろー」。

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漁業のことはともかく、ここには東日本大震災の北茨城の震災の様子が記録されているというので、ここで東日本大震災をしっかりと感じて、この記憶を風化させてはいけないと思い、見学しました。茨城というと宮城・岩手・福島などに比べて被害が大きくないような気がしてしまいましたが、ここの展示を見ると、この辺りの壮絶な被害状況が改めて強く感じられて、言葉を失ってしまします。
すぐ横には、あんこうのことがよくわかる展示もあり、両方の意味でも楽しめる施設でした。
「よーそろー」とは、個人的にはずっと海軍(海上自衛隊)用語だと思っていたのですが、航海用語だったのですね… 今更ながら自分の日本語知識の浅さに唖然としてしましました。まだまだ、修行が足りませんね!

 

この旅最後の昼食は、日立市内まで戻って市場のような道の駅へ。ここを選んだ目的は、プランニング時には食べたいものが明確に決まっていなかったので、「海産物ならばなんでも食べられる場所にしよう!」と思っていたことと、「最後に市場で正月用のお買い物もできるかも」と目論んだため。ところが、すぐ前の”よう・そろー”であんこうの展示を見るうちに、「この旅のうちに、もう一度あんこうを食べておくべきでは?」という気持ちがムクムクと沸き上がり、道の駅の食堂では1人前からあんこう鍋が食べられるというので、迷わず「あんこう鍋+アンキモ増し」を注文。妻には、「また、あんこう食べるの??」と呆れられましたが…

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(雑炊にしないでうどんにしたのは昨晩が雑炊だったから… でも、やっぱり雑炊にすればよかった!)

結局、市場にはこれと言って欲しい海産物はなかったけれど、リンゴが安くて美味しそうだったので、茨城のリンゴをお土産に買い求めて帰路につきました。

 

2019年は、「旅行なんてできるかなぁ~?」という心配から始まった1年でしたが、数多い台風との遭遇はあったもののとても楽しめた1年でした。
2020年も、いっぱい旅したいと早速計画を始めています!
来年も絶対いい年にするぞぉ~!!


皆様にとっても(勿論、私にとっても)、2020年代が、素晴らしい10年になりますように!

 

初めての投稿!

今まで、So-Netでブログを約9年間書き続けてきました。このたび、訳あってso-netブログからはてなブログに乗り換えることになり、今日が最初の投稿です。(過去の投稿はso-netに投稿したものをインポートしたものです)

 下の投稿は、so-netでの引っ越し告知の最後の投稿です。

 これから宜しくお願いします!

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 間もなく、ブログのサイトを変更する(乗り換える)ことになりましたので、このサイトとしては、今回が最後の投稿です。
引っ越すサイトのURLは以下の通りです。
https://zettaikaifuku.hatenablog.com/

 2010年の12月にこのブログを立ち上げてから、ずっとプロバイダ契約をしてきたSO-NETブログ(現在はSSブログというらしい)に書いてきましたが、このたび、訳あってプロバイダというか接続契約そのものを変更することになり、SSブログは、プロバイダ契約が終わるとブログも即刻削除されてしまうのだそうです。

 ブログを始めた当初は、闘病の記録を残そうと&左手一本でいかに文章を早く入力するかの練習台として書き始めたこのブログ。お陰で、人並みとは言わないまでも入力が遅い人の両手レベルぐらいのスピードくらいでは打てるようになり、そのお陰で仕事にも無事復帰&転職ができました。闘病記としては書くことがなくなった(症状がほとんど変わることがなくなった)2015年頃からは、旅行記の投稿が中心となり、自身の老後の楽しみとして記録を残しておくことに投稿の目的が変わりました。
いずれにしても、読んでくださる方を考えない自分勝手な投稿であることには変わりはありませんが、「契約終了次第、ブログが消えてしまう。」のは、自身の老後のためにせっせと書き続けた身としては大いに困ります。ついては、「ブログ契約だけは(多少お金がかかっても)何とか残せないか?」と、いまはSO-NETが業務移管した(ドコモ光とのセット契約を事業譲渡した)NTTぷららに相談しても、取りつく島もなく答えは”NO!”。業務を売っ払ったSO-NETにも相談してみましたが、こちらも”ぷららがだめならダメですねぇ~!”と、あまりにも冷たく無責任な回答。「じゃあ、私が今まで書き続けた600を超える投稿はすべて消えてしまうの?」と泣きついてみても、「策なし!」なのだそうです。

 仕方がないので、他のブログ会社に乗り換えることにして、書いたデータをそのままインポートできそうな会社を中心に探しました。そこで巡り合ったのは、この「はてなブログ」という会社。
https://hatenablog.com/

 早速約半日かけて、今までの600を超える投稿をso-netから少しづつエクスポートして、はてなブログにインポート。これで老後の楽しみがすべて消えて無くなってしまう緊急事態だけは、とりあえず回避できました。レイアウトや設定などを整え、見た目には以前以上に見栄えのいいブログに仕上がったと、とりあえずは自己満足。

 でも、ブログの記事本文と一緒に写真も無事に引っ越しできたと思っていたのですが、よく見ると写真は全てso-netでアップロードしたものにリンクされているだけということのようなので、ということは、今は良くてもso-netのブログが消えてしまうと、こっちの写真も消えてしまうのであろうと思います。
でも、写真はこのPCのどっかに保存されているので、そのうち暇を見て少しづつ再アップしようと思っています。

 この秋には台風の影響などで旅行には行けなかったのでまだ投稿するネタはありませんが、年末年始にはプチトリップに行けると思うので、年明けからこのはてなブログに投稿を開始します!

 とりあえずso-netとはこれでお別れです。最後は最悪の別れ方でしたが、10年以上にわたり、大変お世話になりました。
はてなブログさん、これからよろしくお願いします!

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>最終回:太陽の塔と仁徳天皇陵


4日目:8月17日(土)

今日からはいよいよ2泊3日で大阪。今日はいきなりの大阪のメインイベントである"太陽の塔内部見学。"
昨日、強引に銀閣寺の観光を追加してしまったため、昨日夕に今朝の朝食を仕入れることができなかったので、朝は2日連続の志津屋さんのパンなどを部屋でいただきます。朝食後は出発まで部屋でのんびり。

行きと帰りには大きな荷物(今回は、2人で1つのスーツケース)は宅急便で送れるからいいけれど、都市の移動にはスーツケースを持っていかなければいけません。3泊お世話になったAPAホテルを出ると目の前にタクシーが停まっていて、スーツケースを持った我々を見ると、すぐに運転手さんが出て来て荷物をトランクに入れてくれます。でも、実は今回だけはタクシーに乗るのは余りに近すぎてちょっと躊躇していて、バスで行こうかと考えていたのです… 我々の鉄道乗車駅は、すぐ近くの阪急河原町駅。京都のタクシーの初乗りは東京と同じ400円台(正確な金額は、たった2ヶ月前のことだというのに、もう思い出せないという痴呆性の進み具合!)で、歩いても行ける河原町駅までは、どう考えても基本料金なので、あまりにも運転手さんに悪いかなぁ~… という遠慮が働いたため。その点、女性にはそのあたりの遠慮はないようで、予想通り基本料金の会計をワンコインで支払った妻は、しっかりお釣りとレシートを受け取っています。

大阪梅田までは、JRと違って外国人が殆んどいない阪急の特急で40分ほど。大阪に入り、阪急の十三から梅田までは、同じ阪急の3路線が並走するとてもドラマチックな区間複々線よりまだ多い”複複複線”、初めて乗った時、あの茶色の阪急電車3車輌が並走する姿を見て、とても感動したことを昨日のことのように覚えています。
終点梅田駅で降り、すぐ駅前の今回の大阪の宿である新阪急ホテルにスーツケースを預けて、いよいよ大阪の観光スタート。
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まずはすぐ近くの大型複合ビル”グランフロント大阪”で早速昼食。
今日のお昼は、このビルの人気店、” 近大水産研究所”の近大マグロを予約しています。予約時間は11時の開店時間と同じなのですが、11時5分頃に行ったら、もうすでに満席で行列ができています。勿論我々は予約なので、すぐに奥の個室感のある席にご案内いただき、まずはビールで喉を潤します。
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近大マグロ養殖場紀伊半島の串本辺りだと思うのですが、前回の"紀伊半島グルメ旅"の時には、近大マグロを食べる日程を組み入れられなかったため、16日遅れの"紀伊半島グルメ:番外編"。
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マグロと紀州の旨いもんを満喫しました。
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いよいよ太陽の塔へ。また阪急電車に乗り、伊丹空港に行くときによく乗った懐かしの大阪モノレールに乗り継ぎ、万博記念公園駅まで。ここに降りるのは1970年以来49年振り!
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まずはすぐ近くで見るのは間違いなく49年振りの、太陽の塔にご挨拶。
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あの頃は、この辺りに大きな屋根が掛かっていて、万博のシンボル太陽の塔だけが屋根を突き抜けて聳えていたっけ!

太陽の塔内部見学の予約時間は3時なので、その前にEXPO70の記念館を訪ねます。
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万博が開かれた1970年には私は10歳の小学四年生、私は両親と記憶に残る最後の家族旅行で万博に来ているのですが、当時仙台にいた妻は連れて行ってもらえなかったのだとか。なので私は、様々な当時の写真を「懐かしい~!」とか「これ、覚えてる!」と言っていたものの、妻は常に無言。 ちょっと、申し訳ない観光でした。
万博で特に懐かしいかったのは、「ダイダラザウルス」という5本のジェットコースター。怖い順に1~5のコースターがあり、どのジェットコースターに乗るかを、家にいる時から楽しみにしていました。勿論、私が乗ったのは4と5!
反面、各パビリオンはあんまり楽しめなかった記憶が… 最初にパリのイメージと香り(?)に釣られてフランス館に入ったことを覚えていますが、フランス館の展示は映画の展示ばっかりで、フランス映画なんてハイソなものにはまるで縁のない我が貧乏一家には、全く楽しめなかったのが痛烈な印象。
それでもこの万博館、とっても楽しめました。でもあえて残念だったことを言えば、万博のテーマソングが聞けなかったこと。万博といってすぐに思い出すのは、あの三波春夫の”こんにちは~、こんにちは~”という”あの”テーマソング。(同世代以上の方ならわかっていただけますよね?)どっかでちょっとでもあの曲が掛かっていたら、懐かしさや感動が数倍いや数十倍になっていた気がします!

いよいよ太陽の塔の内部見学の時間です。
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太陽の塔の裏側。さすがは岡本太郎、後ろにも顔があるのです!)
太陽の塔は、塔の中までもきちんと作りこまれていて、当時はVIPだけが観覧できたなんて、当時の小学校四年生には知る由もありません。やっぱり、さすがは岡本太郎
子供時代から芸術、特に美術にはとんと縁がなかった私ですが、何故か岡本太郎さんだけは不思議と大好きでした。「芸術は、爆発だぁ!」などのCMに影響を受けた故なのか何故か大好きでした。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか!」というCMに触発されて、未成年なのにウイスキーグラスを集めたこともあったっけ… (さすがは…テレビっ子!) その岡本太郎さんとのご対面は、随分と前に行った川崎の岡本太郎美術館以来かも!?
入口を入ると、どうにも太郎さんらしいモニュメントが現れます。
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50年前に岡本太郎さんが作った世界を忠実に再現してリメイクしてるのだとか。
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見学は、塔の下部から作品を見ながら階段を使って昇って行くのですが、足の悪い人や子供用にエレベーターもあり、我々夫婦の予約は当然エレベーター。「エレベーターは見られる場所が限られているので、全部見たい方は階段でどうぞ」とのこと。左右にしっかり手すりもあるので私的には階段に惹かれましたが、妻のことを思うと「階段で行きたい」とは言い出せません。因みに、写真撮影が許されているのは下だけ。上に昇ると’’カメラを落とすリスクがある”ために写真撮影は禁止なのだとか。
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岡本太郎さんが表現する海中の世界から海の上の世界まで。確かに徐々に昇って風景が少しずつ変わっていく動きは、エレベーターでいきなり上に来てしまうとそのストーリーは味わえませんね。
今度はやっぱり階段で見に来ようと思います。その頃には、今ほどには混雑していないと思うので…
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この日の夕食は、前職時代の知人がその後転職して、今は芦屋のお店のシェフをやっているというので、その人との4年振りの再会。知人は料理を作る人ですからお店が混んでくると(4年振りの)昔話をしている余裕はなくなります。知人はシェフに転職するだけあって、どの料理も美味しく、その味を求めてお店も結構な混雑。
とりあえず4年振りに元気な姿が見られたことにお互いに満足し、また何年後かの再会を約束して大阪に戻りました。

5日目:8月18日(日)

この日は大阪府の南部を訪ねる日。大阪には、仕事を含めて恐らく30回以上は来ていますが、その殆んどが大阪市内中心部のそれも主に北半分。(大阪駅から本町までの間) 大阪府の南部と言えば、関空には仕事で来たことはあるけれど、その周囲を見たことはなく、ほぼ"はじめて"と言い切っていいと思います。

昨日は阪急電車ばっかり乗っていたような気がしますが、大阪南部と言えば、乗るのは何と言っても南海電車。南海の”なんば”の駅は、阪急の梅田に負けず劣らず巨大ターミナル駅の貫禄十分。
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そういえば、昔私は南海ホークスのファンでした。ノムさんあぶさん(??)、ガラガラだった大阪球場を見て、「いつか必ず、あのガラガラの大阪球場に行って、外野席で寝そべってやるぞぉ~.!!」と、固く誓っていたので、ホークスが大阪を離れて福岡に行くと聞いた時には、激しいショックを受けて、その場でホークスファンを辞めてしまったのです。

南海電車に乗って行く今日の最初の目的地は堺。堺駅ではなく、市役所などがある南海高野山線の堺東駅で下車し、まずは駅ビルのロッテリアで朝ごはん。
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堺東駅。 世界遺産決定を喜んでいますね!)
今日の午前中は、世界遺産になった仁徳天皇陵を始めとした堺のみどころを案内してくれるという堺市の定期観光バスに乗る予定。どうすればあの巨大な仁徳天皇陵の全貌を見られるかをネットで情報収集しているうちに、堺市博物館に仁徳天皇陵の全貌と歴史までもが見られるVR(バーチャルリアリティ)ツアーがあることを知り、そのVRをコースに含んだ半日の定期観光バスがたった@2500円だったので、すぐに予約した次第。でも、来たバスは小型で乗客は10人以下、それでも堺市のボランティアガイドさんと添乗員さんがつくサービスでは、どう考えてもこのツアーの赤字は間違いなし。

観光バスが最初に訪ねたのは、旧堺灯台。木造の灯台としては日本最古なのだとか。
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観光バスに乗らなければ見えない堺の海岸風景です。
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次は仁徳天皇陵ですが、予想通りとにかく巨大で、あの前方後円墳の雰囲気はすぐ近くからでは、微塵も感じられません。
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ここ仁徳天皇陵は、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓だそうですが、横から見るだけではそのスケール・迫力は感じられません。
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次にVRを観に堺市博物館へ。堺といえば千利休ということで、まずは利休の像をパチリ。
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VRは、専用の部屋でヘッドセットと大きなメガネのような装置をつけられて観賞開始。結構大業な準備ですが、タイムマシンのように突如昔にタイムスリップしたり,まるでドローンに乗ったかのように仁徳天皇陵をいきなり上昇して上から見下ろしたりと、とても楽しい10分強の時間で、写真が撮れないのが、とても残念なほど。
その後は、博物館の展示を見ながら、ガイドさんが堺の歴史をたっぷりと解説してくれました。

最後は堺市役所の展望ロビーにご案内いただき、コスパ抜群の2500円のツアーは終了。21階の展望ロビーに上がっても、まだ仁徳天皇陵の全容は見えず、やっぱりVRで見たのは大正解でした!
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この日のお昼は堺高島屋にある鰻屋さんを予約しています。大阪の超人気店の鰻は食べられなかったけれど、旅行中一回は関西風の鰻が食べたいと考えていて、このお店はデパートの中にあるお店なのに、日曜日のお昼でも予約ができるので、ちょっと贅沢しようと予約しました。関西風の鰻はやっぱり美味で、いつもの関東風もいいけれど、たまには関西風の鰻もやっぱりいいですね!
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勿論、昼からビールと冷酒をいただき、すっかり夢見心地です。

午後は堺の観光をもう一つと、「さかい利晶の杜」までタクシーで。利晶の利は千利休で、利晶の晶は与謝野晶子、つまり堺が生んだ2人の偉人の記念館です。
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中の展示をゆっくり見て、その後利休なのでお茶をいただきます。堺がいかに古くから栄えていて、いかに偉人を数多く輩出しているかは、午前中のガイドさんから詳しく聞いていますので、それを確認するかのような午後のひととき。

意外にもタクシーが捕まらずに、路線バスで今度は堺駅に出て、今度は南海本線を更に南下。次の目的地は岸和田です。
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(南海のカッコイイ空港特急ラピード)
私の岸和田のイメージと言えば、”だんじり”と”清原和博”、そしてその両者に共通する先入観としては、”喧嘩っ早くて、強そう”。でも、一回だけ会ったことがある清原さんは、意外にも優しそうでした。巨人ファンではないけれど、早く復活して欲しいと密かに応援しているのです。

岸和田駅からは、まずはタクシーで岸和田城へ。今では宴会やウエディングなどでも使われているそうなのですが、我々は中には入らず外観と庭だけで満足します。
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すぐ近くにある「岸和田だんじり会館」が、岸和田観光のメインイベント。
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大きなスクリーンで、大迫力のだんじり祭が見られて我々も大満足。確かに、日本全国の全てのお祭りが見られるに越したことはないけれど、日本全国の全ての祭を見るなんて、寅さんでも無理なのですから…
こうやって、大きなスクリーンで見られるだけでも幸せだと考えなければいけませんね。

堺と岸和田が大阪府南部の全てではありませんが、丸一日でこの2つの街を見られた我々は、本当に満足してこの日三回目の南海電車で、大阪市内に戻りました。

この旅最後の夕食は、「鶴橋で焼肉」。"焼肉の聖地"鶴橋には、20年以上前に大阪の取引先に連れて行って貰ったことがあります。今ほどメジャーではなかったものの、カオスのような凄い世界で、「ここって、日本なの?」と思えるほどの異次元ワールドでした。その時のお店も場所ももう覚えてはいませんが、近年すっかりメジャーになった鶴橋の焼肉をもう一度食べたい&妻にも食べさせてあげたいと、予約ができるお店の中から、美味しそうなお店をチョイスして予約。
鶴橋の中心街は、まるでソウルの下町のようなところだった記憶がありますが、今回選んだお店は、ちょっとオフィス街っぽい鶴橋の雰囲気とはちょっと異質な場所。ところが、お店に着く直前、妻が「足が、痛い!」と言って、立ち止まります。今まで、妻の足には配慮してきたつもりでしたが、確かに今日は結構歩いたので… 最後の最後に大チョンボをやらかした気分です。
気を取り直して食べた焼肉は、「さすがは、鶴橋!」という味。
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久し振りに食べたとっても美味しい焼肉でした。
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調子に乗って肉をおかわりし、最後には久し振りに”〆の冷麺”まで、食べてしまいました。

夜景観光なども考えてはいたのですが、今日の観光はここまでとして、贅沢にも鶴橋から梅田のホテルまでタクシーを使って戻りました。

6日目:8月19日(月)

楽しかったこの夏2回の旅も、今日がついに最終日。午後のJALで帰る予定ですが、最後までコテコテの大阪をとことん味わおうと思います。宅急便でスーツケースを送って再び身軽になって向かったのは、「なんばグランド花月」。通常は、昼と夜の2回公演なのですが、夏休み期間中は午前の部も加わり3回公演。午前中から吉本で笑えるなんて、何と関西の人は贅沢なのでしょう!?
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勿論、チケットは事前にネットで予約してコンビニで発券済み。チケットを取るときに出演者を見ると、
ザぼんち
と、随分とオールドネームが並んでいましたので、大丈夫かな? と、ちょっとだけ心配になりましたが、この回で一番爆笑を取っていたのは、ロバートでもcowcowでもなく、誰あろう西川きよし師匠でした!
(年寄だから、朝が一番元気なのかも知れませんが…)
あの年にして、あのパワーは本当に凄い! 国会議員を12年も真面目に勤めていた人とはとっても思えずに、心から大爆笑してしまいました。おまけに、私が大好きだったやすし師匠もネタにして大いに笑わせ、そしてホロっとさせてくれます。 きよし師匠、やっさんの分まで長生きしてね!
吉本新喜劇を最初から最後までじっくりと見るのは初めてでした。やはり、”関西のお約束のギャグ”には一部ついていけませんでしたが、それでも十分に楽しめることがわかったことが、今回の収穫。

大笑いするとお腹も空きます。この旅最後の昼食は、やはりコテコテ大阪の定番「お好み焼き」。お店の候補は事前にネットで下調べしていましたが、行列だったり階段に手すりがなかったりとリストアップしていたお店は全滅。結局、近くのチェーン店に席を確保して、最後の午餐。
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チェーン店でも十分に美味しいのが、お好み焼きのいいところ!

なんばから伊丹空港まではバスで30分以内。ほろ酔いでうとうとするうちに、あっという間の到着です。伊丹空港からは、いつも通りにせっせとショッピングで貯めたJALのマイルで手にした無料航空券、大阪から羽田は、飛び立ってしまうともう到着って感じ。

家に帰ったら、二人で何もせずにグタ~っとして旅の疲れを取りたいところですが、今回ばかりはそうもいきません。というのは、この日から2泊の予定で娘が3歳とまもなく1歳になる二人の孫を連れて帰って来るのです!
ということで、この後の3日間は旅行以上に疲れた戦争のような日々でしたが、こんなに充実して楽しい日々が旅の後にもまだまだ続くなんて、自分たちの至高の幸福を心から実感することができました!

(後日談です)
実は、10月にもまた連休を利用して旅に出る予定でした。行き先はこの春に悲願の全線開通を果たした、三陸鉄道の全線完乗。全ての準備を整えて出発日を楽しみにしていたのですが、出発1週間前にまたもや台風発生のニュースが…
「2019年の3回目の旅で、3度目の台風??」と、今年のタイミングの悪さを恨みましたが、今回の台風19号はそれどころではなく、強さもルートも最悪の展開。ついては、3回目にして初めて旅行そのものを断念せざるを得なくなりました。でも日本全体に大きな被害をもたらした台風19号ですから、旅行の中止だけで済んだ我々はまだよかったと言えます。
東日本大震災から8年を経て、ようやく全線開通にこぎ着けた三陸鉄道は、この台風の影響でまたあちこちが不通になってしまったようなので、三鉄の乗りつぶしはまた来年以降に延期です。
2020年にも行きたいところがたくさんありすぎるのが、目下の最大の悩みなのです!!

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>その2:台風と五山の送り火


2日目:8月15日(木)

この日は、この夏2回目の台風と激突する日。雨風が激しくなるのは午後以降との予報なので、行けるところまでは行ってみようと思います。
朝食は、次に乗るバスの関係もあり、四条烏丸付近で取ろうと思っていたのですが、念のため昨晩のうちに第一候補だったおばんざいの朝食処に電話すると、「明日は臨時休業します。」とのこと。この日は台風の影響で関西圏のデパートですら臨時休業を決めたお店が多かったくらいですから、臨時休業はやむを得ません。朝食の第二候補である"イノダコーヒー本店"に電話したところ、「とりあえず朝は開けるけど、何時に閉めるかはわかりまへんで!」とのことなので、朝食を取るためにタクシーでイノダコーヒー本店に向かいます。
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台風が接近している朝7時の開店直後だというのに、イノダコーヒー本店は噂通り結構な混雑。我々はノスタルジックな雰囲気の旧館に席を確保して、1000円を越える豪華な朝食と相変わらず美味しいコーヒーをいただきます。
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ここでコーヒー好きな妻は、コーヒー豆のお土産を購入。今から台風の中観光をするのだから、荷物は出来るだけ少ない方がいいにも関わらず…  実家へのお土産なのであれば送ればいいのに… と、思うのは私だけ?
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まだどこも開いていない錦市場を散策しながら、四条烏丸のバス停まで。台風の影響か風はかなり強いものの、雨はまだ降りだしてはいません。
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四条烏丸からは、今日午前中の目的地である「苔寺・すず虫寺」行きの京都バスをつかまえます。嵐山などを通って終点の苔寺・すず虫寺バス停までは結構遠く、バスでも50分以上は掛かります。

完全予約制である苔寺(正式名称は西芳寺です)には、数ヶ月前に往復ハガキで参拝を申し込み、この日の10時で予約OKになっています。まだ10時かなり前ですが、「今日は台風なので、早く始めて、出来るだけ早く閉門します。」とのことで、時間前に開門。
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参拝料金@3000円を払い。写経用紙を受け取りますが、片手の私は写経なんぞできないので、妻の横にただ座って見ているだけ。苔寺に来るのは43年振りで、高校1年生の時"まもなく完全予約制になる"という情報を聞いて、とりあえず来てみたことだけは覚えていますが、それ以外のことは情けないことに完全に忘れています。
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妻がようやく写経を終え、写経を奉納してようやくメインイベントの庭の見学になりますが、ここに来て係員さんが近づいて来て、"あなたの足では、庭園の見学は無理じゃない?"と、言い出します。「ここにきて、今頃言うなよぉ~!」って感じですが、今ここで諦めたら、何のために6000円も投資したか全くわからないので、粘って詳しくヒアリングしたところ、どうやらきついのは上りよりも下りで、手すりも十分ではないとのこと。でも、下りの階段は順路の最後で、反対側から見に行けるということなので逆行して見学に行き、確かにきついはきついけれど、後ろ向きに右側の手すりを持って慎重にゆっくり降りれば何とか行けそうです。「それなら、大丈夫かな?」と、係員も言うので、順路を歩き始めます。
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まだ雨は降りだしていないので、苔寺の苔は、何となく乾いている感じ。3000円も払った分かなり期待している妻も、「あれ、この程度?」って感じで、苔に感動する感じではありません。
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おまけに、散策路のバリアフリーは全くなく、私にはかなりの急坂や急階段を上り降り。逆方向に戻ることも出来ないなぁ~!と考えながらとぼとぼと歩きます。
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すると、順路のほぼ最後の頃に手すりが全くない上りの急階段が現れます!
妻と、「こりゃ、無理だ!」と話すものの、来た道を戻ることも出来ないし、台風で閉門時間は迫っているし… 
結局、上るしかないと覚悟を決め、慎重に慎重に一歩一歩必死の思い。自分的には本当に死ぬかとも思ったほど(さすがに大げさ?)ようやく上り切った時には苔寺の風景など完全に消しとんでしまいました!
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(これが私には死ぬほど辛かったのぼり階段を上から見たところ)
あまりにも我々が遅いからか、さっきの係員が様子を見に来ています。私は、怒る気にもなれずに「もう、二度と来ませんから!」と、こっそりと呟き。

苔寺のすぐ近くには、人気の鈴虫寺があります。普段は凄い人気で1・2時間待ちは当たり前のようですが、今日は行列が階段の上の方にちょっとあるだけなので、勇んで列に加わります。
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「今日の参拝は12時まで」と表記があり、鈴虫寺人気の法話は、12時前の我々がこの日の最後の回。評判通り真夏なのに鈴虫がリンリン鳴いていて、この涼しげな音色をFacebookにアップしたら喜ばれるかな? なんて思っていたら、「デジタル機器は鈴虫の音色は拾えないので、録音しても無駄ですよ!」なのだそうです。
鈴虫寺の敷地から台風寸前の京都市内を遠望。
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間もなく、暴風雨がやって来る、"嵐の前の静けさ"です。

2寺の見学を終え、とりあえず嵐山まで戻ることにして、バスに乗り込みます。渡月橋の辺りにいつもはたくさんいる人力車がいたら、風は強いけどまだ雨は降っていないので、 嵯峨野辺りの竹林を30分程度人力車で回ってもらおうと考えてバスを降りたのですが、さすがに人力車の影も形もありません。さすがに観光客も殆んどいなくって、数少ない観光客はみんな外国人です!
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さすがに嵐山付近の観光を諦め、まだ営業している数少ない観光用の食堂でランチ。もう、観光は終わりなので、勿論ビールと共に!
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昼食後は、出発前日に慌てて探した嵐山の日帰り温泉へ。「僅かしかいない観光客が、"全員外国人"ということは、おそらく日帰り温泉はガラガラに違いない!?」と予想していましたが、予想以上にガラガラというより入った時には男湯は貸切状態! 日帰り温泉の相場からするとかなり高額なお風呂でしたが、これだけの巨大風呂を貸し切れるのなら安いもの!?
(その後、若者のグループが入って来て、しばしの静寂は破られましたが…)
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外はまだ小雨状態ではありますが、風は益々強くなって来たので、今日の観光はここまで。鉄ちゃんのくせに、”嵐電”には区間乗車しかしたことがなかったので、この機会に嵐山から四条大宮まで全線を乗り潰し。
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ずっと最後尾に立って鉄ちゃん気分を満喫していました。
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四条大宮からはまたバスでホテルまで。台風は夜~夜半がピークらしいので、ホテルの部屋で大人しくするより方法はありません。

とは言え、夕食は食べなければなりません。今晩の夕食は、京都らしい風情のある鴨川沿いの料亭の、鴨川の上に設えられた床(ゆか)の席を予約していましたが、この豪雨の中では床の席で食べられる筈もありません。歩いても行けない距離ではないのですが、豪雨の中なので迷わずTAXI。
ちなみに、この辺りの鴨川の上の席は”とこ”ではなく”ゆか”と言います。よく言われる「川床(かわどこ)」とはもっと上流の貴船辺りを指すのだそうです。旅行会社の若手営業マンだった頃、この辺りを川床(とこ)と間違えて、先輩に叱られた記憶が甦りました。

料亭では、我々が座る筈だった大雨の床(ゆか)の席を見ながら、個室でいただきます。
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今日は雰囲気重視の夕食と考えていて、料理には殆んど期待をしていませんでしたが、意外にも美味。特に京都の夏の定番であるハモは、新鮮な和歌山のそれとは違って、熟練の技が光る美味しさでした。
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帰りもタクシーを呼んでもらい、豪雨暴風の中をホテルまで。台風は今夜がピークで、明日には通り過ぎる予報。一晩中荒天の中ですが、心地よい疲れからぐっすりと眠れました。

3日目:8月16日(金)

どうやら、予報通り台風は無事に通り過ぎていってくれたようです。これで今日は無事に念願の五山の送り火が見られそうです。
朝食は、ホテルすぐ前の京都では有名なパン屋さんのチェーンである志津屋さんでいただきます。京都はパン屋さんが多くどこも美味しいということで、朝食のパンの食べ歩きも楽しみのひとつ。
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美味しく朝ごはんを食べているうちに、予約していた貸切タクシーが到着。到着した車を見た瞬間、自分のやらかした大きなミスに気付きました。
そう、配車された車は、私が最も苦手とする車の”プリウス”だったのです! プリウスが苦手なその理由は、後部座席に乗るドアが異常に狭いこと。右足に大きな装具を着けている私は、いつもプリウスには足の装具が引っ掛かって乗り降りに一苦労するため、タクシーを捕まえるときにもプリウスタクシーには絶対手を挙げず、タクシー乗り場でプリウスに当たると先を譲るほどに、この車が大の苦手。タクシー予約の時に、「プリウスだけはやめてね!」と伝えるのを忘れた私のミスで、人のよさそうな運転手さんに罪はありません。
でも半日予約の観光タクシーですからこうなると断る訳には行かずに、毎回乗り降りに数分を費やすという効率の悪さ。運転手さんには毎回「狭くてすんませんなぁ~!」とお詫びされますが、自分のミスなので必死に右足を出し入れします。

今日のタクシー半日観光の目的地は大原。大原には全く行ったことがなかったので、せめて三千院寂光院くらいは押さえておきたいと考えていたためです。途中、昨日の台風の名残なのか雨が降りだしますが、大原に着く頃には止んでくれます。台風一過とまではいきませんが、今日の天気は大丈夫そうです。
最初に訪ねるのは三千院
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建物も庭もとってもいい感じ。特に、昨日の雨でしっぽりと雨を含んだ苔がとってもいい感じで、「苔寺より、ずっと苔の庭が素敵!」と、感激しきりです。
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確かに、苔寺以上かどうかはともかく、"匹敵する眺め"であることには間違いありません。
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続いては、寂光院
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若くして子供(安徳天皇)を亡くして仏門に入った建礼門院さんが、この山奥で過ごした時の気持ちはどんなものだったのでしょう?
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寂光院の線香の香りがとっても印象に残る香りだったので、思わずお土産に線香を買って、時折寂光院を思いだしながら、今でもその香りを楽しんでいます。
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それにしても、大原には外国人は殆んどいません。外国では、"京都~、大原、三千院…"というあの歌が知られていないからなのでしょうか? "外国人がいない京都"が見たくなったら、大原がオススメかもしれませんよ。

大原はこの2つを満喫して大満足。タクシーチャーターの残り時間がまだあるので、私のリクエストは京都市内へ戻りながらの詩仙堂。「では、近くの曼殊院とセットで」ということでまずは曼殊院へ。
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この曼殊院、来た記憶は絶対にない筈ですが、何故か「デジャヴ感」があるのです!?
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同じく初めての筈の詩仙堂にもあったデジャヴ感。
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どうやら、JR東海のCM「そうだ、京都、行こう」をたくさん見すぎた故のデジャヴ感なのかも知れませんねl!?
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勿論、曼殊院詩仙堂もその年のキャンペーンの主役を務めたことのある施設です。

ホテル近くの祇園でタクシー観光は終了。お目当ての昼食処は鯖寿司で有名な名店"いづう"。
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満席なら鯖寿司をテイクアウトしてホテルの部屋で食べようと思っていましたが、ありがたいことに丁度出るお客さんの席が空きます。"まずは、ビール"と言いたいところですが、このお店には日本酒はあるのにビールがありません。理由は「うちの味にビールはあいまへん。」なのだそうなので、それならばと昼から冷酒を注文。
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本店で食べる鯖寿司の味は、久し振りに美味ではありましたが、ビールに合わないかどうかはいささか疑問。
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合うかどうかを判断するのは、食べる我々だと思うのですが…
まぁ、それだけ味に自信とこだわりを持っているということで…

午後は妻はホテルで休息。私は祇園周辺の散策に出かけます。
まずはホテルそばのパン屋さん「グランマーブル祇園」に翌日の朝食を仕入に。
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ところが、美味しそうなパンはケーキのように箱に入っていて、切ることはできないのだそう。切れていないパンならホテルの部屋では食べられないので、明日の朝食は諦め、だけどパンなのに意外と日持ちがするということで急遽お土産として購入して帰宅後に娘にあげたところ、「これ、我々の結婚式の引出物(お土産)で、列席者に配ったお店のやつ!」と言われてびっくり。そういえば、倹約家の娘は親族にはお土産を配っていなかったことを思い出しました。

祇園の花見小路は、もうすっかりいつもの賑わいを取り戻していて、外国人・着物の観光客など大原とは違ってとてもインターナショナルな雰囲気。
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建仁寺の外環だけを眺めてから、祇園を出で昨日今日の夕食場所の木屋町通りまで散策。今日は、床での夕食も楽しめそうですね!
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その後、京阪電車に1区間だけ乗り、何故か突然無性に行きたくなった三十三間堂に凄く久し振りに行ってみます。
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自分に似た仏像が必ずあるということでしたが、昔から何度見てもそれは見つかりませんでしたが、今回も見つけることはできませんでした。どうやら、"年の功"は関係ないようです。(無駄に年を取っているだけ⁇)

祇園まで戻ろうと乗ったバスは、「急行 銀閣寺行」。乗っているうちに、突如銀閣寺にも行きたくなり、祇園では降りずに終点まで行くことに。でも、終点の銀閣寺までは意外と時間が掛かり、なおかつバス停から銀閣寺までは記憶以上に距離があったため、銀閣寺はかなり焦って観光をする羽目に。
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結局、帰りはタクシーの世話になってしまいました。

いよいよ五山の送り火を見る夕食。今日予約していた料亭は、昨日と同じ木屋町通りにある「鮒鶴」という伝統的なお店ですが、料理は京料理ではなくフレンチ。(なので、お店の名前も”FUNATSURU”。)  今日のメニューは"五山の送り火スペシャルメニュー"で、飲み物込みで@20000円。五山の送り火は席から眺めるのではなく、時間になったら屋上にご案内いただけるとのこと。
このレストラン、サービスも抜群で料理の味も良く、妻はすっかりお気に入り。私も気分良くワインを飲みすぎて、一瞬五山の送り火のことを忘れそうになりました。
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やがて屋上に案内され、五山の送り火を椅子に座ってゆっくりと見ることができました!
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「思ったより、小さい」とか、「やっぱり、一つしか見えない」などと贅沢を言い始めるときりがないけれど、これだけいい気分で体の負担なく五山の送り火を見られたのですから、十分に満足しなければ罰があたりますね。
でも、片手で操作する簡単カメラでは、この写真が限界です。本当に、片手ではカメラは難しい!
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妻は、「このお店、また来たい!」と言っています。今度は、送り火プランではなく、通常料金の時に来たいものです。

これで京都の3日間は全て終了。今回も本当にいろいろなことがありましたが、京都には必ず「また、来たくなる」不思議な魅力があるのです。
"3周目に!"なんて呑気なことは言わず、"来年も、また"来ようと思います。

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>その1:京都へ


紀伊半島の旅から埼玉県に帰って来て、その後1週間は何とか”旅ロス”にもならずに会社へ行き、普通に仕事をすることができました。その理由は、「また10日後には旅に出られる!」というワクワク感があったから。
今度の行き先は京都&大阪。前回の日本一周の時にもこの2府は一緒に片付けたのですが、今回もやはりペアを結成してもらいます。紀伊半島の時にはおかげさまで妻の足は何とか持ってくれたので、今回は更に図に乗って車ではなく列車の旅にしようと思っています。(というか、地理不案内の京都市内や大阪の中心街は、運転したくないので…)

日本二周目全体の主目的は、「離島」と「お祭り」。離島はともかくこの2府にはたくさんのお祭りがあり、どれも観たいお祭りばかりなのですが、今回はお祭りではないけれども伝統的な宗教行事である、「五山の送り火」を見るのが京都でのメインイベント。
”五山の送り火”、いわゆる”大文字焼き”は、毎年お盆の霊を送る8月16日に開催されるのだそうですが、その送り火京都市内のどこから見るのかが悩みどころ。五山というくらいなので山を焼くところは合計6つもあり、その殆んどは京都タワーに上がれば見えるらしいのですが、6つの山はみんな京都市内を取り囲む反対側なので、見えるといっても非常に小さくしか見えなさそう。京都タワーでは五山の送り火に合わせてディナーと舞妓はんのショーなどの企画もあるようようですが、やっぱり何回地図を見てもどうみても双眼鏡でようやく小さい光が見える程度にしか思えず、予約には躊躇。

地元の人は「テレビで観る」以外は、鴨川の河原の公園や京都御所とかの広い場所で立って(もしくは折り畳み椅子持参で)観るようですが、足の悪い初老の夫婦は混んでるところで1時間以上立って見るのはとても無理。その他、定期観光バスにも見学コースがあるようですが、送り火を見学する場所は、やはり京都御所の広場だったり、西陣織会館のビルの屋上で立って見るのが殆んどで、我々がゆっくり座って送り火を見るのはどうやら難しそう。
ついては、今回は「近くで多くの」送り火を見ることは諦め、「ゆっくり夕食を食べながら、1つでも送り火が見られればいいや。」と、方針を転換することにして、鴨川のほとりのフレンチ料亭の「五山の送り火観賞プラン@20000円」を予約したのが5月中。
それでも、欲張りな私はその後ももっといい見学場所を探して、ネットの懸命な捜索を続けます。祇園アパホテルの屋上のビアガーデンに五山の送り火観賞プランがあると知り、とりあえずアパホテルを3泊予約。結局、このビアガーデンは予約しなかったものの、アパホテルにはこの旅の3泊お世話になりました。その後も東山地区の人力車なども検討しましたが、結局最初に予約した鴨川のフレンチで観賞することにします。日程としては、送り火2日前に京都に行き、事前予約しないと見られない場所と、私が未訪だった大原へのタクシー観光を組み合わせ、京都での3日間の日程ができあがります。
その後に行く大阪のメインイベントは、昨年何度も予約して何度も行こうとしたのに、結局全部行けなかった”太陽の塔の復元された内部見学”。こちらも、満を持して4ヶ月前の受付開始当日に予約を完了。翌日には最近世界遺産に認定された仁徳天皇陵を見に行く予約や、最終日には吉本のなんばグランド花月のチケットを確保して、準備は万端。

ところが、紀伊半島から帰って来てからこの旅に出発するまでの間、以下の通り残念なことが立て続けに起きてしまいます。

その1:「鰻や」さんはお盆休み
大阪での初日のランチは、予約ができない鰻の名店に11時前から並ぶ覚悟をしていたのですが、やっぱりお盆休みが気になります。さすがに紀伊半島に行く前に確認して早くからがっかりしたくはなかったので、紀伊半島から帰った翌日にお店に電話してみたのですが、やっぱりお盆休みにドンピシャ遭遇で、「大阪の美味しい鰻」の夢は叶いませんでした!

その2:ノロノロ台風が迎え撃ち
随分前に発生した台風で、当初は我々が旅行に行く前に通り過ぎる予報だったのに、何故か異常にノロノロと日本周辺に居座り続けた台風10号。本州直撃の予報日も徐々に遅れてきて、まさしく我々と京都で正面衝突の予報にまでずれ込みます。まだまだ遅れるようならば、最悪の場合五山の送り火の日が台風なんてこともあるかも??  五山の送り火はお祭りではなくあくまで宗教行事なので、滅多なことでは中止になることはないらしく、ここ50年でも1度しか中止になっていないようなのですが、強い台風直撃ならば2度目もあり得るかも… いずれにしてもこの旅行中に台風とのニアミスは避けられそうになく、影響が最小限で済むようにひたすら祈るだけの小市民でした。

その3:宮内庁からの電話
どうやら、日程2日目の台風直撃は避けられそうもなく、とは言え翌日の送り火直撃は避けられそうなことが判り、予定通り明日の出発を控え全ての準備を整えて家でまったりしていた夕方、突然京都の見知らぬ番号から携帯に着信があります。
「もしもし、こちら宮内庁ですが…」
生まれてから59年、"宮内庁"から私に電話が来るなんて人生初の経験なので、一瞬で嫌な予感が脳裏を駆け巡ります。 電話は予想通り
「明後日予約されていた桂離宮ですが、台風のため見学中止になりました!」
その後は、2日目の午後の代案探し。でも予報ではその時間が一番台風の影響が強そうなので、嵐山の日帰り温泉を探すのが精一杯でした。

1日目:8月14日(水)

指定席を確保している新幹線の東京駅発は8時半。いつも仕事は都内の飯田橋で8時半業務開始なので、自宅発はいつもと同じ時間だったのですが、お盆の真っ最中なのでいつもの通勤列車はガラガラ 。普通車でも余裕で座れそうですが、我々は既にグリーン券を買っていたので、更に殆んど人がいないグリーン車へ。「私がいつも乗っている列車」であることを知った妻は、「へぇ~、こんな楽な通勤してるんだ!?」と思ったようですが、これはお盆だけの特殊な状況。
東京駅ではいつも通りに駅弁を仕入れます。今日の昼はスイーツだけの予定なので、列車内でお弁当でも食べてね! と言っておいたので、妻はいつもの駅弁屋"祭"で大好物の海鮮寿司系。私はと言えば今度の旅は何より運転から解放される喜びを爆発させるべく、朝からビールとおつまみ。
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(特に意味がない北海道のビールと、先日アクアイグニスで行けなかった”賛否両論”のおつまみ)
朝からほろ酔い気分が何より嬉しい、8時代の"のぞみ"の車内でした。
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それにしても、我々は相変わらず富士山ビューには縁がありません。直前の紀伊半島の旅でも、往復の新東名高速ですぐ近くを走っていたにも関わらず、富士山には会えずじまい。今日も新幹線車窓をずっと見ていたのに… 車窓には曇天が広がるだけ!

相変わらず新幹線のダイヤは正確無比で、定時に京都駅に滑り込みます。今日は久し振りに宇治に行ってみる予定なので、そのままJR奈良線へ乗り継ぎ。ところが奈良線の快速列車は激混み。混雑の理由は外国人観光客で、乗客の8割以上というか殆んどは外人の感じ。これは、JRが海外で販売しているJR全線乗り放題切符の影響なのでしょう。この後、京阪神でたくさんの私鉄に乗りましたが、外国人は殆んどいなかったのとは対照的ですね。

宇治で降りて、最初に目指したのはスイーツ屋さん。宇治といえば宇治茶宇治茶と言えば抹茶スイーツというのが私の単純な発想。なので宇治駅前のスイーツ屋さん”伊藤久右衛門”が、我々この旅最初の目的地。
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混雑しているお土産売り場の奥の、飲食スペースも順番待ち。相変わらずお土産には興味がない我々は、椅子に座って順番を待ち、ようやく席に着くと妻も私もランチではなくスイーツを選択。私は、1000円を越える豪華な抹茶パフェ。この日も8月らしい猛暑日なので、お店に入ってスイーツをオーダーするまでは冷たいものを食べる気マンマンでしたが、お店の冷房が非常にキツく、おまけにスイーツが供されるまでかなりの時間がかかったため、我々がアイスになったが如くキンキンに冷やされた状態になり、パフェを味わうどころか寒さに耐える我慢比べの様相に… 暑い中、入ってすぐは天国でしたが、合計1時間も待たされると、そこはもう地獄!でした。
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宇治と言えば平等院平等院には主に昭和の添乗員時代には必ずと言って良いほどバスで来た場所ですが、自分の意思で来るのは初めてです。
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妻も初訪問なので、「10円玉の場所だよ」と言ってもピンと来ていないよう。確かに最近は(特に片手が不自由な私は)現金を使うことが殆んどなく、10円玉なんてもう何十年もじっくりとは見ていない気がします。昭和以来30年以上振りに見た平等院鳳凰堂、やっぱりあの時の記憶とおんなじで、10円玉でした!
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その後、宝物館を見学。由緒ある仏像を見ると、いつもながら何故か優しい気持ちになれますよね。
その後、院内のお茶カフェ(?)で本場の宇治茶をいただきます。
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ここで天気予報通りに雨が降り始めます。台風は明日の筈なのに… でも、最近の天気予報は本当によく当たります。今回、降り始める時間まで5分以内の誤差という正確さです。
帰りは京阪宇治駅まで散策。"宇治と言えば"の紫式部像と有名な宇治橋を雨天でも見学。
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宇治川もなんか素敵です。
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京都まではJRではなく京阪で戻ります。
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京阪の車内では、この旅の直前にこの付近で起きた京アニ放火事件があまりにも痛ましかったため、鉄ちゃんには珍しく、車窓を見ることが出来ずに、ずっと頭を垂れていました。(合掌)

京阪を祇園四条駅で降りると、これも天気予報通り雨は止んでいます。駅からは、今回の宿アパホテルはすぐ近くです。今回の宿をここに決めた理由は、祇園の中心にあり、バス停は目の前でどこへ行くにも便利だから。部屋はビジネスホテルサイズですが、値段も安いので3泊お世話になりました。今回は、前回の反動かホテルでの朝食を全く頼んでいないので、とりあえず近くのコンビニで3日分のドリンクや明日の台風に備えて頑丈な傘を仕入れます。

今日の夕食は二条城のそばのレストランを予約しているので、どうせなら久し振りに二条城を見学しようと、ホテル目の前のバス停からバスに乗車。二条城前のバス停も本当に世界遺産のすぐ前まで我々を連れて行ってくれるので、歩きたくない我々には、とてもありがたいことです。
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二条城には娘の高校入学祝いの家族旅行で来ているので、およそ17年振り。あの時は私も妻も元気一杯で老いた母親をエスコートして京都を歩き回った記憶がありますが、我々がエスコートされるのも、もうそんなに先の話でもないのかも??
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(二条城内は撮影禁止なので、庭園の風景です)

夕食は、「天ぷら食べ放題&飲み放題」で@4000円という値段に釣られての予約。京の天ぷらの名店はコースで@1万円以上のところが多く、天ぷら好きの妻には天ぷらは食べさせたいし、とは言え1万円以上は高過ぎるし… と悩んでいた時に見つけた救世主的なお店。昼がスイーツだけの我々は腹を空かせて6時前にお店に入ったので、天ぷらの他にもあるという"おばんざい"の品数はまだまだ少なかったものの、好きなネタを好きなだけ揚げてくれる天ぷらは、揚げたて熱々でとっても"まいう~!"
飲み放題も込みで4千円(税別)は、コスト抜群で幸先の良いスタート。
帰りはタクシーがすぐにつかまって、無事に宿に帰り着きました。