麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

待望のSL乗車券


先週1週間は、相変わらず転倒のショックから抜け出せない一週間でした。

脳卒中以来、右手はあまり神経が機能していないのですが、それでも右手小指を中心に鈍痛が続いています。昨日右手のリハビリ中、いつもの理学療法士さんから、
「右手結構腫れていますね。折れてはいないと思うけれど、打撲なのでは? もう少したっても痛みと腫れが引かないようなら医者いった方がいいですよ。」と指摘されました。
確かに自分で見ても右手は左手より一回り大きいように見え、殆ど痛みを感じない右手がそれなりに痛いのですから、昔だったら結構激痛なのでしょう。
でも打撲だとしたら、手を動かさないように固定するのが最大の治療法だった記憶があります。でも今は手を動かしたくても動かないので、固定しなくても固定されているのと同じ効果がある治療を施していると同じ効果があり、回復に向かっているはずです。
確かに言われてみれば、先週よりも痛みは引いているようだし、昨日より腫れは引いているような気がします。
嬉しい気持ちもありますが、「思いっきり痛みを感じないかなぁ~!?」というない物ねだりの願望もあります。

ところで今日は、本来先週投稿しようと思っていた今月下旬の九州旅行の準備について書こうと思います。

今年の夏の旅行は、当初山陰を予定していましたが、エリアが兎に角広い山陰地方は、車がないとちょっと旅行はしんどいことに気づき、未訪地域への楽しみは運転に復帰して十分に休みが取れてからに延期することとし、妻の希望を優先し九州に行くことに決めたのは、以前にも書き込みした通りです。
九州と言っても妻の希望旅行先はは長崎と鹿児島だそうです。長崎はクリスチャンである妻は、大浦天主堂をはじめとしたキリスト教ゆかりの場所を訪ねたいという希望があり、鹿児島は妻がいまだに大ファンである大河ドラマ篤姫」(実はいまだにBSで毎週土曜日にやっている再放送を、2回目以上なのに毎週楽しみに見ています。)の影響が強く、とにかく桜島が見たいのだそうです。
これだけを見る旅程であれば、長崎~鹿児島までは途中から九州新幹線を使えばたった数時間で移動できることもあり、短くすれば2泊3日の旅程でも回ることができます。でも、私のリハビリから行けば去年の旅行が、仙台の妻の実家泊を入れて3泊4日の旅程でしたから、今回は純粋に3泊4日、できればちょっと贅沢して4泊5日の旅行をしたいとプラン作りに没頭していました。

まず長崎ですが、私個人的には学生時代の旅行と会社に入ってからの仕事を含めると長崎には九州で一番と言っていいくらいに行った経験があります。(勿論、仕事と父親の実家である福岡が都市では圧倒的に多いのですが…)
初めて「旅」という「旅」をしたのは長崎の精霊流しで、さだまさしの物悲しいイメージの曲に憧れて長崎に降り立った私は、初めて精霊流しのあの喧噪と爆竹の音に圧倒され、文字通り「旅」の魅力に骨抜きになって、以降の私の人生が決まってしまった瞬間・記念碑的場所が長崎でしたので、その思い出はひとしおです。
でも市内以外に行きたいところはあまり思いつきません。個人的には未訪の平戸や九十九島五島列島に行ってみたいけれど、そうなると日程的に鹿児島までは行けません。個人的には何度も行ったハウステンボスに行く方法もあるとは思いましたが、次に本物のヨーロッパへの再訪を企図している妻には、ハウステンボスと言っても全く興味を引かないようです。雲仙や島原でもいいのですが、妻へのインパクトはイマイチのようです。個人的には内田康夫さんの小説で昔「行ってみたい!」と思った「軍艦島」に行くことも考えましたが、どうも決め手にはなりません。
ということで、長崎には一泊で夜景を見て市内観光をゆっくりすることでプランを固めることにしました。

鹿児島には2泊する予定で当初から予定作りを始めました。1泊目は妻の要望通り市内に泊まり、桜島をたっぷりと観光します。もう一泊は私の未訪ということもあり、南薩摩の指宿温泉に泊まって私でも入れそうな砂蒸し温泉を楽しみ、これも訪問を熱望していた開聞岳を見ることと、これも色々な書物を読んで一度は見てみたかった知覧特攻平和会館で若くして国のためにその命を短くも激しく燃やした特攻隊員の皆様に触れてみたい… こんなことで3泊4日のスケジュールはあっという間に決まりました。

こんな3泊4日で行こうと決定し、ネットで早速ホテルを予約、2カ月前にはJALのマイレージでの特典(無料)航空券の予約も完了させ、早くも「後は行くだけ」の状況になりました。
でも、「折角の年に1回の旅行。九州には今後ももうそんなに何度も行く訳ではないだろうから、もうちょっとゆっくりしたい。」とか「リハビリの成果を見るためにも、今年は4泊5日にチャレンジすべきだ!」とか自分の中で色々な声がぐるぐるとささやき続けます。確かに年1回の夏休みなので休暇も5日間の旅行にも対応できますし、折角なので4泊5日で行っても航空券は2人分マイレージで無料なのだからそんなにいいホテルに泊まらなければ何とかなるのでは!? と強く思うようになりました。

では1泊、どこに行こうかと考えます。一番の候補地は私の九州唯一の未訪県である宮崎ですが、宮崎に行くのであれば必ず行きたいと以前から思っているのは「神話の国、高千穂」です。でも南薩摩から戻って宮崎まで行っても、翌日高千穂に行くとその日のうちに埼玉に帰ることは不可能です。かといって長崎~鹿児島に行く間に熊本・阿蘇経由で高千穂に行く手もありますのでネットと時刻表に再び没頭しましたが、この日程では良い旅ができそうな予感はあるものの、鹿児島の滞在時間が短くなることは必至です。最悪に場合、南薩摩を諦めざるを得ない状況も想定されます。既に日程の概要を伝えていて楽しみにしている妻をがっかりさせるのも本意ではありません。

「ではもう一泊、どうしようか?」と考えながらネットサーフィンを続けます。今回の旅行は妻の要望の観光中心なので、いくら元鉄っちゃんと言っても、九州を走る様々な魅力的な列車を満喫することはできません。「一日ぐらいたっぷりと列車に乗りたいなぁ~!」と密かに願っていたのも事実です。
でも、その他の観光は妻の要望通りすべてこなすとして、「一日ぐらい好きな列車に乗ることは許されないかなぁ~」と思い、恐る恐る妻に許しを請いてみると、あっさり承諾してくれました。

ということで、長崎から鹿児島に向かう間熊本に1泊し、翌日列車王国九州の列車の旅を満喫することにしました。
今回の列車のメインは熊本発の「SL人吉」。九州一眺めがよい鉄道と言われる肥薩線をのんびり走る蒸気機関車です。
この列車、相変わらず人気があり結構予約を取るのが大変のようです。確かに発売中の予約をJR東日本のネット「えきねっと」で調べてみると全日満席です。これは1カ月前の発売日に買わないと大変です。

今回、SLに乗る予定日は9月1日、つまり切符の発売は8月1日(先週の水曜日)です。初めて北海道旅行に行った36年前は、指定券の発売当日に高校をサボって旅行会社の店頭に並びましたが、流石に今回は会社をサボって並ぶわけにはいきません。とは言え今はネット予約「えきねっと」で事前予約サービスがあり、自動的に予約をしてくれるのです。
ということで当時は仕事をしながら、列車の予約を待ちます。10時発売の2分後ぐらいに「予約がお取りできました」という嬉しいメールが無事に入り、一安堵です。

それがこの切符。たかだか800円の切符ですが、私にとってはプラチナチケットです。
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思えば小学生の頃には、日本のどこかではまだSLが走っていたらしいのですが、当時まだ乗りに行くことはできません。観光路線でSLが走り始めたのは私が会社に入った後で、海外旅行担当の私は乗りに行くこともできませんでした。
ということで52歳にしてSL乗車初体験です。

もう、今から興奮が始まっています。