麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2、紀伊半島周遊の旅⑤<和歌山県ーその2>


これを書いているのは4月24日です。もうちょっと投稿のペースを上げないと、次の旅行に行く前に、今回の旅行記(+次の旅行までの間に行ったプチトリップ)の投稿が間に合わなくなってしまいます…

4月8日(水)

昨晩の怪我(直前のブログ参照)の影響で、温泉に泊まっていながら大好きな朝風呂を楽しむことが出来ませんでした。
血はどうにか昨晩中には止まったようなので、ホテルで朝食を楽しんだ後、再度昨晩行った総合病院に消毒をしてもらうために再訪します。ホテルのスタッフの方は親切にも再度病院にも同行していただき、この日の治療費も負担してくれます。
昨日とは違うナースさん・先生に再度処置いただきます。とりあえず左手一本での運転に支障がないように、控えめに包帯を巻いていただき、「ドライブ復活」の準備完了。同行してくれたホテルの方に御礼して、病院からの旅のスタートです。
こんなことがなかったら、おそらく一生縁がないであろう(お世話になった)この病院は、名前も(地元の方々には大変失礼ながら)旅行先にふさわしく、旅情をそそる病院名です。
この日も雨天のスタートだったので病院の全景写真は撮れなかったのですが、病院名だけはその名前のインパクトに負けて、思わずシャッターを押してしまいました。
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さて、本日のスケジュールは本州最南端をはじめ紀伊半島の美しい海岸線を観光する行程で、もっとも晴天がふさわしい観光コースなのですが、これで6日間連続の雨天スタートです。この日も、雨が上がったのはほんのわずかな時間だけで、あとはずっと雨に降られ続けた天気的には最悪に近い1日でした!

最初に訪れたのは隣町太地町の「くじらの博物館」。古式捕鯨発祥地である太地町のことは、C・W・ニコルさんの小説「勇魚」等で知ってはいたのですが、この博物館に行くことにしたのは、内田康夫さんの浅見光彦シリーズの小説「鯨の哭く海」の影響です。この小説では、このような地方の博物館にしては絶賛に近いぐらい褒めていますが、内田さんの場合、こういう話は結構内田さんご本人の本音であることが多いので、ミステリーでありながら「旅行ガイド」としても愛読させていただいているのです。
確かに入ってすぐ見上げると吹き抜けの上部に吊り下げられている「クジラの実物大の剥製?模型?」は迫力あって、クジラと闘った昔の人たちの苦労が判るような気がします。
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「間もなく、クジラショーが始まります。」と案内され、雨天のプールに出てクジラショーの見学です。クジラと言うよりイルカのサイズなのですが、この博物館ではイルカショーもこれとは別にあり、こっちはイルカではなく本物の「クジラショー」らしいのです。
他の水族館でやっている「イルカショー」に比べたら、芸はイマイチの気もしましたが、本物のクジラが本当にジャンプするさまは壮観でした。
でも、この写真を誰に見せても「イルカだろ~!」と言われてしまいます。
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いよいよ本州の最南端が近づいて来ます。串本に入って最初の見どころは、橋杭岩弘法大師が作ったという伝説があるこの名勝は、このブログでも数回前にご紹介した私の日本一周のバイブルである「日本の絶景&秘境100」にも選ばれています。ここに到着した時間帯には特に雨が激しかったため、散策もできずに遠くから眺めるだけで我慢しました。
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次に本州最南端の潮岬にある潮岬観光タワーを目指します。このタワーに入場すると「本州最南端訪問証明書」を発行してくれるので、これをもって、「本州最南端制覇」とさせていただきます。
景色は残念ながら雨で霞んでいて、すぐ近くの灯台ですらあんまり見えないような状況で、このタワーの宣伝文句のような”地球の丸さを感じる”ことは、とてもできませんでした。
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その後、ラムサール条約に登録されている豊かな串本の海を見学出来る「串本海中公園」を訪問します。ここでは、昨年10月に沖縄で楽しめなかった「海中展望塔」を楽しみたいと考えていたので、旅行前に「(塔の下部まで降りる)階段の、両側に手すりはありますか?」とメールで質問していて、「(昇降両方共)階段の手すりは両側にあります!」という回答をいただいていたので、楽しみにしていたのです。見学するのが海の中なのですから、雨でも晴天でも関係ないのが、今の我々にはとってもありがたいところです。
「自然の中を見るので、魚が全く見えないことがある。」と言うのが、沖縄でも海中展望塔よりもグラスボート船を薦めたベテランタクシー運転手さんのコメントで、当然我々も”魚がいない!?”という状況も覚悟はしていたのですが、まるでこのあたりに餌付けをしているかのように、大量の魚の群れが我々の周りをグルグルと泳ぎ回っています。
「ここで釣りしたら、”入れ食い”だろうなぁ~!!」なんて考えました。実際に釣り師がいて、餌に食いついた魚が釣り上げるまでをこの特等席(!?)から眺められたらいいなぁなんて思ったりしますが、そんな不謹慎なことは動物愛護上許されるはずもありません。
でも、泳いでいる魚が1種類、メジナだけなので、見る方としては物足りなさは残ります。水族館ではなく自然界を見るのですから、「種類が少ない」なんて贅沢は、言っても仕方がないことなのですが…
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その後、本日の宿泊地「白浜温泉」に向かいます。白浜と言えばパンダで有名な「アドベンチャーワールド」が必見のスポットなのでしょうが、入場料も高いし、残念ながら我々にはあんまり興味はありません。とは言え、やっぱりそれなりの有名スポットなので… と思って念のため調べてみたら、なんとこの日は休園日なのです! どうも我々には縁がないようです。
それ以外の白浜の観光地を少しだけ見学します。海沿いの道路に車を路上駐車してシャッターを押した「円月島」。
白浜の観光地と我々とは、あんまり相性が良くないようです。
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今日の泊りは温泉ですが、温泉旅館に連泊という贅沢をしていたので、そろそろ節約旅行に戻らなくてはなりません。安い宿を探す中で見つけたのは、元々JRの従業員用の保養所。素泊まりなら、2人でも9千円程度とビジネスホテル並み予算で温泉に泊れると喜んで予約したのですが、昨日の怪我があるので私は温泉には入れず、この日も我慢です。
白浜と言えば温泉とパンダなのですが、白浜に15時間以上滞在していながら、どちらも楽しんでいないという結果になるので、日本一周とは別に、ここ白浜にはもう一回来る必要があるのかもしれません。
この保養所、フロント周りにJR関連のレアものが少しだけ展示されているので、”鉄ちゃん”には少し嬉しいかもしれません。

4月9日(木)

この日は和歌山市内に向かいます。
和歌山市内で、どうしても行きたいと思っていた場所は、「和歌山城」です。
私が10歳の頃に放送していたNHKの時代劇「男は度胸」。紀州で育って将軍になった8代将軍徳川吉宗が主人公の歴史ドラマで(時間帯が違うからなのか、大河ドラマとは呼ばないらしいのです)、私が歴史に興味を持って最初に熱中した時代劇なので、その影響が40年以上経っても抜けていない私は、今でも徳川将軍と言えば条件反射的に「吉宗!」と言ってしまう、吉宗ファンなのです。
ということで、私の”和歌山と言えば?”は和歌山城なのです。市役所の有料駐車場に車を停め、下から見るとそれなりに高く聳えている憧れの和歌山城を仰ぎ見ます。
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「足が痛い今、この城に登れるかしらん?」とは思いますが、とりあえず行けるところまでは行ってみようと、一歩一歩歩き出します。
ようやく天守閣のふもとまで来たので、この勢いで最上段まで頑張って登ってみました。
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天守閣から見た市内を見て吉宗になった気になろうと思いましたが、さすがにビルを眺めながら将軍の気持ちにはなれませんでした。

その後、今年和歌山で開かれる国体のために和歌山に単身赴任している(元会社の)同期の友人と待ち合わせて、喫茶店で1時間ほどよもやま話をします。
この日は、会社を辞めてからまだたった8日目だったのですが、話を聞いていて無性に会社員時代が懐かしくなりました。

昼食は、これも”和歌山と言えば”の和歌山ラーメン。和歌山ラーメンの有名店は意外と木曜定休の店が多く、友人にもお勧めの店を聞いたのですが、行列必至の人気店とのことで、市内ラーメン店一覧のHPに紹介されている車を停めた駐車場に近いラーメン店で、待望の和歌山ラーメンをいただきます。
味については… 予想通りと言うか、最近は期待を裏切るような”美味しさ”に出会うことがないのが、本当に淋しい気がしています。

午後は高野山を目指します。
今年2015年は、弘法大師高野山を開創してからちょうど1200年ということで、特にこの4月と5月には1200年記念の法会などが目白押しで、高野山の宿坊全体も大混雑とのことなので、宿坊協会に宿坊の手配をお願いし、ようやく1室確保していただくことができたのです。
予約の宿坊に車を預け、歩いて高野山の観光に向かいます。
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※宿泊した宿坊の入り口。ミャンマービルマ戦没者の供養をされているお寺でした。

最初に向かったのは高野山真言宗の総本山である金剛峯寺。我が母親の実家の菩提寺のお寺が真言宗高野山派で、私も個人的に一番しっくりとくるのがこの真言宗なので、「とりあえず無宗教の私に一番近しい宗派」ということで、とりあえずその総本山には真っ先に挨拶に行くべきと考えた所以です。
高野山に来ると、無宗教のはずの私でも何故か厳粛な気持ちになったことには、我ながらちょっと驚きました。
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次に高野山の象徴である壇上伽藍にお参りします。観光客の数は結構多いような気がしていますが、高野山に来るのがはじめてなのですから本当に観光客が多いのかについては、普段の高野山を知らないので断言はできません。
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次に奥ノ院を目指してバス停に向かいますが、時刻表とバスの時間が全く合っていません。確認したところ、「お客さんの数が多いので、臨時バスを随時増発して対応しています。」とのことで、やっぱり普段より観光客は異常に多いようです。

奥ノ院は本当に静謐な場所で、ここに数日滞在していたら無宗教の私も間違いなく信者になってしまいそうな、人を惹きつける雰囲気があります。一番奥の弘法大師御廟や点在する諸大名の墓石群をのんびりと見たかったのですが、ここにきて午前中の和歌山城に登った影響が足の痛みとして出てきて、奥ノ院参拝については散策に切り替えて雰囲気だけを味わうだけにして宿坊に引き上げました。
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宿泊は人生初体験です。とは言えこの宿坊、本当にホテル並みの設備で快適と言うかある意味”宿坊らしくない”宿坊でした。
宿坊らしくないというのは、”エレベーターがある”とか”部屋でもwifiが使える”などの点で、”宿坊らしい雰囲気を味わえなかった”とも言えるのですが、私にはとっても助かりました
夕食は精進料理を部屋食でいただきます。宿坊とは言えアルコールの提供もあるとのことですが、私は少しでも宿坊らしい雰囲気を感じるため、アルコールを自粛して精進料理を味わうことにしました。
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