16日目:8月23日(火)
この日は、鉄ちゃんに戻って「釧路湿原ノロッコ号」に乗りに行ってから、きりたっぷり連泊の日。朝ごはんを食べてから、車で釧路方面へ。
今日は天気が悪い予報ですが、釧路への国道はそれ以上に霧が立ち込めていて、運転にも細心の注意が必要です。霧が多いから霧多布だし、釧路は霧の街としては恐らく日本一だし… 霧が多いことは知ってはいましたが、それにしても前の車のテールランプが霞むこの日の霧は、恐らく自分史上最悪です。
車を東釧路駅前のスーパーの巨大な駐車場に停めます。
「ノロッコ号」は釧路駅発着なのですが、釧路駅前には有料駐車場しかなさそうなので、Googleマップで隣駅東釧路駅前付近には巨大な駐車場がいくつかありそうなので、駐車料金節約のために当たりを付けていたスーパーの駐車場へ直行。予定通り早めに着いてローカル線東釧路駅のノスタルジーも十分に味わったので、「やっぱり、列車には始発から乗りたいよね!」ということで、来た各駅停車に乗ってノロッコ号の始発駅釧路まで。
でも、この列車だと釧路では乗り換える時間だけで写真を撮ったり列車を端から端まで眺める余裕もなく、ノロッコ号は乗ってすぐに静かに発車。今乗ってきたばかりの東釧路を過ぎ、懐かしい駅遠矢へ。釧網本線のこの区間は、大学生時代本当に何十回と乗っているのです。
ようやく釧路湿原がその巨大な姿を現し、列車は釧路湿原駅へ。こんな駅、昔は無かったよ! あの頃にこの駅があったら、もう少し釧路湿原は行きやすかった筈ですよね!?
細岡駅は、昔湿原探索に何度か降りた懐かしの駅。このあたりからが、ノロッコ号のハイライト。
蛇行する川や池や沼などが見え、いかにも釧路湿原らしい風景が続きます。
野生動物もたくさんいるのでしょうが、我々が車窓から見えるのは鹿の群れぐらい。
車窓を楽しんでいるうちにノロッコ号終点の塘路駅へ。団体客は駅前にバスが待っているので、すぐバスに乗り込んで観光が続くようですが、我々には他のアクセスも全くないので折返しのノロッコ号で釧路に戻ります。ここでようやくノロッコ号の写真が撮れました!
意外に美味しかったノロッコ号のプリンを食べてから、折返し釧路行はのんびりと発車。
帰りは行きの乗客マイナス団体客なので、ノロッコ号はガラガラ。行きとは反対側で人気のない湿原と反対側の1人用席に陣取り、こっちの景色も楽しみます。
東釧路駅でノロッコ号に別れを告げ、駐車場の愛車に戻ります。1時を過ぎ、お腹もペコペコなのですが、まずはこの旅3度目最後のコインランドリーへ。「この日だけは、全部使用中なんてことがあるかも?」と覚悟していたのですが、何とか最後の1台の洗濯乾燥機を確保して一安心。
コインランドリーと同じ敷地内には、我々が北海道一大好きな回転寿司「なごやか亭」があるので、今日のお昼はココ!
2009年、まだ元気だった頃に北海道を1週間レンタカーで周り、釧路でここなごやか亭に出会って感動した我々は、同じ旅行内でプランを破ってもう一度釧路のなごやか亭に来るほど気に入ったお店。その後、旨いと言われる北海道の回転寿司にも随分と行きましたが、未だにあの時の感動を上回る体験はできていません。
今回は、洗濯と乾燥が終わるまでとたっぷり時間があったので、名物の「こぼれイクラ」を始めとして旨いもんをたらふくいただきました。
長かった旅も終盤戦になり、そろそろお土産が気になりだしたので、釧路市内にできている海産物のデパート「釧之助 本店」へ。ここではお土産も勿論買える上に食堂と釧路水族館まであるのですが、とりあえず娘一家に海産物を見繕ってクール便で送ります。
水族館は時間の関係でスルーしました。
再び浜中町に戻ります。その途中には、お約束のソフトクリームを厚岸でいただきます。
きりたっぷりに戻る前に、昨日次元と不二子のお店を見たので、今日はもう一軒。
きりたっぷりには大昔から1泊だけで帰ったことはないのですが、結局今回も2泊します。今日もgoogleのお陰で初見のお客さんで賑わっているようです。こうやって北海道の旅行業界で頑張ってる人を見ると、何となく嬉しくなってしまいます。
17日目;8月24日(水)
当然といえば当然なのですが、きりたっぷりを出て西に向かうと、「あぁ、もうすぐ帰るんだぁ~!」という気持ちが強くなります。これだけ長い旅行をしていても「旅ロス」状態は当然のように発生するので、この病気は本当に手の付けようがありません。とはいえ、今回の旅は本当に順調なので、残りはあと数日ではありますが、残り時間も精一杯楽しむつもりです。いつも通り「また来ます!」の挨拶できりたっぷりを出て、毎度ですが霧多布岬にもご挨拶。
霧多布岬、アゼチの岬は1982年以来何度来てもいいものです。今回は牧場の牛も元気そうで何よりでした。
続いて、ここも来るたびに毎回来ている霧多布湿原の琵琶瀬展望台。川の蛇行など湿原らしい景観が見えることでいえば、釧路湿原以上かもしれません。
時間的には極めて中途半端な時間なのですが、この辺りに来て厚岸のカキを食べずに帰る訳には行きません。厚岸でカキを食べるお店は、いつも行く道の駅「コンキリエ」が手軽で大好きな場所。ここにはカキを食べられるお店が数店舗入っていて、その日の気分でカキが食べられるという、道の駅で全国トップクラスの人気なのが頷けるお店…
なのですが、いくら11時前と言ってもこの駐車場の空き具合は?? と訝しがりながら入場しようとしますが、こんな看板が!
カキが食べられないのならば、道の駅にも厚岸の街にも用はありません(失礼!)。残念ですが車に戻って先を急ぐことにします。でも、この日のお昼ごはんにはカキしか考えていなかったので、とりあえず釧路方面に向かいながら、妻と相談します。このところ昼夜共に海鮮系の食事が続いていたので、全然違うものが食べたくなりましたが、海鮮以外のお店は全くリサーチしていなかったので、昨日も行った「釧之助 本店」の中の「釧ちゃん食堂」へ。ここは確か海鮮以外にも釧路名物が食べられるお店だという記憶があったからです。
結構混んでいて少し待ちましたが、私が頼んだのは釧路市民のソウルフードと言われる「スパカツ」。久しぶりの海鮮以外がとても美味しく、かなりボリュームがあったのにすっかり完食してしまいました。
今日は夕食に備えて「昼食は軽めに…」の筈だったのに!?
これで釧路付近の観光を終えて、十勝地方に向かいます。
十勝地方では、まずは有名な十勝川温泉の「植物性モール温泉」を楽しもうと、十勝川温泉の有名旅館に行き日帰り温泉にゆっくりと入浴。モール温泉の誘惑でここ十勝川温泉にも泊まりたくてかなり悩んだのですが、今日泊まるペンションの食事の誘惑には勝てずに、結局日帰りだけになってしまいましたが、やはり次回は泊まろうと気持ちのい湯舟に快適につかりながら、固く誓いました。
直接宿に向かうにはまだ時間が早かったので、「1日1ソフト」のルールを守るべく近くのソフトクリーム屋さんを急遽検索。でも、行ったお店は北海道内のチェーン店らしいお店で、安かったのですが味はイマイチ。残念ながら十勝の酪農を味わえるソフトクリームではなかったようです。
この日の宿は、「グルメペンション」と銘打っている池田町にあるペンション「フンベHOFおおくま」。兎に角料理が美味しそうなこのペンションを3年前にネットで見つけてから、「一度は泊まりたい宿」として3年間予約し続けたペンションなのです。
「部屋等には期待しないで下さい」という宿なので、料理以外には期待はしていませんでしたが(とはいえ、最低以上のクオリティはありましたが…)、その分料理には期待大! この夕食、本当に垂涎ものの素晴らしい夕食でした!
どうやらオーナーは北海道各地の食材を仕入れて卸しているのが本業らしいのですが、兎に角出てくる食材が旨いのなんの… カニも食べやすく包丁を丁寧に入れてくれているので、私にもとっても食べやすく最高でした!
中でも本当に旨かったのは、生のトウモロコシ。早速自宅用に宅配をお願いして帰宅後たっぷりといただきました。
最後のデザートであるメロンも、今まで味わったことがないくらい甘くて、我々の分は写真を撮る間もなくすぐにかじりついて完食してしまい、妻はこちらも弟と妹に宅配を依頼していました。
18日目:8月25日(木)
北海道にいられるのもあと2日、今日は観光をしながら上陸の地苫小牧に戻る一日。
”美味しいペンション”の「フンベHOFおおくま」は朝食もコーヒーもとても美味しく、本当にいいペンションでした。次回、北海道に来る時には、十勝川温泉に泊まるかこのペンションに泊まるか… 今から悩みそうです。今のところ、「1泊ずつ、2泊する」というのが、私の結論。
この日最初に向かったのは、十勝の中心都市帯広をスルーして近郊の「駒場白樺並木」。私の母校が「都立駒場高校」なので、”駒場”という文字を見るだけで何となく懐かしさを感じてテンションが上がってしまいます。
この風景、TV番組とかで何度か見た記憶もあり、何となく懐かしいもの。隣には、ひまわり畑もあるようです。
次はすぐ近くの十勝牧場展望台。この山並みは大雪山系でしょうか? きれいに見えています。
馬がたくさんいます。
次に向かったのは、「サホロリゾートベアマウンテン」。
熊が生息しているエリアには、安全な歩行者通路を歩いてでも行けるそうなのですが、出来るだけ歩きたくない我々はバスで向かいます。
バスに乗っていても、途中の熊の生態を見ることが出来ます。
バスの終点エリアの池では、熊同士が壮絶なケンカをしているのかと思いきや、これでも手加減しながら「じゃれ合って」いるのだそうです。
因みに、この牧場の熊は全てオスなのだそうです。メスがいると、発情期になると人間がコントロールできなくなるからだそうです。北海道には登別のクマ牧場等たくさんの熊がいるエリアもあり、ここには初めて来たのですが、結構楽しめました。
すぐそばにあるのが、狩勝峠。昔、開陽台に行くと「北海道で地平線が見える場所は、狩勝峠などいくつかあるけれど、一番広い角度で地平線が見えるのが開陽台なんですよ。」と何度か言われていたので、その時から「狩勝峠にも行ってみたい」と願うようになっていたのですが、それ以来恐らく40年越しの初訪問です。
天気もイマイチでしたが、開陽台のような地平線のイメージはあまりなく、想像していたようなイメージではありませんでした。
トマムあたりで、15日前に通ったルートとすれ違います。「あぁ、もう15日以上経っちゃったんだぁ~!」と呆然として、時折寂しい気に襲われます。
次の目的地は夕張。実は夕張に来るのは初めてです。まずは、夕張と言えばメロンを食べようと道の駅に立ち寄ってみますが、「夕張メロンは売り切れ」とのこと。でも、昨日の夕食で夕張メロンより絶対甘いメロンを食べていたので、落ち込むことはありません。本当は夕張名物「カレーそば」を食べるプランでしたが、今朝の朝食もたっぷりと食べたし、お腹も全く空いていなかったので「夕張メロンソフト」で我慢することに。
夕張で向かった場所は、「幸せの黄色いハンカチ思い出ひろば」。最初の方に来た「鉄道員(ぽっぽや)」に続いて、健さん映画のロケ地です。この映画と言えば、何といっても最後にこの黄色いハンカチがたくさんあるシーン。
武田鉄矢が運転していた車も懐かしぃ~!
やっぱり私は山田洋次監督のファンですね!
その後夕張のシューバロダムを眺めてから、夕張の街を後にします。
北海道最後の宿は苫小牧のビジネスホテル。
予約していた近くの居酒屋で、北海道最後の夕食。
この居酒屋で、北海道旅行の総仕上げとして「もう一度食べたい」ものなどを徹底的に頼みます。まずは到着後すぐに苫小牧で食べた「ホッキ」。
そして、メインディッシュは厚岸で食べ損ねた「カキ」
最後の晩も、大満足で眠りにつきました。
19日目:8月26日(金)
今日はいよいよ北海道最終日。泣いても笑っても今晩7時には仙台行きのフェリーに乗らなければなりません。
今日は、朝からいきなりメインイベント。実は苫小牧に泊まったのも、これが食べたかったからなのです。宿泊ホテルの朝食を権利放棄して、向かったのは苫小牧上陸後最初に来た「海鮮みなと市場」。(でも、ホテルでの朝食を権利放棄した代わりにSOY JOYとカロリーメイトをくれました。本当にサービスの良いホテルですね!)
ここでのお目当てのお店が、上陸日には水曜日で休みだったので、満を持して再訪、9時オープンなので8時半にはお店に行き、受付を済ませます。人気店過ぎてお店の前に並ばれると周りの店からクレームが来るのだそうです。
我々の念願の注文は、「特選おまかせ丼+ネタだけ大盛」の@3,000円也。9時には席に案内されますが、あっという間に満席となります。苫小牧に泊まって早めに来て大正解!
北海道で本当に旨い海鮮丼を散々食べてきましたが、ここの海鮮丼はやっぱり別格!「この旅で、どの海鮮丼が一番だった?」と車に乗ってから妻に聞いてみましたが、「すみれかここのどっちか!」と、決められない様子。確かにこの旅最後の海鮮丼としては最高のアレンジでした!
これから船の時間まで最後の北海道を満喫します。高速道路に乗って向かったのは室蘭。室蘭での目的は2つで、まずは前回(2015年)天気がイマイチだった「地球岬」。地球が丸く見えるという地球岬、確かに地球の大きさは存分に感じられました。
2つ目の目的は「宮越屋珈琲店 MUTEKIROU」。妻が大好きな宮越屋珈琲の支店が室蘭にあり、白鳥大橋等の眺めも抜群とのことでプランに加えました。
確かに、コーヒーを飲みながら見える白鳥大橋は、すごくいい眺めです。
美味しいコーヒーとケーキセットを食べたら、もう昼食は食べられなくなってしまいましたが、妻は大好きな宮越屋珈琲の筈なのに、「コーヒーがぬるかった」とイマイチの様子。ここは宮越屋珈琲の直営店ではなく室蘭焼き鳥の系列店の経営らしいので、やはりコーヒーより焼き鳥の方が旨かった??
午後は白老に向かい、予約していた「ウポポイ」に向かいます。
伝統芸能などの見学スケジュールが合わず、これしか取れなかったアニメでのアイヌのストーリーを観ましたが、正直アニメなので私的にはガッカリな内容。国立博物館にも別予約で入場しましたが、響くものがありませんでした。周囲の建物も覗いてみましたが、何となくやる気が空回りしているように見えました。
やっぱり、伝統芸能を見るべきでしたね。
最後に、利尻島の「白い恋人の丘」を思い出し北海道旅行の思い出に浸りながら、「白い恋人ソフト」を食べました。
ということで、残念ながらもう家に帰らなければなりません。行きにも乗った太平洋フェリー「いしかり」というより吉田拓郎の「落陽」の歌詞通りの「苫小牧発仙台行きフェリー」に再び乗り、本州に戻リます。あの爺さんもわざわざ見送ってくれませんでしたが...
フェリーの中では、北海道の余韻に浸りながら一生懸命Facebookの投稿をしていました。電波が弱いため投稿直前で投稿そのものが消えてしまうこと2回。諦めかけましたが、3度目の正直で何とか投稿できたので、ここで今回の私の今回の北海道の旅が完了した感じでした。
20日目:8月27日(土)
仙台港到着は10時。まっすぐ埼玉に帰ろうと車を走らせますが、村田IC付近で事故があったとのことで東北道は通行止め中。なので白石まではずっと国道4号線を走り、予定より1時間遅れで3時前には埼玉の自宅に帰り着きました。
走行距離は3599キロ。勿論自分史上最長のドライブでした。
<後日談>
旅行そのものも本当にスムーズに進み、各地でも本当に天気に恵まれた最高の旅行だったので、「こりゃ、何か悪いことが起きるんじゃないかな?」と心配するぐらいだったのですが、その予感が奇しくも当たり、帰宅後1週間してから俄かに腰や足が痛くなり、歩くのも大変な状況になりました。整形外科に行き、医者に正直に「20日間ずっと車を運転し、約3600キロもドライブしました!」と言ったら、「そりゃ、遊びすぎだよ!」と笑われたのですが、笑い事ではなく正直車椅子に乗らないと歩けないくらいに両足が痛い状況でした。
歩いて駅までも行けない状況なので、会社を休むことも数日。その後何とか何とか駅までタクシーで行けるようになったので、往復タクシーで通勤すること約2週間。その後何とか歩けるようにはなりましたが、まだ足は完全ではなく歩き方を忘れてしまったかのような状況で、現在少しずつ歩き方を思い出しているような状況です。
旅行後にはこんな大変な1か月を過ごしましたが、次回の旅に向けて少しずつ復活をするよう努力しています。
今回の旅行が本当に最高の旅だったので、「好事魔多し」とはまさにこのことですね!