麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2022年北海道<その3:焼尻島・天売島>

6日目:8月13日(土)

 

この日は日本海沿いを羽幌まで走り、羽幌港に車を置いて2泊3日で焼尻島・天売島へ行く”道北離島紀行メインイベントその1”の始まりの日。
まずは朝早く朝食を食べずに留萌を出て、一旦羽幌に向かいます。目的は羽幌での朝ごはんですが、まずは羽幌にあるコインランドリーに洗濯物を預けてからと思い、7時半には羽幌唯一のコインランドリーに着いたのですが、何と4台ある洗濯乾燥機の内3台は朝から稼働中で、何とか最後の1台を確保できましたが… 

田舎だと思って馬鹿にしてはいけませんね!? 今回、予定していた3回のコインランドリーは事前の下調べが功を奏して全て計画通り最新の洗濯乾燥機を利用できましたが、3回とも予想以上の混雑でややヒヤヒヤさせられました。コインランドリー人気がすっかり定着した感じですね!?

その後、羽幌のフェリーターミナルに向かいます。と言っても乗る予定の船は14時発なのでまだ船に乗るわけではなく、お目当ては羽幌フェリーターミナル内にある食堂。8時オープンの「浜のかあちゃん食堂」には開店前から数人が待っていて、8時のオープンと同時に席が埋まる状況でしたが、我々は無事にテーブル席を確保します。

羽幌は甘エビの漁獲量が日本一ということで、今回のグルメ朝食は「甘エビ丼」。普段、甘エビはさほど食べない私でしたが、日本一の羽幌の丼はやはり大満足の味でした。

甘エビが本当にたっぷりでした!

朝食後、コインランドリーで洗濯物を無事に受け取り、まずは羽幌市内の観光を。1977年の初北海道の時にも当時まだあった国鉄羽幌線に乗って、羽幌にあったユースホステルに泊まって、翌日焼尻島と天売島に行っていますが、羽幌のその時の記憶は全くなく、ユースホステルが元小学校のだだっ広い建物だったことを辛うじて覚えている程度。
羽幌の観光は、これから天売島へ行く前に海鳥のことを少しでも勉強しようとまずは北海道海鳥センターへ。

45年前に天売島へ来た時には当時はまだたくさんいたオロロン鳥を見る遊覧船があり、その遊覧船に乗ってたくさんのオロロン鳥を見た記憶があるのですが、45年の時を経てオロロン鳥もその数が激減、今では絶滅危惧種になったとのこと。今天売島に一番来る海鳥はウトウとのことですが、ウトウは7月には他の場所へ移動してしまうらしいので、この時期に海鳥に会えないことは判っていたので、これは仕方のないところ。

海鳥センターに隣接する羽幌バラ園もあっという間に見学が終わり、もう羽幌での見どころはありません。

羽幌バラ園

来た道を留萌方面に少し戻って、小平の鰊番屋がある道の駅を観光してから 、小平の超有名店「すみれ」のランチに並ぼうと考えて車を走らせたのですが、道の駅に着く前にすみれの前を通ると既にすごい行列があります。まだ開店時間の11時前なのに… 慌てて方針変更し、何とか車を停め順番カードに名前を書きますが、10:45の段階で我々は何と29番目です。(ということは、待っている人は100人以上??)

これ、日本海沿いの田舎町小平町の風景ですよ!?

こんな田舎町の店前に約2時間も並び、お目当ての海鮮丼に対面出来たのは2時間後の1時近くになっていました。でも、こんなに待っただけあって、海鮮丼の一品一品は本当に凄かった!

今回の旅の「前半イチ」の海鮮丼

まぁ、お盆の土曜日の超有名店なので、こんな混雑も仕方のないところでしょうか?結局、道の駅には行けずに羽幌フェリーターミナルには時間ギリギリに到着。フェリーターミナルに愛車を置いて、焼尻島&天売島へ2泊3日の旅へ出発! リュックを担いで高速船に乗り込みます。

高速船 羽幌~焼尻~天売の航路です

焼尻までは高速船で僅か40分の船旅です。
45年前にも焼尻島には来ているのですが、その時は滞在時間僅か数時間だけで、港から島の中心部までトボトボ歩いたことを思い出します。しばらく歩くと島の中心部にはサフォーク羊がたくさんたくさん放牧されていて、そのサフォーク羊の見慣れない黒い顔が、都会の高校生(だった私)には凄く印象に残っているのです。
そのしばらく後に、村上春樹の「羊をめぐる冒険」という小説を読んだときに、その小説に描かれた羊とここ焼尻でかって見た羊が私の中で見事に重なり、「村上春樹は、ここ焼尻島に来てこの小説の構想を練ったに違いない!」と、勝手に考えたこともあるくらいです。その後、この小説の舞台は美深近辺だということを知りましたが、私の中ではまだ焼尻だと勝手に信じている部分があります!今回は、その時のことを思い出しながら、私なりの「羊をめぐる冒険」が焼尻島のメインテーマ。

焼尻島フェリーターミナル

焼尻島到着後、港で客待ちをしている乗り合いタクシーに乗り、焼尻島の観光。

焼尻観光ハイヤー おじいちゃんドライバーの楽しい説明

乗り合いと言いながら今回の乗客は我々だけです。焼尻のささやかな中心街を抜け、オンコの荘などを観光しながらご年配のドライバーさんから過疎化・超高齢化した焼尻島の現状を聞きます。

本当に若者は極端に少なく、本当にお年寄りしかいないのだそうです。焼尻島にある旅館は本日我々が泊まる1軒だけで、民宿は1軒あるのですが、80歳を超えたおばあちゃんがやられているそうです。

焼尻島唯一のビュースポット

そして、ついに憧れのサフォーク羊との45年振りの感動のご対面!

羊をめぐる冒険 その1

思わず、★マークの付いた羊を探している私がいました。(「羊をめぐる冒険」参照)

1時間半のタクシー観光が@1,400円とは本当に安く、焼尻島のことも詳しく知れて大満足です。貸切タクシーは、今宵の宿である「布目旅館」まで送ってくれました。

昭和のレトロ旅館 勿論、ウォシュレットなんてありません。

夕食はウニが出ると聞いていたのですが、「本日は漁の関係でウニは採れませんでした。」とのことですが、実は今宵のメインの料理は、「羊をめぐる冒険その2」として、事前に電話で特別注文しておいた焼尻産サフォーク羊”プレ・サレ・ヤギシリ”。天敵のいない環境で育ったサフォーク羊にはストレスが全くなくとっても美味しい!とのことで、銀座の高級フレンチと焼尻島の一部でしか食べられないのだとか。

これが、憧れ続けた”プレ・サレ・ヤギシリ”

塩だけで味付けされた羊肉は、羊とは思えないとっても素晴らしい味でした。

 

7日目:8月14日(日)

 

この日は焼尻島から天売島に行く日。この旅20日間の旅で、全く車を運転しないのはこの日だけです。
旅館での朝食後、焼尻島のサフォーク羊にもう一度会いに45年前に通った道を歩いて島の中心部まで散歩。妻は興味がなさそうなので、旅館に残して一人で向かいます。

我々が泊まった島唯一の宿「布目旅館」

45年前には島の情報を何にも持たすにこの道を歩き、羊たちと感動的な出会いをしたのですが、今回あの時の道を高校2年生に戻った気分でもう一度歩くのが焼尻に来た本当の目的だったのです。
少し歩くと中心に行く歩道の入口に。この入口には記憶というかデジャヴ感があります。でも、入口すぐ近くにある会津藩士のお墓には全く記憶がありません。会津藩士は本当に日本のあちこちに足跡を残していて、本当に頭がさがります。


歩道は最初は森の中を進みます。この森には記憶がないのですが、恐らく45年前と何も変わらない風景なのでしょうね!? ハエやアブが唯一の歩行者である私にまとわりつきますが、私にはまるで「45年前にも(先祖に)会ったよね!?」と、親しげに話しかけられているように感じられました。

このような森の中を15分程度歩きます。

ようやく、森を抜けて私の記憶に鮮明に残る草原と青空が見えてきます。

以前の記憶ではすぐにサフォーク羊の放牧があったイメージでしたが、サフォーク羊が見つからないので更に先を目指すと、ようやくサフォーク羊の牧場が見えてきました。

羊をめぐる冒険 その3

よく見ると昨日観光タクシーで来た牧場もすぐ近くです。昨日は、ゆっくりと羊を見ることが出来なかったのですが、今日は遠慮せずただただサフォーク羊を眺めては、またも★がある羊をのんびり探してしまいました。

結局、★のある羊は見つかりませんでした。

港に羽幌からの船が着いたからなのか、徐々に観光客も増えてきたようです。昨日乗った乗り合いタクシーともすれ違い、顔見知りになった運転手さんからも「歩いて来たの?大丈夫かい?乗ってくかい?」と心配していただきますが、今日の散歩が焼尻島に来た本当の目的なので、運転手さんの親切を固辞してゆっくり戻ります。帰り道では、レンタサイクルに乗った観光客と時折すれ違います。都会では、すれ違っても絶対に挨拶なんてしないのでしょうが、ここではお互いに爽やかな気分で「こんにちは」と明るく挨拶を交わします。
「45年前にここに来てここを歩いた俺って、どんな奴だったんだっけ?」など昔の記憶を思い出しながらの戻り道。映画やドラマならば回想シーンで昔の自分がすぐ目の前に現れるのですが、現実にはそんなことはありません。
45年前の俺、会ってみたいなぁ~!

約2時間の散歩を終えると、ちょうどチェックアウトの時間。フェリーターミナルまでの送りを固辞して、妻と付近を散策。昨日のタクシーで「唯一の観光スポット」と運転手さんから紹介されていた旅館すぐ近くの「焼尻郷土館」に行ってみますが、旧家を再利用した館でバリアフリーなんて発想が全くない時代のものなので、私が見られるエリアはごく僅かで、あっという間に見学が終了してしまいました。

焼尻郷土館

こうなるともう焼尻ですることはありません。ゆっくりとフェリーターミナルまで歩いて、港にある食堂に。
昨日食べたサフォーク羊が想像通り美味しかったので、「島の食堂でもう一度サフォーク羊を食べてから、天売島に行こう!」と考えていたので、オープンすぐにサフォーク羊を出す唯一の食堂に行ってみますが、無情にも「本日、羊は売り切れ。」との看板が…

羊をめぐる冒険 その4」は達成できず! このために船を1本遅らせたのにぃ~!

そうなると他の海鮮丼等のメニューもない場末の食堂に食べたいものはないのですが、この日はこの旅で唯一昼からビールが飲める日なので、とりあえずビールとつまみにタコカレーを頼みます。

味は... レトルトカレー+タコ

焼尻島から天売島まではフェリーで約30分弱。

天売島にも45年振りです。あの時も焼尻から天売に行き、オロロン鳥の遊覧船乗って、天売ユースホステルに泊まった以外の記憶が全くありません。今、天売には陸の観光手段がレンタサイクルぐらいしかなく、我々は利用出来ないため、遊覧船に代わる観光船には乗りたいと考えたため、観光船もやっていて海鮮も美味しいと評判の天売の民宿「栄丸」を3年前から予約していて、今回「3度目の正直」でようやく宿泊が叶うのですが、焼尻島でフェリーを待つ間にその民宿から電話があり、「今日、海の状態がいいのは昼過ぎだけらしいので、我々が天売に着いたらすぐに遊覧船を出します。」とのことなので、フェリーターミナルに民宿の出迎えを受け 、すぐ横の漁船栄丸に乗り込みます。

観光漁船の乗客は我々の他にもう一人。3人の観光客を乗せた船長は、今晩世話になる民宿のご主人。何となく観光船の運航については、この間知床であの痛ましい事故があったばかりなので、非常にナイーブになっているような印象を受けます。とはいえ、あの事故のショックはやっぱり強烈で、当初妻は「今回の旅では、遊覧船には乗りたくない!」と言っていたのです。でも、天売では他に観光手段がないため、何とか乗ることを了承してもらいましたが…

遊覧漁船で天売島を一周。最初は、さっきまでいた焼尻島がきれいに見えています。

焼尻島… こんなに近いんですね!

小さな漁船ですが、確かにあんまり揺れることはなく青い空と青い海に囲まれる最高のクルーズ日和。

45年前の観光船の記憶は殆どないのですが、あの時は夕方のクルーズでオロロン鳥以外にも海鳥がたくさんいた印象があるのですが、今回はオロロン鳥がいないのは当然としても他にも海鳥は殆どいない印象。

見覚えのある大きな岩は赤岩。昔は、ここにオロロン鳥がたくさんいたという記憶があるのですが、岩は昔の記憶のままでも、海鳥がいないので何となく寂しい景色。

赤岩

45年前の記憶が少しだけ蘇りました!

でも、45年振りに天売島がゆっくり見られて、大満足でした。

下船後、もう天売島の観光手段はないので、車で民宿まで送って貰います。最初の予約から3年越しの民宿栄丸は予想通り小綺麗な宿。

民宿 栄丸

部屋は2階に6つ程あるようですが、コーヒーなども自由に飲めてその意味でも快適そうなのですが、6部屋なのにトイレが1つしかなく、「こりゃぁ、混んでる時にはトイレ渋滞が心配!」と、密かにビビっていたのですが、人気の宿で結構混んでる筈の民宿なのに、この日の客は何と我々だけとのことなので、トイレ渋滞は心配せずに済みました。

部屋は焼尻島&オーシャンビュー

夕食は民宿自慢の海鮮バーベキュー。

殻付きのウニが1人2個付き、「1個は生で、1個は焼いて食べるのがオススメ」とのこと。私的には、超新鮮な生ウニを焼いてしまうなんて勿体ないことはとても出来ない気分でしたが、ここはアドバイスに従ってみることにしました。

結果は… 個人的には、やはり生に一票!

締めには海鮮丼まで出てきて、天売島グルメも大満足の一日でした。

 

8日目:8月15日(月)


この日は再び羽幌に戻って、最北端の地稚内を目指す1日。
天売島には陸の観光手段(貸切タクシーゃバスなど)がないと書きましたが、ウトウのシーズンである7月などは観光ツアーがあります。以前に8月のツアーについてメールで問い合わせをしたところ、「8月はガイドがいないので、催行しません。」と言われていたのですが、そのツアー等を主催する「海の宇宙館」でも観光してから船の時間まで暇つぶしでもしようと、民宿からのんびりと島を散歩しながら歩きますが、何と海の宇宙館は休館中!

民宿のおかみさんが、「あそこの奥さん、今島にいないんじゃないかな?」と仰っていた通りでした。やはり、地元の情報網は確かでしたね。
こうなるともう天売島でやる事はないので、とりあえず港まで行って11時の高速船の出発までのんびり。天売島・焼尻島共妻には退屈な2日間だったようですが、45年前の思い出を辿れて、私にとっては有意義な時間でした。

羽幌港に戻ったのは12時20分。2日振りに愛車に乗り込み北海道ドライブの再開です。 昼食の時間で、羽幌と周辺にはあと3軒程リストアップしていた美味しそうなお店もあったのですが,2日前の「すみれ」の行列に懲りて、並ばないで済む方向へと、隣町初山別村にあるホテルのレストランに向かいます。この宿は、宿泊候補地としてリストアップしていた場所なので、下調べはバッチリ。ここの名物はタコとフグとのことなのですが、タコはこの日の夕食に出ることが判っていたので、フグの天ぷらそばをチョイス。

ホテルのレストラン「花みさき」

あんまり期待していなかったのですが、このフグとても美味でした。フグといえば九州とか下関のイメージだったのですが、北海道でも旨いということは、温暖化の影響なのでしょうか?

北海道でフグが美味しいなんて... 初耳でした!

オロロンラインを稚内に向けて北上。愛車のスピードを70キロにセットしてドライブすると、後続車はどんどん愛車を追い越して行きますが、焦らずに先を譲ります。
次の目的地は天塩の牧場。焼尻・天売では「1日1ソフトクリーム」がお休みだったので、久し振りのソフトクリームです。結構細い道をナビを信じて走ってようやく辿り着いたお店「宇野牧場」の「UNO Cafe」。

本当に遠いけど、行く価値あり!

ここのソフト、私的にはこの旅NO1 のソフトクリームでした。あんまりソフトクリームが美味しかったのと、そのネーミングに魅せられて牛乳も飲みましたが、コスパ的にはどうなのでしょうか?

このネーミングについつい手が出ましたが、500円でした!

今晩の宿のお風呂が小さいとのことなので、ここも宿泊候補地としていた「天塩温泉夕映」の日帰り温泉に立寄り。ここは天気が良ければ利尻富士が見えるとのことでしたが、今日は利尻富士は見えませんでした。ホテルの併設施設だというのに脱衣所に鍵のかかるロッカーが一つもなく、車に大金(我々にとって… ですが)を置いたキーを持っている私は気がかりではなく、早めに出ざるを得ませんでした。
再度、オロロンラインを北上。風車がたくさんある場所(オトンルイ風力発電所)や北緯45度のモニュメントなどは、2015年に見ているので今回は通過(その時のブログはこちら)、でもその時は天気が無茶苦茶悪く、利尻富士が全く見えなかったのでビュースポットである「こうほねの家」には立寄ってみますが、この日も利尻富士は見えません。

今回こそは、利尻富士が見えますように!

明日の天気予報も雨予報だし、7年前の悪夢が頭の中をよぎります。「今回も、利尻富士が全く見えないなんてこと、ないよね??」

今晩の宿は稚内の旅館山一。この旅館は、情報収集のため北海道旅行のYou Tubeを見漁っていた頃に、この宿の夕食を薦めるYou Tubeに魅せられてついつい予約してしまったもの。
確かに夕食付きで一人1万円以下の料金は激安です。特にオススメはタコのしゃぶしゃぶとのことで、ここで食べると「タコのイメージが変わる」との絶賛を見て楽しみにしていたのですが、元々タコ好きな私のそのイメージが変わることはなかったようです。

でも、密状態だった満員の食堂の活気は、何となく嬉しいものでした。