麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2023年九州ドライブ紀行<その3:台風と甑島>

8日目:8月9日(水)

 

台風直撃を直前に控えて早くから目が覚めてしまい、3時頃からはネットやテレビの台風情報に釘付け。いずれにしてもこの日は宿泊地鹿児島県の出水市に行ければいいと考えていたのですが、昨日の晩あたりは「暴風圏内に入る前ならば、途中の日帰り温泉くらいは行けるかな?」なんて甘い考えもあったのですが、暴風予報は大袈裟ではなく10分単位で悪化する(早まる)感じ。出水市が暴風圏内に入るのは昨晩の予報では9日の午後2時過ぎだったのに、朝の4時を超えた段階での予報では、今日の午前11時! これでは、のんびり日帰り温泉に浸かっている余裕はありません。朝の普通の時間に佐賀を出れば、暴風圏内に入る11時前には出水市に着けるのでしょうが、途中の高速の通行止めなどが心配です。ついては、妻を起こして朝の6時前には愛車をスタートさせます。こういうこともあろうかと、朝食なしのプランを予約していて正解。
まだ、雨もパラパラで風もそんなに強くありません。今のうちに距離を稼いでおこうと、朝食休憩もせずにひたすらドライブ。無事に九州自動車道に乗れ、80キロ規制はあるもののまだ通行止めの情報はなく、時折雨風は激しくなるものの安全運転を心掛ければまだ恐怖はありません。熊本~八代を通過し徐々に雨風は強まって来ていますが、何とか熊本県を抜けて鹿児島県の出水市へ。9時には目指すホテルに着き、「すぐ部屋に入りたい」と交渉して、半日4000円の追加料金で何とか部屋に入ることができたのです。
でも、このホテルがこの旅最大の失敗。半年前に出水市に泊まることを計画して、武家屋敷に近いこのホテルをとりあえずポチっと予約。その後、日程を変えて別の都市に宿泊しようとして、このホテルをキャンセルしようとした時に改めて目に飛び込んで来た契約条件は、「予約時からキャンセル料全額!」。最近、時折こういう条件の旅行契約があるのは知っていたのですが、予約時に見落とした私のチョンボです。宿泊全額とは言っても宿泊だけで8,000円ですから、授業料だと思って全額払って別の宿を取ればいいのですが、生来貧乏性でケチな私はその8,000円が勿体ないとばかりにそのまま出水市に泊まるプランを組んだのです。その時点では、HPを見る限りこのホテルには最上階にリーズナブルな展望レストランがあり、加えて1階には居酒屋もあり、夏前には「ビアガーデンもオープン!」と書かれていてそんなには悪くない印象。「どこで夕食を食べようか!?」と、計画段階では結構悩んでいたくらいです。
ところがこのホテル、来てみるとどうにも場末のビジネスホテル。今は最上階のレストランはランチしかやっていないし、居酒屋に至っては影も形もありません。ビアガーデンのことは聞く気にもなれずに、チェックインしながら「昼は最上階のレストランで食べるとして、じゃあ晩飯はどこで食えるの?」と聞いて見ますが、「ホテルにはないけど、近くにはお店も結構ありますよ。」と、これから台風が来るというのに冷たい返事。
とりあえず部屋に入り、NHKが入らないという台風情報を見るには致命的なTVとネット(wifiがあることは救いでしたが…)で台風情報をチェックしながら最悪の事態にはならなかったことにとにかく安堵。予想通りこの日のこのあたりのフェリーは全便欠航で、当初の予定通り雲仙に泊まっていたらやはり大回りしなければならず、今頃は風雨の中をビクビクしながらここ出水を目指してドライブしていたでしょう。本当にあの判断は我ながらグッジョブでしたね。
お昼になったので、最上階のレストランでランチを食べようと一旦フロントに行くと、「実は、台風でレストランのスタッフが来れずに、今日はオープンできないんです!」と、何ともショッキングな状況に!「じゃあ、どうすればいいの?」朝飯も満足に食べられていない空腹の我々も結構必死です。「では、宿の車でコンビニまで送迎しましょう。」風雨も激しくなって来たので贅沢は言わずに、ここはホテルのご好意に甘えましょう。車で数分のコンビニで、お昼と今晩の弁当とお酒とつまみを仕入れて、部屋に戻ってとりあえず旅先としては超侘しいランチ。
午後もやることがないので、昼間っからお酒を飲みながらひたすら雨と風の音を聞いてボケっとしています。この時点で我々の最大の関心事は明日の甑島行きのフェリーが出るかどうか。万一欠航にでもなったら、甑島を諦めてどこに行こうか? を、数時間ネットとにらめっこして悩んでいました。(勿論、欠航が決まった訳ではないので、予約はできずに空室確認だけでしたが…)
昼に続いて侘しい夕食を取り、アルコールが結構回ったため割と早く眠りに着きました。

 

9日目:8月10日(木)

 

相変わらずの雨音で目覚めます。TVをつけると佐賀や長崎あたりの台風情報をやっていて、どうやら台風は我々のところからは過ぎ去ってくれたようです。でもTVでは盛んに台風の爪痕の洪水や川が溢れているニュースをやっており、我々のいる出水市が大丈夫かどうかの情報はありません。レストランがないこのホテルなので、朝ごはんは近くのファミレスかマックにでも行こうと思っていたのですが、街の状況が判らないのに車で出掛けるのは危険… と、朝早い出発を断念して、唯一食べられるものはフロントで売ってるカップラーメンだけなので、3食連続の侘しい朝食。
朝食後、だんだん周囲の状況も判ってきて、どうやらここ出水市の辺りは大きな被害はなさそうなことが判ります。レストランのあるホテル最上階にも上がってみますが、周囲を眺めても特に問題はなさそうで、近くを流れる川も溢れてはいないようです。問題の甑島行きのフェリーですが、甑島発の朝一便は欠航が決まっていますが、串木野から甑島に行くフェリーは「検討中」とのこと。まだ雨は降っていますが、午後には止む予報なので、最終便を予約している我々はとりあえず運航することを信じることにします。
丁度24時間滞在したこのホテルをやっと脱出して、雨中ですが出水市の観光をスタートしますが、やっぱり路面はどこも相当水浸しで、注意して走っても大量の水を跳ね上げてしまいます。
最初の見どころは出水麓武家屋敷群。でもまだ雨は激しいので武家屋敷群を散策する気にはなれずに、武家屋敷のことを展示している出水麓歴史館で雨宿り。

武家屋敷群のジオラマ

台風直後のこんな雨の中なので当然観光客は皆無で、暇を持て余していた学芸員の方はとっても丁寧に武家屋敷の説明をしてくれたので、満足でした。

西郷と大久保って最後は仲たがいしたのでは?

この後プランでは薩摩川内市方面(の武家屋敷群)に行くつもりでしたが、1つでも多くの離島に足跡を残したい我々は、昨日行けなかった長島に向かいます。離島と言っても九州本土から長島には橋が掛かっていて、ここも潮の流れによっては渦潮が見えるらしいのですが、今日の我々は雨中をただ淡々とドライブ。

ここで渦潮が見える時もあるのだそうです。

プランでは昨日の午後に数時間掛けて長島をほぼ一周する予定でしたが、今日は時間もないので少しだけ長島の海岸線をドライブして、少しだけ写真を撮ります。

前の日に見て回る予定だった「長島八景」。

この日のランチは串木野市までドライブして、「マグロラーメン」をいただきました。

串木野市には何店舗かあった「まぐろラーメン」

マグロラーメン

海鮮好きの妻はマグロラーメンに満足したようですが、福岡以来ギトギトしたとんこつラーメンに飢えていた私は、マグロの誘惑を断ち切って鹿児島のとんこつラーメンをいただきます。

でも、私はこってりなとんこつラーメン

やっぱり、九州ラーメンは美味かぁ~!

午後の串木野市の観光は空振りばかり。中国風の庭園に行ってみても入口や駐車場がどこにあるのかが判らず、正直そう魅力的にも見えなかったので結局車を停めず。じゃぁ焼酎蔵でも見てみようと行けば何故か定休日。(定休日なのか台風で臨時休業なのかは不明ですが…)

でも、モタモタしているうちに雨は止み、フェリーもどうやら運航するようなので、フェリーの受付時間も近づいて来たので早めに串木野港へ向かいます。
車輌の乗船予約は2ヶ月前から済ませていたのですが、甑島行きのフェリーが何日か欠航している状況ですから、港は大混雑だろうなぁ~… と覚悟して向かいましたが、然程でもなく、フェリーターミナルの中で甑島の情報収集をしていたところ、「島内遊覧船は運休中」との残念な貼り紙を発見。明日の観光のメインと考えていたのでショックではありましたが、予定通り甑島に行けるだけでも良しとしなければいけませんね。

甑島からのフェリー到着!

混雑の船は定刻通り串木野港を出航。台風の影響で船酔いも覚悟してトラベルミンを飲んで乗船しましたが、意外と揺れず快適な船旅でした。

私が甑島を知って&憧れたのは大学生の頃。当時居候していた岩手県野田村のYH(ユースホステル)のペアレントで「ネコさん」と呼ばれて親しまれていた私が大好きな人がいました。ある日、「どうして、ネコさんって呼ばれているんですか?」と聞いてみたところ、「貧乏な旅人をしていた頃に甑島に長逗留して、貧乏の極みだったので、魚のアラとか猫しか食べないようなものばかり毎日食べていたので、いつの間にかみんなから「ネコさん」と呼ばれるようになった。甑、懐かしいなぁ~、良かったよぉ~!」という話を聞いて、甑に猛烈に憧れてから、今回の初訪問まで何と43年の歳月を要してしまいましたが、いよいよ上甑島の里港に到着です

里港到着は夕方。港目の前のホテルが今宵の宿です。

ホテルエリアワン。この写真は翌朝の写真です。

チェックインするフロント隣の売店には甑島の焼酎の試飲コーナーがあり、もうこの日は運転しないので予想以上に美味しい芋焼酎を2杯もいただき、すっかり浮かれた気分に。
部屋もオーシャンビューでいい感じです。

我々はこのホテルを数ヶ月前に2食付で予約していたのですが、その後2食付のプランが表示されなくなり、ほぼ同じ値段で1泊朝食のプランのみの表示となっていたので、「こりゃ、ひょっとしたら貧弱な晩飯なのかなぁ?」と、ちょっとビビりながら指定された食事場所に向かうと、大きな宴会場のようなホールで、我々夫婦の他には1人旅らしき男性のみ… 料理は心配したような貧弱なものではありませんでしたが、部屋が巨大過ぎて何となく落ち着かない淋しい夕食でした。
こんなことなら、近くの居酒屋を予約しておけば良かった!
でも、甑島産の芋焼酎はみんな美味で、呑み友達である友人への土産はこれで決まりました!

 

10日目:8月11日(金)

 

甑島には2泊ですが、明日の朝の便で甑島を離れるので、観光は実質この日だけ。ホテルで朝食を食べてすぐに8時半にオープンするフェリーターミナル内にある観光案内所に行き、甑島の情報収集。一昨日の台風による通行止めがかなりあり、今日は行けない観光スポットもいくつかあるようですが、しっかりとそれらの情報を仕入れてから、観光をスタート。
最初の見どころは里地区の武家屋敷群。出水でも薩摩川内でも見られると思っていた武家屋敷が見られなかったので、ようやく見られた江戸の風情を残す風景が見られて満足。

続いては甑島独特の地形が眺められる長目の浜展望所。

近くの田之尻展望所も絶景で、時間が許せば何時間でも見ていたい景色。

天気も良くてサイコーです!

甑島と呼んでいますが実は列島で、いくつかの島が橋で繋がれているのです。我々が上陸して今までずっと観光していたのは上甑島で、甑島の名前の由来となった甑大明神のすぐ横に甑大明神橋があります。

その先には中甑島への鹿の子大橋があり、こちらもいい眺め。

ここで一旦上甑島に戻り、朝訪ねた観光協会直営のお土産屋さん行き、甑島の焼酎を友人へ送ります。今朝色々と教えてくれた方が、発送まで対応してくれました。本当なら焼酎蔵に行って焼酎を買いたかったのですが、今日は祝日で恐らく酒蔵はお休み。お目当ての焼酎蔵はここから一番遠い下甑島の最南端にあるので、もし休みだったら…と考えて、ここで仕入たのです。

この日の昼食場所には、2ヶ月前にネットで予約申し込みをしたところ「満員」で返事が来て大いに焦ったのですが、「でも、30分後の12時半なら何とかなるかも」と言われたので、12時半で予約をしたお店。

食堂に入ると確かに団体が食べた後がまだ片付けられずに残っており、「満員」が頷ける状況。このお店は海鮮BBQなどがウリのようなのですが、我々のお目当ては「あふれる海鮮丼」。さすがに漁師直営のお店で、とびきり新鮮な地元の海鮮はメチャ美味でした!

ここで上甑島に別れを告げ、再び甑大明神橋~鹿の子大橋を通って最大の島である下甑島を目指します。今回の甑島のメインというか今回の九州旅行の最大のメインと考えていたのが、中甑島と下甑島を結ぶ2年前に開通した甑大橋!

この橋の途中には車を停車させられるスペースがあり、最高の眺め!

下甑島に入って、甑大橋の全景が見られる鳥ノ巣山展望所へ。

この旅イチの絶景!

天気も良く最高の眺め。来年の年賀状の写真が決まりました!

下甑島は最大の島だけあって結構ドライブし甲斐があります。おまけに上甑島に比べて道が狭く、朝聞いた「一昨日の台風で行けないらしい」展望台等もあるようです。
とりあえず下甑島の中心街まで行き、次に向かったのは「瀬尾観音三滝」。ここは滝が3つあるらしく、下から上に上がって観光をするようなのですが、私の足では一番下の滝までが精一杯。まだ道もぬかるんでいるので、無理しないことにします。

下甑島最南端には手打麓の武家屋敷があります。中心街にある下甑島の焼酎蔵吉永酒造にナビをセットして向かいますが、祝日で閉まっているという情報だった吉永酒造、何と開いています!もう焼酎は発送した後なのですが、とっても美味しい焼酎「甑州」に敬意を表して追加でもう少し自分の分を仕入れます。

吉永酒造 営業中!

手打麓の武家屋敷の駐車場は「スーパーの駐車場に停めればいい」と言われていましたが、大きくないスーパーの駐車場はずっと満車で、しばらく待っていても一向に空きません。仕方がないのでゆっくり武家屋敷通りをドライブすることで武家屋敷を満喫しました。(従って、写真はありません。)

武家屋敷通りを抜けると、森進一の「おふくろさん」の歌碑があります。「そういえば、森進一って鹿児島出身だったよなぁ。甑島なのかな?」と思っていたら、森進一ではなく彼のお母さんが甑島出身なのだそうです。

「おふくろさん」の歌碑はピッタリですね!

2泊目の宿は下甑島の長浜港に近い旅館。明日の朝のフェリーで甑島を離れるので近い宿にしたのですが、値段の割にいささか残念な宿。明日の朝、2便しかないフェリーで長浜港を出るのに、「7:45発のフェリーに乗る我々の朝食を準備できない…」と言われたことはちょっと理解できません。離島で、港に近い宿なのに… です。
夕食もグレードアップした割には鮮度・サービスを含めイマイチ… って感じ。甑島、もっと観光的に盛り上げるためには、受け入れる島の観光施設のホスピタリティを上げる努力が必要に感じました。

とはいえ、43年越しの念願であった甑島に来れたことは、本当に嬉しかった!
この日も一緒に旅してくれたであろう天国にいるネコさんと、地元吉永酒造の美味しい焼酎「甑州」を酌み交わしながら、憧れだった甑島のことをあれこれ話しました。

2023年九州ドライブ紀行<その2:福岡、佐賀+ちょっとだけ長崎>

4日目:8月5日(土)

 

この日はいよいよ九州上陸の日。でも、我々がいるのはまだ鳥取県なので、終日高速道路を走る長~い1日になります。
高級宿なのに私が嫌いなビュフェの朝食でしたが、我慢してお腹いっぱい食べてから出発。早速自動車専用道路に乗り、あっという間に島根県に突入。その後も有料区間と無料区間を何度も行き来して、片側一車線で前の車が遅いと本当にイライラするドライブを2時間強繰り返して、ようやく中国地区の大動脈である中国自動車道に入ります。時刻は間もなくお昼。今日のランチは中国道インターから近い広島のお好み焼きに目星をつけていました。山間部とは言えここも紛うことなく広島県ですから、お好み焼きがまずいことは絶対に無い筈です! 確かに、食べログの評価ではそれなりにハイレベルで、久々の本場のお好み焼きを楽しみにしていたのですが、まずいことにお昼の時間になっても、全くお腹が空かないのです! 朝を食べ過ぎて、その後はひたすらドライブしていたので、お腹が空くわけありませんよね!?
過去の経験からお好み焼きは意外と胃もたれするし、今晩は九州の初日かつ最大のグルメ夕食を楽しむ日なので、胃もたれして九州に上陸するのは絶対に避けなければいけないということで、結果途中のインターで降りることはせず昼食も抜くことに。午後にはおやつ代わりにアイスを食べて、空腹を凌ぎます。
お昼の時間も休まずに走り続けたため、予定より1時間以上早く2時過ぎには関門大橋を渡り九州に無事上陸。今日の宿小倉の東横インにはチェックインできる3時ギリギリに到着。
今日の東横イン、随分前に予約していたにもかかわらずツインが満室で、予約は2018年のねぶたの日の青森以来の「シングル×2部屋」で、当然現地でもツインに変更する要望は叶わずです。この日が小倉ではお祭りなのだそうで、どうやらこれが混雑の原因。
妻は一人の部屋で絵葉書を書くというので、妻をホテルに残して私は一人で周辺の観光に出掛けます。私一人の観光といえば… 勿論、鉄ちゃんつまり電車に乗りに行く!です。
東横インから数分歩くと、博多に次ぐ巨大ターミナルの小倉駅

小倉駅

小倉駅からは行きたいところが2つあったのですが、早く着いたお陰でどうやらこの3時間でどちらも行けそうなので、鉄ちゃん的にはとてもエキサイティング。
最初は憧れの終着駅門司港駅を目指すべくホームに降ります。すぐに博多方面から特急列車が来て、ここ小倉駅で進行方向を逆にして大分方面に向けて走り出します。そういえば子供時代に鉄道雑誌でこの小倉駅の方向転換の記事を読んで、猛烈に憧れていた事を突然思い出しました。

憧れの終着駅門司港駅。ここには2015年に門司港レトロの観光で車で来たのですが、残念ながら主役の門司港駅は全面改装工事中でした。なのでホームにも行かなかったのですが、遂に何度も写真などで見た憧れの行き止まりのホームとご対面です。

憧れだった門司港駅

無人のホームでゆっくり写真でも撮ろうとしましたが、同じようにホームが無人になるのを待っているプロらしきカメラマンとモデルの邪魔になりそうなので、諦めて改札を出て、前回工事中だった憧れの駅の外観とご対面。

この駅舎、8年前は工事中でした!

雰囲気のあるコンコースも満喫して、小倉駅に戻ります。

2つ目は北九州モノレールの乗車。鉄ちゃん的というよりは、北九州市内に来るのは実は初めてなのに、今回小倉や北九州の観光をしないということで、せめてモノレールで上から街の風景を眺めたいため、片側約30分の北九州空中散歩。

最初の途中駅で、モノレールがいきなり右側通行になり度肝を抜かれましたが、初めての路線に乗る時の気持ちは本当にワクワク。旦過市場などの観光地の途中下車は、次のお楽しみに取って置きましょう。終着駅企救丘(きくがおか)のそばにはJR日田彦山線の駅もあるようで、これに乗り換えても小倉駅には戻れるようなのですが、間もなくタイムアップなので、改札を出て(料金だけを払って)このままモノレールで小倉に戻ります。

終着駅

でも、帰りは運転席の後に立って、子供時代に帰ったような時間を過ごせました。

今日の夕食は小倉の超高級店を予約していて、この夕食のために広島のお好み焼きを我慢してまでお腹を空かせたのです。名店「お料理佐藤」は小倉の駅前にあり、東横インから徒歩3分程度。

このお店、完全予約制でメニューがなく、コース料理は@25,000円のコースのみ。我々は7時の予約だったので7時前に店に向かうと、カウンターには6時予約の先客3組が美味しそうな松茸と伊勢海老を満面の笑みで食べています。毎日メニューは変わるもののメニューは全員同じ筈なので、このメニュー、我々も間もなく頂けそうです。
さて、そのメニューですが、本当に凄かった!! 萩産の生うにから始まり、すっぽん、松茸、伊勢海老etc… 兎に角出てくるメニューが全て高級食材で、その全てがみんな旨いのなんの…

生うに

8月前半なのに… 香り高い松茸!

イセエビ!

最後に、個人毎に炊いてくれた炊き立てのご飯をじゃこご飯にしていただきます。本当にこれも絶品で、それまであれだけの食事を食べたのについついお替りしてしまいました!

このご飯が… 旨いのなんの!

食事だけで25,000円とは我々貧乏人にはちょっと度胸が必要な金額で、予約をするのに「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで予約したのですが、結果は大正解! 次にまた小倉に来た時には絶対また来たいと思わせるお店で、早速いろいろな人に宣伝しまくってしまいました!

 

5日目:8月6日(日)

 

この日は午前中の福岡県の宗像市の観光だけで、午後は3カ月前にも行った福岡市内の友人宅に行く予定。この日のお昼にはまたも贅沢なランチを予定しているので、東横インの無料朝食はごく軽めに済ませ、車で宗像に向かいます。
でも、我々のこの頃最大の心配事は、迷走台風6号。沖縄あたりでウロウロしていたこの大型台風ですが、ようやく進路が定まってきてどうやら明後日9日頃に我々のいる九州を直撃の模様になってきました。我々の8日の宿は雲仙の高級宿。翌9日には雲仙(長崎県)~天草(熊本県)~長島(鹿児島県)とフェリーを乗り継いで鹿児島県の出水市まで行くルートを組んでいたのですが、9日に台風が来るのではフェリーの乗り継ぎなんて絶望的。

当初、我々が計画していたフェリー乗り継ぎルート

勿論雲仙から陸路で鹿児島の出水まで行けないことはないけれど、佐賀までぐるっと戻らなくてはいけないし、高速が止まったら果たして何時間かかることやら… 熟考の結果、雲仙の高級宿を諦める決断をして宗像の最初の観光スポットの駐車場で、高級宿に泣く泣くキャンセルの電話を。本来ならもうキャンセル料の期間に入っているので、やや不本意な交渉のやり取りがあったものの、台風事由で何とか免除していただけました。
でも、この高級宿には本当に泊まりたかった! 実は2000年頃に一度泊まったことのある宿で、あの時は仕事だったので高級宿を十分に楽しめなかったので、今度こそ満喫したかったのにぃ~!
宿との電話のやり取りで、最後に「今度は、必ず行きます!」と申し上げたことを、宿は社交辞令と受け取ったのでしょうが、本音なのです! いつか、必ず!

 

宗像市といえば、先日世界遺産に登録された沖ノ島。でも一般人は沖ノ島には行けないので、姉妹神社がある宗像大社辺津宮がこの日の観光のメイン。でも、近くにある「海の道むなかた館」のHP に「最初にここに来てから、宗像大社に行く方がいい」と書いてあったので、素直に信じて最初に開館直後の誰もいない施設に入場。学芸員の方が早速案内してくれます。「宗像大社辺津宮に行く前に来た。」と言ったら、訝しげに「何で?」と聞くので、「だって最初にこっち来いってHPに書いてあるじゃん!」との言葉がどうやら信じられない様子。でも世界遺産と宗像がよく分かるビデオや宝物館のお宝のエピソードなど興味深い説明をたくさん聞くことが出来て満足。もっとも、この段階では高級宿とキャンセル料の折り合いがついておらず、何度も宿からの電話で説明を中断させられましたが…

そして、満を持して宗像大社辺津宮へ。

海の道むなかた館で事前にいろんな話を聞いていたので、とっても興味深い訪問になりました。

事前のレクチャーの影響と、例によって無茶苦茶暑いので涼みに行こうと、入るつもりのなかった宝物館にも入場。レプリカで説明された本物を見ると、やはり趣がありますね。

でも、いつか世界遺産沖ノ島には行ってみたいものです!


宗像に来たもう一つの目的はあなご。宗像は海産物特にあなごが名物で、この時期には「むなかたあなごちゃん祭り」というイベントを各レストランでやっているとのこと。中でも「アナゴの刺身」には興味津津。あなご好きな私ですが、あなごの刺身は食べたことがなく、「絶対食べたい!」とさまざまリサーチして刺身が食べられる地元の寿司屋を予約しています。

お店に入ると、奥の部屋に案内され、予約した@4000円のコースが始まります。

アナゴの刺身です。でも、一度は食べる価値あり!

あなご好きな私なので、どれを食べてもとっても美味しかったのですが… 一番楽しみにしていたアナゴの刺身はと言えば… やはりあなごは無理して刺身で食べなくてもいいかな…?? というのが偽らざる結論。でも、全体的には大満足で、「宗像に来て本当に良かった!」と思えたランチタイムでした。

その後、九州最大級と言われる宗像の道の駅で今晩の友人宅で食べる弁当などを仕入れます。前回は友人夫妻行きつけの高級料亭でご馳走になったのですが、現在奥さまが腰を手術して入院中とのこと。友人は目の病気があり奥さまがいないと何もできないので、今晩は我々が夕食を買って行く段取りにしていたのです。宗像なのでしっかりアナゴの刺身も買い、我々は食べませんが友人に振る舞うつもりです。
福岡市郊外のビジネスホテルに車を停め、タクシーで友人宅まで。友人の一人暮らしは大変なのでしょうが、日に3回ヘルパーさんが来てくれているのだそうです。4月に行ったばかりで数か月ぶりの再訪ですが、10年以上仲良くさせていただいた友人との昔話は尽きることがなく、宗像で買ったお弁当を楽しくいただきました。
でも、ここでの問題は帰りのタクシー。友人曰く、「このあたりのタクシー、呼んでもなかなか来ないので、予約しておいたほうが安心。」とのことなので、友人に聞いたタクシー会社+行きに乗ったタクシーの電話番号に何度か電話しても出ず。30分以上トライしてやっとつながっても「無理ですねぇ~!」と、つれない返事。まぁ何とかなるだろうと高を括って話に夢中になっていましたが、友人は我々の帰りを結構心配してくれて、気が気じゃなさそう。そういえば少し前に念のためスマホにインストールしておいたタクシーアプリ「GO」の存在を思い出し、試しに初めて使ってみたところ、瞬時に「あと5分で来ます!」。 本当はあと1時間位は話していたかったのですが、こうなると仕方がありません。すぐにお別れの挨拶をして、急ぎ配車場所に行くと、我々とタクシーがドンピシャのタイミングで到着!
今回はちょっと早すぎたけど、タクシーGO 大ファンになりました!

 

6日目:8月7日(月)

 

この日は佐賀に行く予定ですが、その前にもう一つだけ福岡の観光を。目指したのは島ではなく、海の中道で繋がっている志賀島。福岡市内の人たちには、この志賀島とすぐ近くの島である能古島には馴染みがあるようで、私も小さい頃に両親に連れられて来たことがあるらしいのですが、豪華な舟盛りが小5の私には感動的に美味しかった能古島の記憶は鮮明なのですが、反対に志賀島の記憶は全くありません。写真で見る海の中道はもっと両サイドが海の絶景が続くと勝手に思い込んでいたのですが、実際の両サイドが海の区間はあっという間で、車も停められないので写真もありません。
最初の見どころは金印公園。あの有名な金印が見つかった場所ですが、少し高台にあるので、昇った先には福岡市内や能古島の絶景が見られました。

勿論レプリカですが、金印も展示されていました。

志賀島を突端まで走り、次は潮見公園展望台。

これで今回の福岡県の観光を終えて次は佐賀県呼子に向かいます。でも前回(2015年)は呼子に宿泊してから唐津や虹の松原を観光して福岡に向かった、つまり今回の逆コースをしっかり観光した(記事はこちら)ので、今回は呼子までの観光地はスルー。「じゃぁ、呼子も行かなくてもいいじゃん!」と思われそうですが、食いしん坊の我々はやっぱり「呼子イカ」が食べたかったのです! 呼子にはイカを食べられる有名店や海中を見ながら食べられるというレストランもあるのですが、我々としては行列するのが嫌なので、「呼子イカ」が食べられるのならば有名店じゃなくても… とばかりにいくつかあるお店の中から予約のできる店をチョイス。

でも、流石は呼子イカ。とっても美味でした。

呼子イカ

午後には佐賀を走り、前回も行った「浜野浦の棚田」

初めて行く「いろは島展望台」も楽しみます。

絶景ですね! いる場所は佐賀県ですが、見えているのは長崎県です。

今日の宿泊は、佐賀県の憧れの温泉「嬉野温泉」。嬉野温泉には高級旅館がたくさんあり選ぶのに結構迷いましたが、宿そのものはともかく宿泊プランをちょっとケチったばかりに、イマイチの滞在に。
夕食は「焼肉プラン」だったので、シェフが焼いてくれる”高級焼肉”を期待していたのですが、旅館の食事というより中央にロースターがある焼肉屋さんでの食事のようでした。

また、お風呂もそんなに大きくなくお湯もかなりぬるめで、少し残念な嬉野温泉有名旅館の宿泊でした。

 

7日目:8月8日(火)

 

この日ですが、私の不手際というかチョンボにより、近くの長崎県波佐見町に行かなければいけない用事が出来て、その波佐見町で少し滞在をしなくてはいけない事態になりました。詳細は省きますが、数時間時間が出来たので、その間にコインランドリーで溜まっていた洗濯を済ませたりの雑事を片付けます。
波佐見町長崎県ですが、隣町佐賀県の有田同様焼き物が有名で、時間と余裕があれば波佐見焼の工房などの見どころもいくつかあるようですが、事情によりあまり余裕のなかった我々はそのような観光地にも行かずに、ひたすら用事が終わるのを待っていました。昼食は近所の寿司屋さんに行きます。流石は長崎で、ランチの寿司ランチも寿司+ちゃんぽん。「流石は長崎県!」という感じでちゃんぽんも寿司もとっても美味でしたよ!

流石長崎のランチ 両方とも美味しかった!

雲仙の宿泊を諦めたので、今回の旅では長崎県には行かないと思っていたのですが、意外にもちょっとだけ長崎県に立ち寄れて名物ちゃんぽんも食べられたので、とりあえず満足です。

雲仙の高級温泉旅館の宿泊を諦めたので、この日の宿泊は台風でも対応できるように熊本や翌日の宿泊地である鹿児島の出水市にも出やすい佐賀のホテルにしました。高級旅館をキャンセルしたので予算にやや余裕が出来たのでホテルはニューオータニを奮発。(でも、地方のニューオータニなので紀尾井町ほど高くはありません。)この日は台風の前日なのにまだ雨は降リ始めていなかったので、1つだけ佐賀市内を観光。訪ねた場所は「佐賀バルーンミュージアム。」
本番の「佐賀バルーンフェスティバル」にはいつかは行ってみたいものです。

ニューオータニ佐賀

この日の夕食はまだ雨は降っていないものの、外に出るのも面倒になり、ニューオータニ内の中華レストランにて。東京より安い値段に安心して結構あれこれと頼んでしまった結果、結構な金額になってしまいました。

頼みすぎたことをやや後悔していると、「宿泊者割引」が適用されることを知り、嬉しい気分で床に就きました。


明日はいよいよ鹿児島県。今回の旅行のメイン甑島と、その前に大型台風が待ち構えています!

 

2023年九州ドライブ紀行<その1:九州までの長い道のり>

今年の夏は。ゴールデンウイークに引き続いて九州へ行きました。4月下旬に納車された新車ですが、特に遠出する予定もなかったので3ヶ月以上経過しても初回以外はまだ1回もガソリンを給油していない状態で、走行距離はまだ500キロに届いていません。これでは運転に慣れるどころか、新車の能力を十分に発揮させられるとも言えないため、今回の旅はとにかく長い距離を運転して車に慣れることをメインテーマとしようと、前回(2015年)は往復とも利用した長距離フェリーの利用を避け、全行程新愛車でドライブすることにしました。その結果、昨年の北海道旅行の時は総運転キロ数は3600 キロでしたが、今回の総運転キロ数は4370キロを超え、紛れもなく人生最長のドライブになったのです!
昨年の北海道旅行は欲張って20日間の旅行プランを組んでしまったため、帰宅後に腰痛に襲われた苦い経験があったので、今回休暇は昨年同様20連休が取れたのですが、全部を旅行に使うことはせずに旅行は18日間だけとして、最後の2日間は完全休養に充てることにしました。それでもやっぱり18日間運転するのは本当に疲れました。今回初めて「もっと短くても良かったかな?」と感じた瞬間が何度かありました。
今回、長距離フェリーを使わないことを決めたのですが、そうするとやっぱり九州はとっても遠い! なので直行は避けて、行き帰り共に本州内で日本2周目でまだ塗りつぶせていないいくつかの県を訪ねる寄り道プランを組みました。そのお陰で日本2周目の地図は関東以南は沖縄と四国以外はほぼ塗りつぶすことができたのです。
ということで、これからはいつも通りに冗長で退屈な旅行紀をダラダラと綴ることにします!

 

1日目:8月2日(水)

 

前日までに次回出勤する8月22日までにやらなければいけない仕事を何とか済ませて、この日の朝6時から待ちに待った大旅行のスタートです。正月の時のような愛車のトラブルもなく、順調に圏央道に乗ろうとした正にその時、妻が慌てて「携帯がない!」。流石に18日間の旅に携帯がないのはとても辛いので、躊躇なく片道20分以上を要して自宅に戻り、無事に携帯を持って出掛けることができたのです。本当にインターの直前で気付き、高速入口の前にUターンする場所があるのは知っていたのですが、ここでUターンしたのは人生初めての経験。
約50分のタイムロスでしたが、今回の我々の気持ちは前向き。「これが高速に乗った後だったり、中央道に乗った後だったら、果たして引き返しただろうか? 大いに悩むところだよね? 本当にラッキー!」二人共、落ち込むことなど全くなく、逆にテンションが上がるという少し変わったスタート。とは言え、朝の50分のロスは大きいはずで、予定の昼ごはんが食べられないかも?と危惧したので、自動運転を少し早めの105キロにセットして予定通り中央道を快走。今日の最初の目的地である滋賀県の長浜までは、新東名経由の方が中央道経由よりやや早いようなのですが、今回九州までの行きと帰りの道は基本的に違う道にしたいと考えたため、行きは躊躇なく中央道をチョイスしました。中央道、予想以上に渋滞もなく快適で、朝の50分の遅れを30分近く縮めて長浜インターに到着、長浜市内の駐車場にやや苦労したものの、12時半には目指す食事処へ。予想通りの行列はあったものの、少し待って無事に席を確保することができ、バリアフリーには大いに課題がある古民家のお店でしたが、何とかかんとか私でも入ることができました。

鯖そうめんの名店「翼果楼」 ( よかろう )

今日のランチは”鯖街道”名物の鯖そうめん。加えて食いしん坊の我々は鯖寿司を少しだけ追加したのですが、我々のオーダーが通った直後に、「今日、鯖寿司 売り切れね!」。我々は本当にラッキー!

すぐ出てきた鯖そうめんも鯖寿司も予想以上に美味。初日としては◎のランチ。

鯖寿司は妻とシェア

昼食後、黒壁スクエアを始めとした長浜市内を散策。

黒壁スクエアは本来はショッピングが楽しい場所なのでしょうが、元々ショッピングにはあまり興味がない我々で、今日が18日間の旅の初日なのですから、いくら良いものがあってもショッピングに目が行く筈はありません。しかもこの日水曜日はこのあたり定休日が結構多く、狙いをつけていた甘味処も残念ながらお休み。
散歩していてもとにかく暑いので、もう一つの目的地だった長浜市曳山博物館に涼みに入ります。同時に入場したもう1組の夫婦と4人に「説明します」と、学芸員の方が我々にずっとついて回ってくれ、想定していた時間よりかなり長い間詳細に説明してくれました。

ここ長浜で初めて城持ちになった豊臣秀吉に対する地元の人の愛着がとてもよく分かる丁寧な説明でした。長浜まつりにもいつかは行ってみたいものですね。


その後近くのカフェで休憩。妻はアイスコーヒーですが、ガンガン効いた冷房であっという間に冷えた私は、抹茶とお菓子をいただきます。

普段は絶対頼まないメニューも旅行中にはつい頼んでしまいます

こんなところも旅の楽しみ。
先程の曳山博物館で長浜の人の太閤愛を散々聞いたので、「太閤さんに会える神社」というキャッチフレーズにつられて、豊国神社へ。今回の旅の安全をいつも通り僅かなお賽銭で図々しく祈願。

この後、本当は賤ヶ岳に行きたかったのです。丁度大河ドラマでもお市さんの最後をやっていたし、賤ヶ岳の上から琵琶湖を眺めて柴田勝家の気分に浸りたいと思っていたのです。ところが出発間際の最終チェックで賤ヶ岳リフトの手すりが右側に付いていることがわかり、右手麻痺の私には乗れそうもないと判断、泣く泣く賤ヶ岳を諦め、車で行ける琵琶湖の展望スポットに行き先変更。柴田勝家の気分は味わえませんでしたが、琵琶湖の大きさを実感できてとりあえず満足。

この日の最後の観光は有名なメタセコイア並木。

近所の駐車場に車を停めて有名な並木をパチパチ。

メタセコイア並木は季節ごとに違った魅力があるとのことなので、次回は冬に来てみたいなぁ~!

今宵の宿はメタセコイアそばのペンション。ペンションのオーナーは元ホテルマンで、私がいっとき頻繁に宿泊していた大阪ロイヤルホテル(現、リーガロイヤル)にいたということで、懐かしの大阪ロイヤルホテル話で盛り上がり、楽しい一夜でした。

 

2日目;8月3日(木)

 

今日は琵琶湖の周辺から京都に行くという、おおよそ九州旅行の1日とは思えないような日程です。
午前中は昨日に引き続いて琵琶湖北・西岸の観光。まずは琵琶湖の中に鳥居がある白鬚神社の湖中大鳥居へ。

神社と鳥居の間には交通量のメチャ多い道路があり、横断禁止にもかかわらず多くの旅行者が横断している模様なので、対策として神社側に展望台があります。当然我々も道路は渡らず展望台からの眺望で満足。

続いてのビュースポットは箱館山展望台。冬はスキー場のようですが、夏はロープウェーとリフトで琵琶湖の絶景が眺められるとのこと。一番上まで行き、そこには展望ベンチや展望ブランコもあるのですが、肝心な琵琶湖のビューは湖が遠すぎて&デカすぎて写真としてはイマイチ。

琵琶湖は遠くに見えるのですが…

でも、「琵琶湖の巨大さを実感する」という目的は前日に続いて再びクリアです。

 

琵琶湖畔を出て、この日のメインの目的地京都の美山に向かいます。京都と言っても市内の神社仏閣でもなく、2015年に訪ねた”海の京都”伊根でもありません。京都府内に残るかやぶきの里が美山で、京都からも舞鶴からもそれなりに遠い田舎なのです。琵琶湖の畔から京都美山までナビをセットして走ると、ナビは日本海方面を目指し、福井県小浜市に突入します。間違いなくこの道が美山への最短ルートなのですが、九州旅行なのに今福井県を走っていることが何とも不思議で愉快なひととき。福井県小浜市といえば2015年に訪れて感動した三方五湖のすぐ近く。「こんなことなら、三方五湖もプランに入れておけば良かった!」などと妄想をしながら走ると徐々にかやぶきの家が増えてきて、かやぶきの里美山に到着。
美山でのランチは鮎とかも美味らしいのでいくつかブックマークしておいたのですが、あんまり考えるのも面倒になり、結局美山の駐車場そばのそば屋へ。

蕎麦屋「きたむら」

あまり期待していなかった故なのか、かなり美味しいお店でした。妻は天ざる、私は親子丼を食べたのですが、かなりのハイレベルなお店で大満足でした。

卵が特に美味しかった親子丼

美山の観光には地元のガイドさんを事前予約していました。予約の時間は2時なのですが、我々が昼食を食べ終えたのは1時20分頃。ダメ元で早くスタート出来ないか聞いてみたところ、ガイドさんに連絡を取ってくれて、阪神タイガースの帽子をかぶった元気なおじいさんガイドが颯爽と登場。

古民家が残るかやぶきの里美山。岐阜の白川郷や福島の大内宿などとの根本的な違いは、ここには里内に観光施設の民宿やお土産店は殆どなく、皆普通に生活している場所なのだとか。なので歩いていてもガイドさんはしょっちゅう知り合いと挨拶&世間話を交わしています。本当に生活感に溢れた素敵な観光地で、1時間のガイドツアーは本当にあっという間でした。

美山に満足して今宵の宿がある福知山まで1時間半のドライブ。ホテルに行く前にちょっとだけ明智光秀の福知山城にご挨拶。ところが、福知山城に行く坂道はかなり急で、見た瞬間城に行きたいという我々のモチベーションを早々に奪って行くので、下からお城を眺めて光秀を偲ぶことにします。

光秀はここで何を考えていたのでしょう?

福知山駅前のビジネスホテルに宿を取り、今日の夕食は駅前の餃子の王将

駅前にあるSL。後ろに見えるのが我々が宿泊したホテル

ここ福知山も京都府、我々に馴染みのある餃子の王将といえば「京都王将」なので、本場京都に敬意を表しての訪問です。とは言え、やっぱり餃子の王将は地元だから特別な訳ではなく、いつも通りの餃子の王将でした!

 

3日目:8月4日(金)

 

この日もまだまだ本州。この日のメインイベントは、 日本2周目でまだ塗りつぶせていない鳥取県を塗りつぶすために鳥取県内の温泉に泊まること。
福知山から鳥取までは国道9号線で一本。朝から約2時間の快適なドライブを鳥取砂丘まで。2度目の鳥取砂丘の妻の目的は前回ラクダの体調不良で乗れなかったラクダに乗ること。前回同様、ラクダがウリのお土産屋さん「らくだ屋」に車を停め、今回こそラクダに乗れるか聞いてみたところ、もうラクダも年なのか「ラクダにも”働き方改革”が必要なので、今はやっていない。」との残念な回答。

仕方がないのでとりあえず鳥取砂丘の端に立ってみます。

前回は足が砂まみれになるのを覚悟の上で砂丘をズボズボかなり歩いたのですが、この日の鳥取砂丘は酷暑!まだ10時頃だというのに、35℃は超えていそうで正直砂丘を歩きたくない気温。「まるで、ゴビ砂漠みたいだ!」と呟きますが、勿論ゴビ砂漠になんて行ったことはありません。
ということで砂丘を眺めるだけで砂丘内を歩く観光を諦め、涼しいビジターセンターに逃げ込みます。涼しいところで鳥取砂丘の映像を大画面で見て、満足することにします。
鳥取砂丘には、もう一つメインイベントがありました。それは予約しないと食べられない海鮮丼。当然我々は1ヶ月前から電話予約していて、車をらくだ屋さんに停めたまま歩いてそのお店に向かいます。

鳥取砂丘の名店「鯛喜」

我々の予約は11時半ですが、やや早く着いたので全部の席が埋まっていて、満席のお客は皆満足げに海鮮丼を食べています。11時半前にようやく席が空き、早速海鮮丼と岩牡蠣をオーダー。

ビジュアルもいいが兎に角旨かった!

岩ガキも美味しかった!

その後前回も楽しんだ「鳥取砂丘 砂の美術館」へ。ここは一定期間ごとに展示が変わるので、2回目でも初めての感動が味わえます。2015年は確かヨーロッパの街並みだった記憶があったのですが、今回はエジプトでしたので、超新鮮。

ラクダには乗れなかったけれど、鳥取砂丘に来た目的は十分に果たせたようです。

鳥取県の2つ目の目的は「すなば珈琲」。その存在とシャレの効いたネーミングを知ってから、美味しいと言われるコーヒーを飲みにいつかは行きたいと熱望していたお店です。本来なら鳥取駅前の旗艦店に行くべきなのでしょうが、今回は道の駅にもここのお店があるということで、前回も立ち寄った因幡の白うさぎで有名な白兎海岸の道の駅へ。ここのすなば珈琲は、期待したようなお洒落なお店ではありませんでしたが、白兎海岸を見ながら美味しいコーヒーが飲めたので、ここでも目標達成です。

白兎海岸を眺めながらの優雅なコーヒータイム

この日の泊まりは山陰の名湯皆生温泉鳥取県内の温泉に泊まることをテーマに三朝温泉やはわい(羽合)温泉を含めてさまざまリサーチをしていて、ここ皆生温泉の游月という宿も有力候補として考えていた時に、同じく元プロの友人がFacebook にこの宿の宿泊を投稿していたので、本音を聞いてみたところ「本当に良かったよ」ということなので、三朝やはわいの誘惑を断ち切って、この旅では3番目の高級宿になりやや予算オーバーになりますが、ここに泊まる決断をしたのです。
この皆生游月、かなり満足しました。日本海との一体感が味わえるインフィニティ天空露天風呂も良かったし、料理もかなりハイレベル。

バルコニーには温泉露天風呂もあって、朝日の中日本海を見ながら朝風呂も楽しめたのです!

潮騒を聞きながら温泉に入る… 最高でした!

九州に入る前なのにこの旅でベスト3に入る高級旅館でしたが、本当に満足しました。

そして明日はいよいよ九州に上陸です!

五島列島巡礼の旅<最終回:上五島~長崎>

5日目:5月3日(水)

 

いよいよ今日から五島列島上五島エリアを訪ねます。キリスト教徒も福江島などの下五島より上五島の方がかなり多いらしく、教会の数もかなり違うようなので、いよいよ巡礼の旅は本番。とはいえ、昨日までは絶好の好天だったのに、今日からは天気は下り坂。今日は何とか雨には降られない予報ですが、明日は残念ながらしっかり雨が降るのだとか。あんまり激しい雨が降らないで何とか無事に観光ができることを祈るばかりです。
ホテルに頼んで朝ごはんを6時半からいただきます。五島のお茶漬けも楽しめました。このカンパーナホテル、さすがに天皇陛下上皇)が泊まっただけあり、ホテル全体的にはまぁまぁの印象。

でも、GWからなのか観光地物価故なのか、五島のホテルはどこも異常に高い印象。

7時20分に予約していたタクシーが来て、再びすぐ近くのフェリーターミナルへ。今日も昨日奈留島まで乗ったフェリーオーシャンに乗り、奈留島を超えて上五島若松島若松港まで2時間強のクルージング。奈留島までは昨日と同じ航路なので、景色も見ずにひたすら休養。奈留島の港はたった昨日来たばかりなのに、何やら懐かしささえ感じてしまいます。
ここから若松島までは初めての景色なので、食い入るように周囲を眺めます。若松島に近づくと、キリシタン迫害の舞台となった『キリシタン洞窟』の近くを通るかも… と思い遠くの海岸線をひたすら眺めますが、元々「この船から見える」という確証もなく、この洞窟には専用のクルーズで行かなければならず、専用のクルーズで行ったとしても私の足では上陸すら難しい難易度の高い観光地なので、キリシタン洞窟の見学は早々に諦めた筈だったのに… 何ともウジウジして未練がましい奴!

この近くのどっかに、「キリシタン洞窟」がある… 筈!?

若松島中通島を結ぶ若松大橋をくぐると、いよいよ若松島に到着。

いよいよ上五島

ここ上五島でも我々の足は観光タクシーです。実は2か月以上前に、上五島で一番大きそうなタクシー会社に貸切タクシーの予約を申し込んだところ、2か月以上も前なのに「その日は満員」と言われて、一瞬途方に暮れたものです。公共交通機関が少ない上五島ですから、タクシーが取れないと五島行きそのものが暗礁に乗り上げそうな状況なので、取り敢えず他のタクシー会社に片っ端から当たるしかないと、意を決してまず最初にここ若松島がベースの若松タクシーに電話して、「5月3日・4日の貸切タクシーを」と言い出した途端、「おたく、〇〇さん?」と、いきなり私の名前を呼ばれて、大いに焦ります。「何で、私の名前を知ってるの?」と聞いてみると、「さっき、△△タクシーから電話が来て、この日ウチで受けられないからおたくで1台用意できない? と言われて、1台確保したところでした。」と言われて、あっさり予約が出来てしまうという、最初から上五島が大好きになりそうなサプライズを経ての若松タクシーとの出会いです。その後のやり取りでも若松タクシーの印象はすこぶる良く、期待度がMAX になっての若松島到着で、期待した通りの親切そうな運転手さんともミート出来てすこぶるいい気分だったのですが、車を見て一瞬で失望します。というのが、タクシーが私が大の苦手にしているプリウスだったのです。

プリウスは後部のドアがとても狭いので、右足に装具を着けている私は、乗り降りの度に装具が引っかかり、ドアを閉められるまでに他の車種の倍以上の労力と時間が掛かるので大嫌いなのです。普段、観光タクシーを予約する際にはいつも「プリウス以外の車種でお願いします!」とお願いして予約するのですが、あの時は「緊急事態 ⇒ 一転、予約完了!」の状況だったので、どうやら「プリウス以外で!」というお願いを、し忘れたのかもしれませんね。
とはいえ、プリウスに乗るのは時間が掛かるだけで、乗れない訳ではないので、気を取り直して観光に出発。今回も2日間同じ運転手さんとのことですが、今回はちゃんと事前の打ち合わせがあります。それによると、今日は若松島の見どころと教会を巡った後、中通島若松島に近いエリアを観光します。
最初に若松島最大の見どころである龍観山展望所へ。道がかなり狭いのにすれ違う車は皆レンタカーなので、運転に慣れていないのかすれ違いにかなり時間が掛かります。でも、着いた展望台からの景色は、絶景かなぁ~!

凄い景色でした!

次は上五島最初の教会めぐり、土井の浦教会と有福教会。

土井の浦教会

有福教会 上五島の教会は、大半は扉が開かれていて歓迎されている印象!

今日のお昼は、若松港ターミナルの食堂の海鮮丼が美味しいと聞いていたので、そこに行きたいとお願いしたところ、「実は、GWで混みそうなのでお店を予約しています。予約しているお店は、まさしくそのお店です!」とのことなので、嬉々としてそのお店に向かいます。ところが、お店に入って席に座った早々、「今日はGWなので、混雑のためメニューは刺身定食と五島うどんだけになります。」と高らかに宣言されてしまいます。因みに、その時間は5月3日の12時過ぎですが、その時点でお店にいるお客は、私と妻のたった2人だけでしたが…
「えー、ここの海鮮丼を食べに遠く埼玉県から来たのにぃ~!」と、少し大仰に残念がってみところ、店主らしきお店の方は少し考えて、「わかりました。少し時間が掛かっても良ければ、海鮮丼作りましょう!」  と言っていただき、初志貫徹で海鮮丼を注文。ところが、その後徐々にお客さんは増えて来て、皆さん素直に刺身定食か五島うどんを頼んでいるので、何となくバツが悪くなり、そんな時に「お待たせしました!海鮮丼です!」なんて大きな声で威勢よく丼が運ばれて来たので、周囲のお客さんからジロジロ睨まれる始末!

何となく食べた気がしませんでした。

天気予報通り、だんだん雲は低くなって、今にも雨が降り出しそうな天気に。でも、我々は貪欲に若松島観光を楽しみ、行きに船でくぐった若松大橋を超えていよいよ中通島へ。いくつもの教会を巡り、ようやく巡礼の旅らしくなってきました。

長崎から直通の高速船があり、あこうの大木でも有名な奈良尾も観光。

鄙びた繁華街(?)が何となくノスタルジックでした。

私は、教会よりもこういう何気ない風景が大好きです。

何となく、いいなぁ~

その後も覚えきれないほどのたくさんの教会に参拝し、最後に海の向こうに石油備蓄基地(?)が見えた頃からいよいよ本格的に雨が降り出します。

ということでここいらでこの日の観光を切り上げて今宵の宿へ向かいます。

ところが、この日の宿はかって類を見ないほど最悪の対応でした。2食付きで2人で5万円以上も払ったのに… 部屋はともかくオペレーションがグタグタ。前払いなのに何度確認しても契約時の料金が出てきません。普通、契約料金より高い金額を言ってくることが多いのですが、このホテルから「払え!」と言われた金額は、契約した料金の半額以下! 真面目な私は、旅行業法に則ってきちんと説明しますが、何度言ってもわからないので、余程言われた額を払おうかとも思ったのですが… 20分以上私がフロントの担当者に丁寧に説明するなんて… 全くあり得ない!
部屋はごく普通のホテルのツインルームでしたが、夕食がまたガッカリ「GOTO料理」などと表現されてはいましたが、要はごく普通のイタリアン。五島らしき食材も何もなく、不味くはなかったけど「五島最後の夕食が、これ…?」と、淋しい夕食でした。

おまけにホテルとレストランの経営が全く別らしく、何の連携もない上に飲み物代の部屋付も出来ずに財布を取りに部屋まで戻る始末!
このホテル、本当に最低です。ホテル名を書く気もしませんが、もし五島への旅を計画している人がいたらこんな宿には泊まって欲しくはないので、コメントいただければホテル名をお伝えします。


6日目:5月4日(木)

 

昨夜は早く寝たこともあり、3時頃には激しい雨音で目が覚めてしまいます。もう眠れそうにもないので、スマホをあれこれいじっていたのですが、益々激しくなる雨音が私の不安を徐々に増殖させます。不安とは「この雨で、帰りの高速船、欠航にならないよね?」。我々は今日の最終便の長崎行き高速船を予約しているのですが、「万一、高速船が欠航になったらどうしよう?」と、考え始めるとますます眠れなくなります。眠れないのでスマホであれこれ情報収集すると、どうやら高速船はフェリーに比べると欠航率が高く、風が10メートルを超えると欠航になることが多いのだそうです。そこまで確認した上で信頼している天気予報ウェザーニュース五島列島の今日の天気を見ると、今日は終日雨ですがその中でも雨風は夕方にかけて強くなり、夕方の風が10メートルを超える予報です。万一、五島に足止めされると、GWの今日はホテルもなさそうだし、ましてやこのホテルになんか絶対に泊まりたくありません。万一を考えると高速船の予約を早めることも検討してネットで予約状況を確認したところ、1本前の2時の高速船に残席があることを確認し、悶々として朝を迎えます。
朝ごはんも異常にチャチ。この内容なら、ルートインの無料朝食の方が全然ましです。本当にこのホテルを選んだことを、昨日から何度目かの心からの激しい後悔。
昨日の運転手さんは予定通り9時に来てくれます。運転手さんは同じ人ですが、嬉しいことに今日の車はプリウスではありません。どうやら昨日の私の悪戦苦闘ぶりを見て、車を入れ替えてくれたようです。感謝!
現地のことに詳しい運転手さんに帰りの高速船のことを相談してみます。勿論、絶対ということはないのですが、やはり現地に詳しい運転手さんの意見も聞いてみたかったので、結論は出さずにいたのです。さまざま話し合った結果、やはり万一の欠航が怖いので、1本前の高速船に変更するという決断をして、スマホからネット予約を変更します。
そうなると今日の観光ルートも大幅に見直す必要があります。今日のメインは予約が必要な世界遺産である頭ヶ島天主堂で、私は2ヶ月前から本日の14時半に予約を入れていたのですが、この時間では高速船には間に合いません。ところが運転手さんが電話して、「今から行っていい?」と聞くとあっさりOKになるのです。(私の2ヶ月前からの予約は、一体何だったのでしょうか?)
五島列島で3つ目に訪ねた世界遺産である頭ヶ島天主堂は、やはり奈留島久賀島世界遺産と比べると格段に観光化されています。

世界遺産 頭ケ島天主堂

妻はお祈りの後にはキリシタンの友人へのお土産を買うのに夢中。そういえば今までの教会でお土産を売っているところは皆無だったので、信者仲間にお土産をたくさん買いたかった妻は大いに焦っていたのでしょうね。
その後も教会めぐりが続きます。上五島の教会は本当にたくさんあるようですが、数多くの教会建築を手掛けた名人鉄川 与助さんの作による教会を中心に巡りました。

この2日間で、普段欠乏気味の妻のキリシタン情熱は十分にチャージできたでしょう。

長崎だからでしょうが、ここにも坂本龍馬の足跡があります。弘法大師ほどではないにせよ、坂本龍馬、たった31年の生涯でこれだけあちこちに足跡があるのは、本当に凄い!

さて、五島最後の食事ですが、やはり「最後は、美味しい五島うどんが食べたい!」。運転手さんにお願いして運転手さんお気に入りのお店のいくつかにご案内いただきますが、さすがにGW、人気店はどこも行列が激しく小さなお店で食べるのは難しそうです。仕方がないので行列覚悟で五島にしては大型店である「五島うどんの里」の中にある食堂の行列に並びます。長い行列ではありましたが、流石に回転も良く、20分ほどで案内され、待望の上五島名物”地獄炊きうどん"をオーダー。五島うどんらしい細いうどんを釜揚げうどんのようにいただくのですが、生卵にタレを絡めて食べる味はサイコー!

地獄炊きうどん もしかしたらこの旅で一番旨い食事だったかも…?

流石に日本三大うどんだけはあります!群馬の方には申し訳ありませんが、私は五島うどんに一票! 一昨日福江島から土産を送った娘の家でも早速五島うどんを食べて、「あのうどん、超美味かった。」と、お土産でも喜んで貰えたようです。
船の時間まで、最後の時間はショッピング。一昨日、福江島では娘一家の分しか買えなかったので、ここ五島うどんの里で友人宛と明後日博多で会う従兄弟にお土産を送ります。信じられないことに、2日後の夕方に会った従兄弟の家には、その日の午前中には宅配便は着いていたそうです。離島感、あんまりないですね!?
有川港まで送っていただき、楽しかった2日間のタクシー観光も無事終了です。天候事由とはいえ、私の勝手で当日帰りの時間を急に2時間早めたのに、貸切料金を再計算してくれて、2時間分割り引いてくれました。本当に若松タクシー、最高でした!
船の待合室には上五島の教会の地図が飾られていました。たっぷり見たつもりでしたが、まだたくさん見ていない教会が残っています。上五島にはもう一度来たいですね。

次は、全教会制覇が目標??

高速船は座席指定。窓際の席を確保できましたが、大雨の高速船では眺望は楽しめません。1時間半で高速船は無事に長崎に着き、タクシーにてホテルへ。

今宵は長崎の中華街にて行列覚悟で晩御飯を食べるつもりで、中華街に近いホテルを予約していたのですが、この雨では中華街に並ぶ気力も失せてしまいます。兎に角何か食べられればいいということでホテル内のファミレスで簡単に済ませることに。でも何となく名物と言われるものは食べたいため、何となく「長崎名物じゃないかな?」と勝手に考えているアジフライを。

関アジと同じ海に泳ぐアジだから美味しいのでは…

少なくとも関東で食べるアジフライよりは、格段に美味でした。

 

7日目:5月5日(金)

 

GWの旅もあと2日ですが、明日は朝の便で帰るだけなので、今日が実質の最終日。ということで、朝ホテルからスーツケースを送って身軽になって、(実質)最終日の観光がスタート。

今日の長崎市内で見たいところは2つ。1つは五島で世界遺産の教会に3つ行けたので、もう1つ世界遺産になったことに敬意を表して、長崎を代表する大浦天主堂へ。長崎の足はいつも通り路面電車。ホテル目の前の電停から大混雑の路面電車に乗ります。

大浦天主堂には、2012年に長崎に来た時にも訪問しています(投稿はコチラ)が、当時は有名とはいえまだ世界遺産ではなかったので、世界遺産としての大浦天主堂には初訪問です。

相変わらず階段は急ですが、何とか参拝を済ませます。

これで今回の旅の巡礼部分は全て終了です。信者ではないし信者になろうとも思わないけれど、カトリックの神髄に少し触れられたような荘厳で厳粛な楽しい旅でした。

もう一つの見どころは「軍艦島デジタルミュージアム」。軍艦島にはいつかは行きたいとは思っていたけれど、足場も悪いし老朽化も進んでいつまで行けるのか不透明なので、本物の軍艦島に行くことはほぼ諦めていますので、デジタルの世界で軍艦島を体験できるという施設が出来たということで、せめてここには行きたいと思っていたところ。軍艦島デジタルミュージアム大浦天主堂からは徒歩数分のビルの中にあります。

中はデジタルにふさわしく大画面などで軍艦島の昔を知ることが出来、少しだけですが行ったような気になりました。呼び物の一つにVRバーチャルリアリティー 大きなメガネをかけて3Dの世界を体験できる)での軍艦島体験ツアーがあったのですが、肝心なVRが何故かピンボケしていて、十分な迫力が感じられなかったことが残念でした。長崎市内にはまた来ることもあるでしょうから、次回はもう一度ピントの合ったVRを見てみたいと思いました。

長崎市内の観光をこの2つで切り上げ長崎駅に向かいますが、タクシーが全く捕まらずに仕方なく路面電車に乗車。ただ、路面電車でも長崎駅には途中で乗り換えなければならないのですが、乗換駅の行列が凄まじい! さすがは5月5日です! 乗り換えなので次の路面電車には無料で乗れるのですが、少なくとも2本ぐらいは待たないと乗れそうもないので、諦めて今度はすぐつかまったタクシーで駅を目指します。

時間はまだ11時過ぎですが、朝食抜きの我々は空腹。長崎駅アミュプラザ長崎長崎街道かもめ市場)で混む前にお昼を食べようと向かいます。ちゃんぽん・皿うどんの店に行こうと思ったけれども、ちゃんぽん・皿うどんのお店だけは11時なのにもう行列が出来ています。すぐ横の他のお店には全く行列はないので、ちゃんぽんは埼玉でもリンガーハットで食べられるので諦めて、まだお客が誰もいない海鮮丼のお店へ。

でも、不人気店というわけではなく、我々が出る11時半頃には、このお店にも行列が出来ていました!

その後は、最後のお土産タイムです。鉄道好きの孫には、西九州新幹線「かもめ」のグッズを仕入れ、今晩会う従兄と私用には吞兵衛の大好物である長崎名物の「からすみ」などを買い、お土産ノルマも無事に完了。

そして、次はいよいよ「西九州新幹線かもめ」の初乗車。少し早めにホームに上がり到着するかもめを待ちます。

かもめ到着後は、鉄ちゃんらしくホームを端まで歩いて列車をくまなく見学。

当然ですが、かもめは満席。西九州新幹線の暫定終着駅武雄温泉駅まではたった30分。最近の他の新幹線と同じようにすぐトンネルに入るので、車窓は楽しめずに「乗車体験」にだけ満足したたった30分。

武雄温泉駅では同じホームで在来線特急の「リレーかもめ」に乗り換え。たった3分の乗り換え時間ですが、満席だと結構ギリギリになります。

佐賀にも下車して「降りたことがない唯一の県庁所在地」を塗りつぶしたいところでしたが、それは次回に回して今回は終点の博多駅を目指します。

博多駅到着後、駅の目の前にある行きにも2泊したルートインに再びチェックイン。ホテル内の説明をしようとするスタッフに、「先週も泊まりました。」と、常連のふりをします。

夕食はこれも6年振りの従兄と、博多では有名な料亭「稚加栄」へ。この「稚加栄」、私も名前だけは聞いたことはありましたが、勿論初訪問です。

すぐ目の前に関あじが泳いでいる水槽があったので、ついつい「関さば」も探してしまいますが、あの大きなサバが泳ぐ水槽が店内にある筈はありません。

いただいたメニューは偶然に福岡到着日に居酒屋で食べたメニューと同じ。

イカの生き造り と

ゴマサバ でした。

やはり、居酒屋よりレベルが1つ違いましたね。

従兄と別れ、タクシーでルートインに戻りますが、私には最後に一つ心残りがありました。それは、「福岡に来たのにラーメンを食べていいない!」こと。料亭でご馳走をいただきながら最後に〆の食事などを頼まずにいたのも、やはり「どうしてもラーメンが食べたい」ため。ついては、ホテル前で妻と別れ、博多駅2階にある「博多めん街道」に向かいます。時間は21時前ですがさすがは5月5日、まだ全てのお店に行列があります。元々、ここという店も決めていなかった私なので、とりあえず行列の少なそうな「純とんこつ味」のお店に並びます。

やはり、博多ラーメン、「うまかぁ~!」

流石に替え玉を頼むことはしませんでしたが、最後の晩を満喫しました。

 

8日目:5月6日(土)

 

今日は8時20分の便で帰る日です。今日もルートインの無料朝食を食べずに空港に向かい、空港内のたくさんの美味しそうなお店もまだ開店前なのでごく普通のモーニングで朝食を済ませ、満席のJALで帰路に着きました。羽田からはまっすぐ埼玉まで…

本当に充実した楽しい8日間でした!

 

これで今回の旅行記を終わります。

お陰様でこの旅行の直前に新車も無事に納車されましたので、次回の旅は新愛車の初ロングドライブとして、8月に実施します。

今度の旅行も、何とまた九州に行きます!「1年間に2度も九州に行くなんて...」と言われそうですが、今度は長距離フェリーを使わずに全行程車で行き、九州全県に足跡を残すつもりです。

 

 

五島列島巡礼の旅<その2:下五島の教会めぐり>

先日初罹患したコロナですが、少し熱が出た日曜日以外は無症状のまま完治しました。結局、翌週の50年振りの小学校同窓会に出られなかったことだけが、最大の無念でした。「次回は、また50年後!」とのことですが、どうなることやら…

 

3日目:5月1日(月)

 

いよいよ五島列島の旅が始まる日。五島列島下五島エリアの中心地である福江島空港へのフライトは朝の9時半ですが、ホテルの朝食を権利放棄して7時半には地下鉄で福岡空港ヘ向かいます。今日はGWの中の平日なので、普段の通勤客とGWなので飛行機を利用しそうな旅行者が混在しているのか地下鉄は結構なラッシュ。我慢の2駅を何とか耐えて、スーツケースと共に空港ヘ。空港では真っ先にANAのカウンターでスーツケースを預けて、まずは身軽に。
福岡空港での朝ごはんは、念願の福岡うどん。最近、福岡のうどんがよくメディアに取り上げられているのですが、実は私の福岡の辞書に「うどん」の文字はなく、福岡のうどんが名物という認識は全くなかったので、何度も福岡に来ているのに、食べた記憶がないのです。ということで、今回1度はうどんを食べようと考えていたのですが、福岡のうどんの有名店はどこもチェーン店のようなので、検討の結果空港にあるうどん店をチョイス。お店は我々の乗る飛行機のゲートの真反対なので、トボトボと朝のお散歩。まだあまり混んでいないお店で、無事にごぼ天うどんを頂きました。

念願の初ごぼ天うどん!

初めての福岡うどん… 確かに麺はやわく独特の感じで、この初体験には満足ですが、本当に美味しいものが多い福岡ですから、うどんはもうこの1回だけでいいでしょう。

福江島までの飛行機はプロペラ機なのでボーディングブリッジは使えずにバスでの移動です。ローカル航空会社「オリエンタルエアブリッジ」という会社の運航ですが、ANAとの共同運航と聞いていたので、我々はANAから予約。どんな飛行機かと楽しみにしていたら、機体も何故かANAでした。

でも、機内アナウンスでは「オリエンタルエアブリッジANAJALの共同運航便です。」とのこと。しまった、JALから取っておけばマイルが貯まったのに…

今日は絶好の好天。

プロペラ機なので海が近くに見えて島影もはっきり見えるのですが、五島列島の島の形をあまりよく覚えていないので、どこを飛んでいるかはいささか不確かですが、外をずっと熱心に眺めていた楽しい45分のフライト終え、無事に福江島空港着。

福江島空港、到着!

小さいプロペラ機には不釣り合いな大きな荷物を持って、予約をしていたタクシーとミートして、いよいよ今日から明日午前中までの福江島タクシー観光のスタート。運ちゃんは黙々とハンドルを握ります。どこに行くとも何も言わないので、初めての我々はいささか戸惑い気味。仕方なくGoogleの地図を見ながら何となく島の南西部に向かっていることを認識している始末。
福江島2日間のこのタクシーの運転手さんは残念ながらハズレ。観光に来た我々を楽しませようとするホスピタリティなんてさらさらなさそうです。「明日は変わってくれないかなぁ~!」と期待を持って聞いてみますが、翌日も同じ運ちゃんなのだそうです。
今回のタクシー観光は、「教会めぐりと島内観光」を事前にオーダーしていましたが、乗車時からろくな打ち合わせもなく、最初に「着きました」と言って降ろされたのは大寳寺というお寺。もう全身が巡礼モードになっていたカトリック信者の妻はいささか拍子抜けしたようですが、神も仏もない罰当たりな私は、観光地として楽しむことにします。

それにしても、日本各地を訪ねていると本当にどこにでもその足跡がある空海弘法大師は本当に凄い! ここ福江島には遣唐使で唐に渡る最後の地としてここで風待をしたそうなのですが… 電車も車も無かった時代にあちこちに足跡を残した弘法大師、本当に我々国内旅行専門の者としては、凄い先達で正にスーパースターですね!

次はようやく教会。ルルドの泉がある井持浦教会が福江島最初の見どころ。

ルルドといえば南フランスの街。世界三大奇跡の地として、カトリックでは有名な地で、私も行ったことはありませんが、昔ルルドを訪ねるツアーを何回か取り扱った記憶はあります。

ルルド… 奇跡の水

到着後すぐに今日のお昼を運ちゃんに申し出ていて、「海鮮系のお店が希望!」と言っていたのですが、「福江島の郊外には食事出来るところが少なく、店も決めてあります。」なんだそうです。「まだお昼にはちょっと早いけど、混む前にお昼に行きましょう。」と言って案内されたのは、旅行前にもYou Tube でも見ていた私が昼食候補の一つにしていたレストラン。

名物のうつぼ料理は… 食べ損ねました!

大海老フライが名物とYou Tubeでも紹介されていたお店なので、海老好きの妻は勿論大海老フライで、私は”長崎県に来た”ということに敬意を評してちゃんぽんを。

レストランから見える海がとても綺麗でした。

午後最初の見どころは、福江島最大の見どころと言っていい大瀬埼灯台

最近はこの灯台まで片道1時間近く掛けて歩く人が多いのだそうです。確かに遊歩道入口付近にはたくさんのレンタカーが停まっていましたが、我々にはとても歩けないので、上から見るだけで満足します。

次は五島列島でもとびきり海がキレイな高浜海水浴場。確かに、素晴らしい眺め。

ちょっと上から見ても抜群のビュースポットですね。

タクシーは福江島の上(北)の方に。私が遣唐使に興味を示したので、遣唐使のことが書いてあるからと、道の駅へ。遣唐使の辛く厳しい航海が少しは偲ばれる展示でした。その後、近くのカトリック三井楽教会にも行ってみます。

壁画が有名なのだそうですが、玄関は閉まっていました。

でも、何となく福江島の教会はどこも門を閉ざしており、わざわざ埼玉から巡礼に来た妻にも、あまり暖かくない感じ。後から訪ねた上五島の教会がどこも開いていたことを考えると、福江島キリスト教会の印象は、全体的にあまり良くはありません。

その後、空海が唐への思いを強くした辞本涯の碑を見学。これだけあちこちに空海の足跡があると、やっぱり妙な親近感がありますね。

続いてカトリック水の浦教会。

それにしても福江島は想像以上に大きな島ですね!? 地図ではすぐ近くのように見えるところでもなかなか着かないところも多く、かなり意外な感じでした。

その後、北部の海岸線がきれいな魚津ヶ崎にも立ち寄ります。

田舎の小さな集会所のような宮原カトリック教会にも立ち寄り

福江島の教会めぐりのメインイベントは堂崎天主堂。

写真で見た通りの佇まいに妻は興味津々です。

でも、靴を脱ぐのに座る椅子もないので、私は入館を断念。周囲のモニュメントなどをゆっくりと見学。

福江の市内に入ると、「多分ここも開いてないと思うけど…」と言って案内されたのが五島列島最大の教会である福江教会。

信者なのにまるで拒絶されたようになっている妻が少し可哀想でした。
今日の宿カンパーナホテルで本日の観光は終了。福江島では夕食を食べる場所が少ないと散々ネットの口コミに脅されたので、今日と明日の夕食は福江島有数の海鮮処2か所を1ヶ月以上前に予約しています。今日予約の居酒屋”奴”はホテルからトボトボ歩いて私の足で約10分。

コミ通り抜群に旨い新鮮な魚をたらふく頂きます。

そして、今日のメインは予約時から電話でオーダーしていた「ハコフグの味噌焼き(かっとっぽ)」。あまりに美味しそうだったので、写真を撮るのも忘れて思わず食いついてしまいました。

写真を撮るのも忘れて食いついてしまうくらい美味!

ここ奴の料理、どれもとても美味しくて我々の理性を奪うのか、毎回写真を忘れて食いついてしまいます。何とも恥ずかしい食いしん坊老人の所業ですね!
でも、この夕食であんまり良くなかった福江島の印象が、ややポイントを挽回しました。

 

4日目:5月2日(火)

 

今日も昨日に続いて福江島に連泊、午前中はあの愛想のないタクシーで引き続き福江島を観光し、午後はこの旅のメインイベントの一つである奈留島久賀島の2つの世界遺産の教会を訪ねます。

タクシーの運ちゃんは予定通り8時半にはホテルに迎えに来ます。今日は、タクシー観光を11時半で切り上げるため、通常9時スタートのタクシー観光を8時半スタートに変更。今日は福江島中心付近の観光ということで、最初に訪ねたのは明星院というお寺。

ここは天井絵が有名とのことですが、私は靴を脱いでの観光が厳しいので、妻だけ中に入って天井絵を見学。出てきた妻曰く「見られたけど、『開館は9時から!』だと言われて怒られました。」とのこと。やっぱりタクシー観光は9時スタートにすべきでしたね。

ここにも、弘法大師が…

次は鬼岳展望台。

元気な人はずっと上まで登れるのでしょうが、足が悪い私はそれでもある程度の眺めが得られるところまでは頑張って上がり、写真をパチリ。

本当ならいくら何でももう少し上まで行きたいところですが、3時間の時間制限もあるし、ここは我慢。
その後、新しくできたらしい五島の資料館のようなところへ行きます。福江島の紹介をする大画面ビデオなどをゆっくりと見学。結構ためになったけれど、でもこれらの施設、福江島到着初日に見たかったなぁ~!
(スミマセン。施設の名前と写真を失念しました!)
その後、武家屋敷通りなどを車窓から見学して、次に向かった日本で最も新しいお城(ペリ-の黒船が来た後に、国防のために慌てて作ったお城なのだとか)の中にある五島観光歴史資料館。ここにもいくつか大画面映像もあり、おまけにキリスト教関連の展示がとても豊富です。キリスト教関連の展示を時間を忘れてかなりゆっくり見学してしまったため、気づいたらもう観光終了の11:30が近づいています。慌ててタクシーに戻って今日のタクシー観光のゴールである福江島フェリーターミナルへ。
次に参加するツアーは、12時40分にここ福江島フェリーターミナルに集合なので、「11:30にここでタクシー観光を終わらせて、すぐにフェリーターミナル2階にある五島うどんのお店でランチを食べてから、余った時間でたくさんありそうなお土産屋さんで娘や友人に土産を送る。」というのが、練りに練った今日お昼のプラン。予定通り11:30にタクシーを降りてフェリーターミナルの2階に上がりましたが、目指すお店は何と「定休日」。慌てて観光協会で近くの食事場所の情報を仕入れ、ターミナルから徒歩5分程度で行ける五島うどんも食べられる「うま亭」という定食屋さんへ。

我々が出る時には、行列が出来ていました。

取り敢えず「日本三大うどんの一つ」と言われる念願の五島うどんは食べられたのですが、正直味はよくわかりませんでした。「日本三大うどん」とは、讃岐うどん稲庭うどんは確定として、もう1つは「五島うどん」とも群馬の「水沢うどん」とも言われます。果たして、どうなのでしょうか?

とりあえずお昼は何とか食べられたので、再びフェリーターミナルに戻って僅かな残り時間でまずは娘一家へのお土産を送ります。

12時40分から参加するツアーは、「五島列島キリシタン物語(奈留島久賀島編)」。世界遺産の教会がある奈留島久賀島、隣の島なのにこの2島の間を結ぶ航路がなく、個人手配ではこの2島を巡る日程は作れそうになかったので、計画の初期段階からこのツアーに参加する前提で今回の旅のプランニングを始めたのですが、このツアーの催行日が中々決まらず、おまけに第一希望だった4月30日と5月1日が利用する船のドック入りでこのツアーの催行がないということで、五島列島への旅なのにいきなり福岡に2泊するという変則日程になったのも、全てはこのツアーに日程を合わせたためなのです。
おまけにこのツアー、途中かなり長く歩く場所があり、募集要項には「団体行動ができない人は参加できません。」との但し書きがあります。障がい者の私でも行けるかどうか主催する五島市観光協会に何度か電話して聞いてみましたが、ポイントは2つあるようで
1.奈留島から久賀島まで利用する海上タクシーの乗り降り
2.世界遺産旧五輪教会から駐車場までの約800メートルの上り坂
がポイントのようです。海上タクシーはガイドさんや船の人も手伝ってくれるだろうということで恐らくは大丈夫だろうと思われるとのことのですが、問題は約800メートルの昇り坂。観光協会の人曰く「前日にでも激しい雨が降って道路がグチャグチャになると、危ない。」のだそうですが、こればっかりは運を天に任せるしかありません。幸い、昨日今日といい天気だったので、道路は大丈夫そうです。これも普段の我々の行いのお陰でしょうか? 何度か電話して色々話した人がツアーを受付してくれて、「今日の道は大丈夫そうです。良かったですね。」とのこと。
今日の参加者は8名。現地のジャンボタクシーの定員が9名なので、ガイドさんを入れて満員御礼です。我々を含めた夫婦が3組とオーストラリア人の男性とその通訳ガイドと思しき女性というメンバーを率いるのは、年配の男性のガイドさんです。
まずは1時発の定期船で福江島から奈留島まで約50分の航海。

フェリーオーシャン

実は明日我々はこの船(フェリーオーシャン)に乗って奈留島の先の若松島まで行く予定なので、乗り込んで早々、船の中の下見を。椅子席は3階なのにエレベーターは2階までしかなく、スーツケースを持っての乗船は結構大変そう。
奈留島に着くと、早速ジャンボタクシーがお出迎え。奈留島にはお店も高校もあるので、結構大きな島のようです。
最初の見どころは、奈留島世界遺産ガイダンスセンター。世界遺産に認定されてからできた最新の建物です。世界遺産に関するいくつかの展示を見て、テンションをアゲアゲにします。

今日午前中に見た資料館にもあったのですが、「つい最近まで『隠れキリシタン』が存在していた!」という事実に改めて驚愕させられました。”隠れキリシタンなんて江戸時代のこと”だという認識でしたが、当初、「明治政府もキリシタンを迫害していた」という事実と、「五島崩れ」などのそのむごい実態は五島に来ないとわかりませんでした。改めてその悲惨さにキリシタンならずとも胸が熱くなったのですが、キリスト教が承認された後もキリスト教になじめずに、江戸時代からずっと祖先がひそかに信奉していた「隠れキリシタン」をつい最近まで信奉していた人がいたことが激しい衝撃でした。「私」と「隠れキリシタン」が、同じ時代に存在していたなんて...
昔から知っていたユーミンの「瞳を閉じて」という曲、ここ奈留島の高校の生徒からの「(当時は分校だった)この島の高校の校歌を作って」という求めに応じてユーミンが作った曲なのだそうです。残念ながら校歌とはならなかったのですが、 愛唱歌として今でも奈留島では歌い継がれているのだとか… 私もユーミンに熱中していた1970年代の曲だったので以前から知っていた曲ではありましたが、歌詞の中に奈留島も五島も出てこないので「いい曲だなぁ…」とは思いながらも、その舞台に思いを馳せることもなかったのですが… 久し振りに聞いた曲に感無量になりました。
奈留島でのメインイベントは世界遺産「江上天主堂」。

厳密には教会そのものが世界遺産なのではなく、「教会とその部落」が世界遺産なのだそうです。(久賀島の五輪地区も同様) 教会の中は「写真撮影禁止」が基本ルールなので、原則的に教会の中の写真はありません。
(たまに教会の中の写真があるのは、本来は×なのでしょうが… 申し訳ありません。)

次は海上タクシーにて久賀島までの移動。このツアーの関門その1です。行きは平坦な乗り場だったので、簡単に乗り移ることが出来、乗船中は写真を撮る余裕もあります。

海上タクシーの中

 

久賀島は、すぐ近く!

ところが、この海上タクシー久賀島で降りる時が大問題。手すりのない急階段に乗り移る必要があり、階段側に掴まるところも何もないので、足を滑らせて海に落ちそうな気さえします。正直、かなりの覚悟が必要で、「このまま奈留島に戻ろうか」とも一瞬頭をよぎりましたが、何とか船長さんと他のお客さんにも手伝っていただき、最悪のピンチを何とか切り抜けることが出来ました! 皆さん、本当にありがとうございました!
海上タクシーが着いたところは、世界遺産「旧五輪教会堂」のすぐそば。

今は教会として使われていない旧五輪教会堂なので、ここは内部の写真撮影もOK。

ここには、名曲「恋人よ」で有名な五輪(いつわ)真弓さんのルーツがあるそうです。何故五輪(ごりん)教会なのに”いつわ”さんになのかは謎ですが… そういえば五島には結構有名人のルーツがあるようで、野茂投手のルーツも五島らしく、確かに「野茂」という看板も見ました。
今の五輪教会はすぐ隣にあります。

五輪教会の部落には車も通れずに、ここから800メートル登って駐車場まで行く必要があります。ここが、このツアーの関門その2です。最初は、海沿いの細い道を慎重に歩きます。少しでもよろめいたら海に落ちそうな気さえしますので、写真を撮る余裕など全くありません。昇り坂に入ると、舗装されていない結構急な坂で、本当にこの2日雨が降らなかった幸運に感謝します。手すりもない坂で、ガイドさんは時折立ち止まって何やら説明をしていますが、勿論私にそれらを聞く余裕は全くありません。でも何とかかんとか、関門2も無事に通過して駐車場までたどり着き、予定通り迎えに来ていたミニバスに乗り込めました!
久賀島は結構大きな島ですが、お店が1軒もないという究極の田舎の島。駐車場からの道も滅茶苦茶狭く、対向車が来たら大変そうな細い道がかなり長く続きます。改めて、「マイカーで来なくてよかった!」と実感した瞬間。
次の教会は牢屋の窄殉教記念聖堂。坂を上ったところに後で建てられた記念教会です。

明治時代(!)に囚われた信徒たちを幽閉した場所で、「本当かいな?」という気もしますが、12畳程の狭い牢に、200人程の信者が囚われたそうです。

明治初期ということで、「西郷、何やってんだよ!」と、突っ込みたくなりました。

その後、車窓から浜脇教会も眺めます。

これで久賀島の観光も終了し、小さなフェリーで福江島まで戻ります。

17:30に福江島フェリーターミナルに到着して、五島列島キリシタン物語のツアーも無事終了。スリリングなツアーでしたが、やはりもう少し様々な状況を整備してほしいものです。せめてあの五輪地区の海上タクシーの乗降場と駐車場までの坂と教会付近の海沿いの道をもう少し何とかしてほしい。
五島市長、お願いしますよ!

フェリーターミナルからホテルまでは徒歩で7分程度。荷物がない今日は何とか歩けたけれど、スーツケースを持って歩く明日はかなり辛そうなので、ホテルに着いてすぐにタクシーが少ない福江島のタクシー会社に明日朝のタクシーの予約を試みます。2社にあっさり断られ、3軒目の会社で何とか予約を取ることが出来ました。

2日目の夕食は、福江島で一番メジャーな海鮮料亭「いけす割烹 心誠」。この日は海鮮のコース料理を予約していました。

美味しかったけれど、何となく「旅館の料理」という気もしました。

最後にお寿司も出て、五島の海鮮を満喫できました!

五島列島巡礼の旅<その1:久し振りの福岡>

 

2023年のゴールデンウイークをフルに利用して、五島列島の教会巡りを楽しみました。2017年に離島めぐりがメインの1つである『日本二周目』を始め、その最初の旅で壱岐対馬を訪ねたその帰り道では、「次は、五島列島だぁ~!」などとすぐにでも行きそうな雰囲気だったにもかかわらず、その後は妻の入院手術やコロナなどもあり、何と6年間も空いてしまいました。その間に五島のいくつかの教会が世界遺産に認定され、加えて今年は五島列島が舞台のNHKの朝ドラの人気まで加わり激混みになるのは確実なので、五島列島に行くには最悪のタイミングなのをあえて承知の上で旅行を強行することにしたのです。
今回、五島列島にはマイカーで行く選択肢はありませんでした。九州からのフェリー代は日本で一番というくらい高いようだし、おまけに五島で行きたい島は最低でも5つあり、これを車を積んだフェリーで繋ぐのは結構至難の技なのです。でも公共交通機関が殆んどない五島ですから、レンタカーが運転できない私はタクシー観光に頼るしかありません。結局自分史上最高値のタクシー代を払って4日間もタクシー観光をしてしまいました。
往復の飛行機は貯めに貯めたJALのマイルを使います。日々の買い物を全てJALカードにしているお陰で、本来なら2人でハワイに行けるくらいのマイルは溜まっているのですが、コロナに円高とこのタイミングでは当面ハワイはお預けなので、この溜まったマイルを少しだけ使おうと考えました。
以前ならマイルの特典航空券は全て同じマイル数で2ヶ月前の一斉発売でした。当時はGWの予約なんて本当に神頼みで出発と帰りの日程をズラさなければ予約は絶対に取れなかったのですが、最近では予約はかなり前から取れるのですが、今は路線や便によって必要マイルが変動する仕組み。これにより絶対的人気である行きの4月29日発の便や帰りの5月6日の便も取れるのですが、このあたりの必要マイル数は普段の倍以上! 持っているマイルで払えなくはないけれど、これを使ってしまうと次の旅を諦めなければいけなくなるので、それはあまりに勿体ない! ところが色々と見るうちに、行きの羽田→福岡便は4/29であっても羽田発夕方便ならば普通のマイル数でクラスJに乗れてしまい、帰りの福岡→羽田便は福岡発が朝ならば5/6でも通常のマイル数で予約が取れるのです。往復とも福岡に1泊する必要はありますが、福岡にはこれも6年間とってもご無沙汰している先が2件あるので、この非礼を詫びることもプランに組み込み、7泊8日の日程を組みました。
これから、いつもの通り健忘症と格闘しながら、ダラダラと冗長な旅行記を綴っていきます!

 

1日目:4月29日(土)

 

今日の福岡行きのフライトは羽田発が17時。夕方5時に羽田を出る国内線には乗った記憶が殆どなく、膨大な国内線搭乗のヒストリーは大半が午前中か夜。夕方5時発といえばアメリカ西海岸行きか、昭和の時代なら南回りのヨーロッパ線が確か5時頃の発だったような… 
いずれにせよフライトに合わせてギリギリに家を出るという選択肢は我々夫婦にはなく、都内でランチを食べようと11時半には家を出発。あっ、勿論スーツケースはだいぶ前に博多のホテルに送っているので、我々は小さいリュック一つのいでたちです。GWの宇都宮線グリーン車は久々のほぼ満席。何とか2人分の席はバラバラでも確保できたので、ようやく『通常に戻った!」ことが何より嬉しい1時間でした。
品川でのランチは、妻のリクエストで天ぷら。いくら旅行が始まり気が大きくなっているとはいえ、我々貧乏人は昼からお好みやコースを頼む度胸はありません。ちょっと高いランチを食べて十分に満足します。

品川 天ぷら「つな八」でのランチ

その後品川駅のEcute に戻って福岡で会う人への土産探し。明日会う人は、長年品川駅付近に住んでいた人なので品川らしいお土産を探しますが、勿論そんなものは駅ナカにある筈もありません。
品川から羽田は京急であっという間なのですが、まだ早いのと突然久し振りにモノレールに乗りたくなったため、浜松町駅まで戻り、モノレールで羽田ヘ。久し振りにかっての勤務先『天王洲アイル』駅を見たかったのも本音。
久し振りの羽田空港。まだ時間があったのでクレジットカードのゴールドカードのラウンジに7~8年振りに行ってみたのですが、昔は少しでもあったラウンジの高級感が完全に消え失せていて、今では単なるカフェテリア。おまけにゴールデンウイークなのでラウンジに入るのにも行列。10分待って座れた席は妻とはバラバラ。15年前にはそれなりに希少価値がありステータスがあったゴールドカード。今では庶民の持ち物になってしまいましたね。(勿論、我々夫婦もまごうことなき庶民ですが…)


もう、このラウンジには行きません。

これも6年振りのJAL。最新鋭の機材のようですが、業界を離れてまもなく9年になる私には新しい機材の知識はありません。


JALのクラスJも、導入直後は乗客を名前で呼ぶサービスや希少価値のある京都のお菓子を配るなどの差別化戦略があったものの、今では単に少しだけ広い席というだけ。景色も楽しめずに、偏西風に逆らって飛ぶフライトは2時間強。予定よりやや遅れて豪雨の福岡空港に到着。
6年前、福岡空港はあちこち工事中だったのですが、今はすっかり出来上がってキレイにな空港になっています。
地下鉄でたった2駅の博多駅で地下鉄を降り、宿に向かいます。
今日明日と旅行最終日3泊の宿は博多駅前のルートイン。駅からとにかく近いそのロケーションで選んだホテルですが、いつも泊まるルートインはビジネスにしては少し高いけれど、信頼と安心感がありますね。駅からの行き方を事前調査していたため、豪雨にも殆ど濡れずにホテルに到着。宅急便で送っておいた荷物も無事に受け取り、まずは一安心。

夕食は予約していた隣のビル地下の海鮮居酒屋ヘ。ところが、ビル正面の入口が閉まっていて、ビル横の手すりが途中でなくなっている急な下り階段しかないようです。少し迷ったのですが意を決してゆっくりと降り始めます。上がってきた親切な外国人もヘルプしていただき、何とかお店ヘ。
久し振りの九州での最初の食事は,まずはイカの活き造りから。

次は福岡名物ゴマサバ。ゴマサバを食べるのも6年振り。今回、福岡での夕食では3回ともゴマサバを楽しみました。

そして福岡ではないけれど、九州つながりということで大好物のカラシ蓮根も。

でも、帰りのあの上り階段のことを思うと、酔っ払うわけにはいかずに、お酒も料理も進みません。どっちも中途半端なままお会計をして、念のためエレベーターの存在を聞くと、「ありますよ!」。
エレベーターで1階に上がれば、裏口のホテル目の前の出口に出られたのです!
こんなことなら、もっと博多名物とお酒をガンガン食べ&飲んどくんだった!!

 

2日目:4月30日(日)

 

今日は福岡市内で過ごす1日。福岡では今回の旅の目的が大きく3つあり、内2つが今日のメインイベント。
今朝は訳あって軽い朝食にするため、ホテルでヨーグルトとサラダだけのシンプルな朝食を。ルートインの無料朝食はどこでもそれなりにクオリティがまあまあ高いのですが、食いしん坊の我々は「折角の旅行なのに、ホテルで普通の朝ごはんを食べるなんて勿体ない!」とばかりに、最近はどこでも無料朝食を権利放棄することも多いんです。今回、3泊するルートインの朝ごはんも、結局食べたのはこの日だけでした。
福岡でのメインイベントの1つ目は親父の墓参。およそ50年前に若くして逝った私の親父は、色々あって故郷福岡に先祖共々と眠っていて、親不孝な私はここへの墓参も恥ずかしながら6年振りです。ホテルの目の前にバスセンターがあり、すぐ近くまで行く西鉄バスを調べていたので、迷わずぶらり路線バスの旅。

懐かしい天神や中洲を通り、親父が眠る早良区の飯倉というところヘ。納骨堂の入口が分からなくてやや慌てましたが、親切な近所の人に教えていただき、無事に久し振りに親父と会話ができました。48歳で親父が逝った時、私はまだ15歳の中学3年生。いつのまにか私のほうが10歳以上も年長になってしまいました。
墓参りを終えてもまだ10時前。次は妻のメインイベントで、福岡の超有名うなぎ屋にうなぎを食べにいきます。超有名うなぎ店の「吉塚うなぎ」は10:30のオープン。混むとは聞いていたのですが、「まぁ、いくらGWでも11時までに入れば何とかなるんじゃない?」と、高を括っていたのですが、我々が行く1週間前に友人がその吉塚うなぎでのランチをFacebookに投稿していたので混雑状況を聞いたところ、その友人は9時50分に着いたのにその時点でもう10組目とのこと。我々が行くのがGWなので、「11時では遅いんじゃない?」と、貴重なアドバイスを頂いたので、少し予定を早めてお墓の管理者に迷惑をかけない中では一番早い9時からの墓参りを済ませます。飯倉からは無事にタクシーが捕まりますが、運転手さん曰く「今日の吉塚うなぎ、どれだけ混んでるか、恐ろしいかねぇ~!」
中洲の吉塚うなぎに着いて、すぐに列の最後尾に並んで整理券をget。10:20にチェクインした我々の順番は45組目。予想通りといえば予想通りですが、「予想待ち時間は約1時間」ということなので、思ったより少しは早そうです。でも、お店の周囲には待ち客が溢れていて、椅子に座って待つことなどとても叶いそうにありません。

ここは中洲なので周囲は飲み屋街、喫茶店などが無いことも下調べ済みだったので、”待ち時間1時間”を信じて、私の足では片道約10分は掛かるであろうキャナルシティ博多までお散歩。キャナルシティには喫茶店などもたくさんあるようですが、何故か我々が目指した店はみんなオープン前。仕方なく広場に座ってどうしたものかを悩んでいると、突然スマホが鳴り出し、「間もなくご案内です。お店にお戻り下さい。」とのメッセージが… まだ、30分しか経っていないのに… です。慌ててキャナルシティを出て足早(と言っても10分はかかりますが…)にお店に戻り、「呼ばれたのですが…」と申告したもののまだ呼び出しは30番代で我々の呼び出し順番まではまだ10組は後です。結局、何故あんなに早く呼び出しがあったのかは謎のままでしたが、もう店を出る気もなく、大人しく立って順番待ち。
でも予想よりはやや早く、11時20分過ぎには無事に川沿いの景色の良いテーブル席に案内されます。

リバービューの席からの眺め

待望の福岡ナンバー1のうなぎは… 妻はご満悦だったようですが、私的にはやっぱり関東風のうなぎの方が好みのようです。

午後は今回のメインイベントの2つ目。昔とってもお世話になった業界の大先輩の家を訪ねます。2001年に知り合ってからは、必ず月に1回(以上)は新橋で待ち合わせて飲み歩いていた飲み友達というか飲み大先輩で、その彼が7年前に仕事を引退して故郷の福岡に帰ってからは、こちらも6年振りの再会です。
ご自宅にお邪魔して午後の数時間は思い出話やら近況報告などに花が咲き、そのまま夜まで時を忘れて歓談。福岡の美味しい海鮮料理屋で夕食もすっかりご馳走になり、とっても楽しい数時間でした。結構酔っ払った私をホテルまで送り届けていただき、近いうちの再会を約束して別れました。

ご馳走になった高級割烹

<追記>
ここまで原稿を書いたのが5月13日(土)。前日の金曜日からほんの少しだけ体調に違和感があったので念のため毎土曜日午前中のリハビリを休み、翌14日の日曜日には違和感もなくなったので久しぶりに自宅での昼呑みを楽しんだのですが、日曜夜に熱が38℃まで上昇したので、早めに就寝。熟睡した翌月曜日には熱もすっかり下がり体調もすっかり元に戻ったのですが、万一を考え念のため会社を休み、病院に行く程でもなかったので念のためPCR検査を受けて、静養に努めました。
火曜日、前日来全く熱も下がり違和感もなかったので、普通通り会社に行って仕事をしていたのですが、11時頃に前日受けた会社からPCR検査の結果が来て、その結果はまさかの”陽性”! 慌てて家に帰りましたが、まさかこのタイミングで5類になったばかりのコロナに初罹患です!

人生、初罹患です。

月曜日の朝以降全くの無症状ではあるのですが、「埼玉県コロナ相談センター」にも相談して、当面は休みと在宅勤務でおとなしくすることにしました。
ここにきての初コロナ… 今週の日曜日には楽しみにしていた50年振りの小学校同窓会があるのに、こちらもうつしてはいけないので、念のため欠席という悲劇!
九州&五島への旅行には行けたのは何よりではありましたが、全く何と言うか…!?

 

2023年新春の旅


2023年初めての投稿です。

2022年夏に北海道から帰ってきてからは、自分史上最悪の半年間でした。9月に入って腰の痛みがひどくなり、その痛みが麻痺足ではない左足に来てからは満足に歩けなくなり、徒歩10分の最寄り駅どころか、徒歩数分のマイカーの駐車場に行くのにも何度も休憩しながら15分以上かかるという信じられないほどに体調が悪化しました。足と腰の治療に行った整形外科の医師に、「20日間も北海道に行って、3600キロもドライブした。」と言ったら、「そりゃ、遊びすぎだよぉ~?!」と笑われたこともありました! その時に丁度通院した(12年前に入院していた)リハビリセンターでは、あまりに歩くのが辛いので車いすを借りて診察室に行ったほどです。車いすを使うなんて、2010年10月にリハビリセンターを退院してから12年振りで、我ながらとても悲しくなりました。

仕事も、在宅勤務と有休休暇を使って体調最悪の2週間を何とか乗り切り、その後は最寄り駅まではタクシーで往復、往復の宇都宮線グリーン車を利用するという何とも贅沢な生活をその後約3週間続けました。
10月の中旬以降、何とか駅までは歩けるようになったので往復のグリーン車はそのままで、駅までは徒歩通勤できるようになったのですが、今度はあまりに歩いてなかったからか、どうやら歩き方を忘れてしまったようで、階段で転倒することが2度も起きて、正直歩きというか生活全般に自信を喪失してしまった状況が続いたのです。
とはいえ、このまま老け込むわけにはいきません。毎週土曜日に理学療法士さんに自宅に来ていただいて実施している訪問リハビリにて徐々にリハビリを強化し、気を取り直して少なくとも北海道旅行段階までの状態までには完全復活をすることを目指すことにしました。すでに9月にあった左足の痛みは引いていたのですが、歩き方を忘れてしまったように何となく違和感を拭えないのですが、徐々に元に戻るよう努力を続けていて、2023年に入っても状況は同じです。

旅行についてですが、昨夏北海道から帰ってきてからはいつもの通り「さあ、次の旅へ!」と、8月後半には年末にJALのマイルで宮崎までの特典航空券を早速予約したのですが、足が痛くなった9月後半にはさすがに「こりゃ、無理だなぁ~!」とキャンセル。11月に入ってから、私の勤務先の2023年の勤務開始は1月10日なので、「じゃあ、リハビリに伊豆に湯治に行こう!」と、伊豆のお気に入りの温泉宿を1泊予約したのですが、その後「もう少し、行けるかな!?」と、徐々に日数を増やして行き、最終的には3泊4日の伊豆旅行の日程が出来上がりました。
この旅行ですが、ショッキングな事件が起こり、忘れられない旅になりました。詳細はこの後徐々に記しますが、冗談のような「マイカーで伊豆に行って、電車で家に帰る。」という多分人生で1回だけのショッキングな旅になったのです。
起きたことに対してのショックもかなり大きく、このブログを書く気力もなかったのですが、時間も経ってようやく気持ちも少しは落ち着いてきたので、この旅を忘れないためにも記録を始めることにします。

 

1日目:1月4日(水)

 

最初は”伊豆に湯治に行く”つもりでプランニングを始めた2023年最初の旅でしたが、いつも通り「あそこにも、あっちにも行きたい~!」と欲張るうちに、すっかり湯治ではない旅になってしまったのはいつものこと。伊豆にドライブに行くのは2018年の新春以来5年振りですが、今回は上述のように私が復活を目指す最初の第一歩の旅のつもりでしたが、思い返せば最初から今回の不幸な事態を予測できるような不吉なスタートでした。
今年の旅のスタートは、いつも通り朝8時… いつものようにその10分前には駐車場に車を取りに行ったのですが、旅行の荷物を置こうと車のリアのドアというかハッチを開けようとしましたが… 何故か全く開きません! 「荷物の積み下ろしだけだし、まぁいいかなぁ?」と思い駐車場から家まで車を走らせると、今度は開かないそのリアのドアから「半ドアです!」という警告が鳴り続けます。流石に半ドア警告がずっと鳴り続ける車で高速道路を走る度胸もなく、とりあえずこの車を買ったディーラーがこの日の9時半が仕事始めだというのを急遽ホームページで調べ、1時間時間を潰して相変わらず半ドア警告が鳴り止まない愛車を何とかディーラーまで走らせ、仕事始めの10分前にはお店に到着。時間前にわざわざ出てきてくれたスタッフに窮状を訴え、「ここです」とドアを開けると… 意外にも何と普通に開くではありませんか!
どうにもバツが悪い私は、全く納得がいきません。駐車場や家では少なくとも30回はトライしても全く開かなかったのですが… お店の方に、「こんなことってあるのですか?」と聞いてみると、「寒いときには、ずっと開けていなかったりすると… たまにあるようです。」とのこと。そういえば、確かこの後ろのドアって… 昨夏、北海道から帰ってきた日以来数か月全く開けた記憶がありませんでした!

とりあえず「半ドア警告」も解消したので、1時間半のディレイで旅をスタートさせます。いつも通り圏央道経由で東名に乗り、今日最初の目的地である御殿場インターを目指します。御殿場インターと言えば、最近は「アウトレット渋滞」が特に有名な場所。でも、「今日は仕事始めの平日だし、そこまでの渋滞にはならないよね?」と、高を括っていましたが、やっぱり御殿場インターの渋滞は噂通りで、インター出口の看板が始まる2キロ手前より前から、左側車線は渋滞が始まり超ノロノロの状態で、この日のランチを予約している時間より30分前にはインターに着いたのに、予約時間に遅れそうになりお店に電話しようかと悩んでいるうちに、ようやく出口が見えアウトレットとは逆方向の道に出ることが出来たので、ギリギリでようやくお店に到着。

2023年最初の外食は、御殿場名物ではないけれど「うなぎ」。今から20年以上前、神田にある部署に勤務していた頃、仕事相手の偉い人が来るとお互いの経費でしょっちゅうお昼を食べていたのがオフィスの目の前にあったうなぎの名店「神田きくかわ」。自分のお金では一度も食べたことがないお店ですが、その頃は月に1回は必ず食べていたので、神田で働いた4年間で50回は食べた計算になります。その神田きくかわの支店が御殿場にもあるいというので、懐かしくなりつい予約してしましました。(現在は、神田きくかわの傘下からは離れているようですが…)

2023年最初の外食としては大満足。もう20年も経ったので神田きくかわの味もよく覚えていないので神田の味とは比べられませんが、「また、来たい」と思わせる味でした。

お昼の後は、本来なら今日午前中に来るはずだったうなぎ屋さんすぐ近くの岸信介元首相の別荘へ。

雰囲気のある別荘の玄関

岸信介元首相と言えば、今では「安倍元首相のおじいちゃん。」としてその名が知れていますが、私の子供時代のイメージは、「日米安保を作った首相。(当時の首相)佐藤栄作の兄貴で、「昭和の妖怪」とも言われたフィクサー。」と、どちらかと言えば悪いイメージだった元首相。

その元首相の別荘の観光ですが、靴を脱いで見学する別荘には入らずに、我々のお目当ては別荘の見学ではなくその別荘を管理しながらお店を出している「とらや」のスイーツ。

とらやのお店では私はお茶と大福をいただきましたが、大福はやっぱり大福で、2023年最初のスイーツは「まぁ、こんなもん。」って感じでした。

「とらや」なのに、羊羹はありませんでした。

次の目的地は隣の裾野市にある「富士サファリパーク」。以前から、「本当に本当にライオンだぁ~」というCMを聞いていたのでその存在を認識はしてはいましたが、サファリパーク系の施設には初めての訪問です。裾野市と言えば、少し前に保育園での園児虐待があってそのイメージはあまり良くないのですが、私にとっては大昔「青春ドラマの舞台だった」ような記憶があったのですが、何となく覚えていた「裾野あさひ高校」が何の舞台だったかが全く思い出せないという何とももどかしい状況での訪問。昔見た「これが青春だ」とか「飛び出せ青春」や「俺は男だ」などの番組を思い出しながら運転をしていましたが… 全く思い出せずストレスの溜まる裾野市のドライブ。
富士サファリパークには、入場料を払うと車のままで観光します。「窓を開けてはダメ」だそうなので、イメージは野生のエリアに「檻に入った人間がそのまま移動」するイメージ。いきなりテーマ曲に出てくるライオンのエリアから始まります。

本当に… ライオンですね。

その後も、トラ~象~シマウマ~キリンなどが続き、結構老人にも楽しめるドライブでした。

その後、本日の宿がある沼津に向かいますが、途中、今晩の夕食を予約している居酒屋から、昨晩に続いて電話が来ます。昨晩の電話は、「明日、市場が休みなのでお出しできないメニューが多いけど、それでも来る?」という内容でした。沼津に宿を取った理由は「旨い海鮮ものが食いたい!」からなので、「市場が休み」というのはショックではありますが、前日の夜にそんな連絡を貰っても宿泊地を変更できる筈もないので、「とりあえず、行きます。」と返事はしていたのですが、今日の電話は「本当に来るの?」的な電話。いろいろと話しを聞いてみると、どうやら「我々が来ないのなら、今日は店を閉めたい。」という雰囲気がミエミエで、ここまで迷惑がられて「行きます」とも言えず、「じゃあ、いいです!」と断らざるを得ない雰囲気に。

沼津のホテルは定宿の「東横イン」。夕食のあてがなくなったのでチェックイン時にフロントでお薦めのお店を教えていただいたのですが、調べてみると案の定2件とも「臨時休業」。とはいえ、チェーン居酒屋等市場以外にも仕入れルートがあるお店は開いているようなので、トボトボと沼津駅までお散歩。駅の向こうに名前を聞いたことがある地場の回転寿司を見つけたので駅を超えて行こうと自由通路を探しましたがどこにもありません。「駅の反対側に行くにはどうするの?」と駅員に聞くと「入場券を買え!」とのこと。ここ沼津駅からはJR東海の駅らしいのですが、駅の反対側に行くのにわざわざ入場券を買えだなんて... JR東海沼津市は何を考えているのでしょう!? 一瞬で沼津の印象が悪くなりました。

地元では有名な回転寿司チェーンでの夕食には市場が休みの影響があるのかは?ですが、確かに品切れがやや多かったような気がします。

キンメ等も品切れでしたが、我々は明日からたっぷり伊豆の海鮮を満喫する予定だったので、キンメがなくても気になりません。

まあまあの夕食でしたが、一時はコンビニ弁当も覚悟したこの日の夕食だったので、予想以上の成果に満足。帰りも2人分の入場券を買うのは癪だったので、タクシーで大回りしてもらって宿まで戻りました。

 

2日目:1月5日(木)

 

沼津に泊まったもう一つの目的は、市場周辺の食堂での朝から海鮮三昧。毎度のことですが東横インの無料朝食を権利放棄して、向かうのは前回も来た沼津漁港の周辺。前回は駐車場探しに苦労した記憶があったのですが今日はまだ8時前なので、繁華街中心の深海魚水族館すぐ隣のベスポジ駐車場に一番乗り!
そのまますぐ近くの有名店「魚河岸丸天」にチェックイン。流石に有名店だけあって朝から混んではいますが、無事にテーブル席を確保。妻は当然の如く朝から豪華海鮮丼ですが、私は厨房の天ぷらを揚げる音とその香りに理性をすっかり奪われてしまい、朝から胃にとってもヘビーな天丼をついつい頼んでしまいます。

海鮮丼と

天丼

これは2つの意味で大失敗。「沼津名物のアジフライは、別に頼んで絶対食べよう!」と思っていたはずなのに、揚げ物が重なって頼む気にならなかったことに加えて、天丼はとても美味しかったのですが、朝から結構なボリュームの天丼は60歳を過ぎた老人の胃にはとても重く、結局泣く泣く残してしまったこと。自分の胃袋のキャパを認識せず、相変わらず20代のつもりで調子に乗ってオーダーしてしまう自分が、本当に情けない!

前回訪ねた深海魚水族館などには行かずに、沼津港からキレイな富士山が眺められることを確認した上で、前回は富士山頂上が雲に隠れていた伊豆パノラマパークへリベンジに。

沼津の魚市場からはきれいに見えた富士山頂

ところが、1年近く経ってもいまだに相性が悪いのかまだ慣れないナビの設定を間違えたのか、ロープウェイ山麓駅を設定した筈のナビは何故か山頂駅に向かおうとして異常に狭い道に誘導。このナビともあと1日でお別れなんていう運命のことは露知らず、相変わらずの調子なので、「お前はぁ~?!」と毒づいていました。
ともあれ何とか伊豆パノラマパークに到着し、ロープウェイで山頂駅を目指したのですが… 沼津漁港からはあれだけ綺麗に見えていた富士山は、5年前同様に何故か頂上だけ雲に隠れているではありませんか!?

伊豆パノラマパークは、今回も…

おまけにここの山頂駅にだけまだ僅かに雪と氷が残っていて、ツルツル滑ってまるでスケートリンクさながら。とりあえずコーヒーを飲んで雲が晴れるのを待とうかとも思いましたが、雲が晴れるまでは少なくとも30分以上は掛かりそうなので、5年前のリベンジはまたもや次回に持ち越しに。

時折、頂上だけはチラッと見えたのですが…

この日のランチは修善寺にて。温泉街としては高級旅館が多いので、私はかれこれ20年以上振りです。久し振りに修善寺らしい川沿いを散歩して竹林の小径まで。

修善寺らしい風景

思ったより規模の小さい竹林の小径に、妻は少し驚いたよう。

修善寺のランチといえばそば。行列覚悟でワンコイン有名店に行くつもりでしたが、お目当てのバラックのようなワンコインのお店は、何と定休日…

このバラックが有名店… でも、定休日!

その上、すぐ近くのまぁまぁ有名店も「臨時休業」だったため、諦めて近くの有名店ではないお店に何とか座席を確保。

そばはまあまあ美味しいのに、何故かクルミだれとの相性がイマイチ。普通のソバにしておけば良かった!

蕎麦は美味しかったのですが…

修善寺と言えば修禅寺です。初詣ではないけれど、この旅最初の参拝。

午後は西伊豆までドライブ。戸田や土肥の金山や堂ヶ島の遊覧船などには前回行ったので今回はスルーして、今回はネットで見つけた黄金崎クリスタルパークというガラスの博物館へ。ガラスの芸術というのには余り馴染みがないのですが、空いている博物館をのんびりと眺め,たくさん展示されている万華鏡を一つ一つ見学して暇つぶし。

写真が撮れる超大型の万華鏡もありました。

その後は西伊豆の海を眺めに、近くの黄金崎海岸まで。

今日の宿は西伊豆の「雲見温泉」。雲見温泉とは聞き慣れない名前ですが、自分的には「伊豆の〇〇温泉の全制覇!」を目指していて、結構達成は近いような気もしているので、この聞き慣れない温泉の1泊はとても貴重です。今日の宿は料理の評判で選んだので、大型旅館でもなく、おまけに旅館の風呂には手すりがないので私は大浴場には入れないことを承知の上での投宿です。”伊豆へ湯治”が目的の筈だったのに、何たる変わりよう!

「一番,富士山がキレイに見える温泉」と言われるらしい雲見温泉の部屋からは。ちょっと遠いけど富士山がキレイに見えています。

夕食は評判通り。舟盛りもアワビも伊勢海老もキンメも予定通り出て、その味とボリュームに大満足。

 

でも今回の旅のグルメのメインは明日泊まる定宿のいつも通りの豪華な海鮮なので、西伊豆と東伊豆の違いはあれど似たようなメニューになってしまうのは仕方のないところ。例えば美味しいキンメの姿煮を満喫しながらも、「やっぱり、キンメは明日の方が旨いね!」などとほざいている我々は、本当に罪な存在!

 

3日目:1月6日(金)

 

いよいよ運命の事件が起こる当日。でも、そんな前兆は全く無くいつも通り美味しく朝ごはんをおかわりしてから、伊豆半島ドライブを再開。
でも今日の午前中のドライブはイマイチ。棚田は季節のせいもあり期待するような景色には出会えず、きれいな海岸線を期待してナビをセットすると、予想とは全く違ってお猿さんの有料のテーマパークだったりします。不十分だった下調べをひたすら(サルのように)反省しますが、お猿さんのテーマパークには興味はありません。
伊豆半島最南端の石廊崎クルーズが今日のメインイベントのつもりでしたが、駐車場に500円を払って車を停めようとすると、「本日欠航」とのこと。仕方なく伊豆半島最南端の観光を諦め、下田に向かいます。このあたりの沿道にはさまざまな温泉があるのですが、その看板を見るたびに「ここにはあの頃に泊まったな。」と、伊豆半島全温泉制覇の達成が意外と近いような気になり、嬉しいドライブが続きます。
下田の見どころは「爪木崎水仙祭り」。1月のこの時期に見られる花は水仙程度なので、妻は2016年のこの時期に房総半島で見た水仙の記憶と混同している模様。

もう少し暖かくなれば、河津桜や菜の花など伊豆にももっとたくさんの花が咲くのでしょうが…

そろそろお腹が空いてきたのですが、今日の宿は「昼はあんまり食べずに来て!」と謳っている料理自慢・ボリューム自慢の宿なので、前回意外と量が多かった東京駅の駅弁を完食して後悔した経験から、「軽めのお昼を食べよう」と、融通のききそうな道の駅へ。美味しそうな海鮮丼には目もくれずに、軽いお昼をということでオススメされたハンバーガーショップへ。チェーン店ではないこのハンバーガーショップのウリは「下田バーガー」。そういえばこのお店の下田バーガー、何度もTVで取り上げられていて、確かに見た記憶があります。

下田名物… だそうです。

勿論我々もその下田バーガーをいただきますが、無茶苦茶大きく1200円也とのことなので、1つだけ買って妻と半分にシェア。

キンメのフライと、チーズが2種類とたっぷりの野菜!

伊豆らしいキンメのフライの下田バーガーは美味しいといえば美味しかったのですが、何となく「フィレオフィッシュ?」っていう感じもしました。

もう行く予定の場所はなく、まだホテルのチェックインには早いので、石廊崎のクルーズに乗れなかったリベンジを兼ねて下田港のクルーズに参加。

20分程度の湾内遊覧でしたが、「何でこんな何でもないところに遊覧船があるのか?」が全く不思議なくらい何にもない遊覧船でした。

いよいよ我々の定宿でありながら今回の旅でもやっぱりメインイベントの宿へ。チェックイン時間の3時少し前に宿に到着しました。
「いらっしゃいませ。車は我々が駐車しておきます。」
「でも、この車、左アクセルの改造車ですよ。」
「左アクセルですね。わかりました。大丈夫です。」
というやり取りがあり、結局車のキーを渡して我々はすぐ部屋に案内され、部屋でチェックインをしていると、バタバタと支配人と名乗る人が部屋にやってきます。

「いくら5回目か6回目の宿泊だと言っても、支配人が部屋に挨拶に来るほどのVIPじゃないよなぁ~…?」と訝しがっていると、支配人から衝撃の言葉が…

「運転を誤って、車が海に転落してしまいました。今すぐ一緒に来てください!」

改めて聞いてみると海に落ちたのではなく海沿いの道に転落したとのことで、車に積んであったたくさんの荷物はとりあえず無事とのことですが… 玄関に戻ってみると,約2メートル近く下の海沿いの狭い道に、愛車が転落してコンクリの道にスポッと嵌まっている感じ。
幸い、運転していたホテルスタッフは軽症で済んだようで、嵌まった道は歩道なので、「もし、歩行者がいたら…?」と思うとゾッとしますが、とりあえず車だけで済んだのは不幸中の幸い。

とりあえず警察を呼んで、車は歩道に放置しておく訳にもいかないのでレッカーで釣り上げます。車の長さより細い通路に落ちたので前と後はグシャっと潰れていて、どう考えても明日この車で埼玉に帰ることはあり得ないということは、いくらメカに弱い私でも想像がつきます。

取り急ぎ車から荷物を取り出し、いつまでもその現場を眺めていても仕方がないので部屋に戻って支配人と今後のことを相談。取り合えず旅館は全面的に責任を認めてくれて、「経費は全て保証します。」と言っていただきましたが、正直これからのことを考えると、暗澹とした気持ちになります。とはいえ、落ち込んでばかりいては仕方がないので、気を取り直して温泉大浴場に向かったのは6時過ぎ。本来なら、夕食をスタートさせていた筈の時間です… 事故から3時間は、バタバタしていたことになります。
(車の写真は… 撮ってはあるのですが、事故の記憶が生々しいので掲載は自粛させていただきます。)

気を取り直して7時から夕食。事情を知っている旅館のスタッフは我々を楽しませようと懸命にサービスしてくれているのがわかるので、その気持に応えようと我々も切り替えて食事を楽しみます。本当に食事は美味しいので、一瞬でも車のことを忘れて伊豆の海鮮を満喫することが出来ました。

でも、キンメはやっぱり最高でした!

床に入ってからも今後のことをあれこれ考えて、この日は眠れない一夜を過ごすことになりました。

 

4日目:1月7日(土)

 

この旅館の朝食のウリは、「朝から舟盛」の朝ご飯。電車で来ている時は、ビールを飲みながら朝から豪華な舟盛を食べるのが朝最大の楽しみなのですが、「今回は車なので、朝のビールは飲めないなぁ~」と諦めていたのですが、思いがけず朝からビールを飲める状況にはなったのですが、流石にこの状況で朝から”ヤケ酒”を飲む気分でもなく、今朝も懸命にサービスをしてくれるスタッフのおもてなしに、朝食は朝食で大いに楽しむことが出来ました。最後に、「こんな状況なのに、夕食も朝食も楽しんでくれたことがとても嬉しい!」とその若い男性スタッフが涙を流してくれたことに、柄にもなく感動してしまいました!
その意味でも、事故は事故としてこのことでこの旅館と揉めてもう来られなくなるのがとても嫌だったので、「兎に角、お互いに禍根を残さないようにしましょう! また来ます!」と言って旅館を後にします。駅までは支配人に送っていただき、東京までの特急券と埼玉までの乗車券を買っていただきました。
「車で来てバスで帰る」というのは、ラスベガスなどでよく言われるジョークですが、「車で来て電車で帰る」という経験は、恐らく人生で最初で最後です。
稲取駅でいつも見る千原ジュニアの研ナオ子などプレバトで芸術自慢の芸能人が描いた大きな画をを見ながら、「今回、この絵を見るとは思わなかったなぁ~!」と思いながら、特急踊り子号で帰路に着きました。

<後日談>
旅館の協力のお陰で、その後の事故処理は迅速に進みました。レッカーで事故車を埼玉の車を買ったディーラーまで搬送していただき、(旅館が掛けている)保険会社が査定をした結果、「修理不能」と判定されます。すぐに新車を買うことになったのですが、たった1年前に契約した新車とはいえ、私が買ったホンダフィットの「20周年記念特別仕様車」はもう製造されておらず、その後フィットもマイナーチェンジしているので、同じ車を手に入れることは無理でした。ほぼ前回の車に近い仕様の車を、ほぼ前回と同額の代金を旅館が全額支払ってくれて、1月末に無事契約が出来ました。
(事故の記憶が辛いので、ボディカラーだけは違う色にしましたが…)
左アクセルの改造車なのでレンタカーなどの代車も利用できないため、新車が納車されるまでは車のない不便な数か月を強いられています。半導体不足の現在、車によっては「納車まで半年以上待ち」の状況が常態化しているとも聞きますが、たった1年間で2回も新車を買うことになった(車のない)私の窮状を理解していただき、ディーラーさんには最大限の手を尽くしていただいているようです。
果たして、車が届くのはいつになるいことやら…
毎年旅行に行っているゴールデンウイーク。今年はJALのマイルを使って「五島列島」に行くつもりなので、車がなくても大丈夫ですが、夏には今年も長距離のドライブに行くつもりです。
その時までには車が届いていますように!