麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2020年夏の旅】信州・北陸「高いところ」への旅<最終回:加賀屋+高級旅館泊まり歩き>


6日目:8月19日(水)

金沢のホテルは朝食付きプラン。一番混みそうな7時半にレストランに入りますが、どうやらお客さんは我々だけのようです。結局、30分以上我々が食べ終わる最後まで他のお客さんは一人も現れず、これには妻もちょっと不安そう。そういえば、昨日から他のお客さんの姿を全く見ておらず、「実は、この巨大ホテル我々の貸切だったりして!?」なんて冗談も満更冗談でもないかも!?
でも、朝食はオーダーを細かく聞いてから調理する本格的アメリカンブレックファストで、独り占めするにはちょっと勿体無い味でした。

 

今日は2つ目の"高いところ"のハイライト、「日本一の名旅館」と言われるあの和倉温泉の加賀屋を予約しています。高級宿加賀屋を満喫すべく3時にはチェックインしようと考えていますので、それまでは少し観光を。
ホテルに車を置いてまず向かったのは金沢城公園の鼠多門。修復されたばっかりの施設で、「是非行くべし!」と、昨晩呑んだ地元の友人の強烈な推薦に押しきられた感じ。
鼠多門には 尾山神社の敷地から入ります。

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芸術、特に美術に疎い私には、鼠多門のどこが凄いのかはイマイチ解りませんが…

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修復された鼠多門の入り口

とりあえず写真に納めてから金沢城公園を散策 。

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金沢城公園から見た鼠多門

5年前には見なかった公園の中にも入場し、散策。

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鼠多門そばの庭園。朝なのにもう暑い!

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公園の出口は5年前と同じく兼六園の入口なのですが、今回は兼六園はスルーして「金沢21世紀美術館」へ。

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美術に疎い私が美術館に行くのは珍しいことですが、お目当てはよく写真などで紹介されている「見学者が入れるプール。」昨晩呑んだ友人の情報によると、「凄い人気で大行列らしい」とのことですが、とりあえず行くことにします。

受付で話を聞くと、「まもなく整理券の配布が始まる」らしく、もうかなりの行列です。ここで幸運にも整理券がGET出来たとしても、入場はすぐではなく数時間後(?)とのことなので、どうやら我々にはプールの下に入るチャンスは無さそうです。諦めて折角来たのだからと美術館に入場。一番の楽しみは「幸運にも整理券をGETできてプールに入れた見知らぬ人たちを、ただただ上から眺める」だけ。

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中がどうなっているのか、本当に不思議⁉

その他の前衛芸術作品は、我々には全く理解できませんでした!

 

ホテルに戻って再びマイカーに乗り、"金沢と言えば"という回転寿司のランチへ。今や金沢の回転寿司は関東にもいくつか支店がありますので、どうせならば「金沢まいもん寿司」の本店に行ってみることに。

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まずは、金沢と言えば何と言っても大好物の"ノドグロ"。

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その後も、金沢や富山の旨いもん!

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”金箔”も金沢ならでは⁉

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会計は、いくら地元とはいえやっぱり”それなり”でした!

 

午後は能登半島を目指しますが、能登半島は5年前に観光しているので、今回は5年前のリベンジを1箇所だけ。その場所とは、5年前立山連峰の遠望ができなかった富山県の雨晴海岸。

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富山県を代表する風景なので、一昨日のアルペンルートのスライド映写会にも登場しましたが、我々がよく見る立山が雪を被った写真は11月頃の風景とのことですが、とりあえず日本海の風景の向こうに立山連峰がちゃんと見られたので、リベンジは成功。鉄ちゃんとしては列車が来てくれれば言うことなしですが、これは高望み。

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今度は、雪を被った立山連峰を見るぞぉ~!

加賀屋にチェックインする前に、すぐ近くの能登島大橋をドライブ。

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今回、離島は一つも行けなかったので、せめてほんの少しだけ離島気分を満喫。

さぁ、憧れの加賀屋です!3時にチェックインして加賀屋をたっぷり満喫しようと思っていましたが、同じようなことを考えている人たちが続々と押し寄せています。go toキャンペーンのお陰か、コロナの影響なんて微塵も感じられません。

結果的には、加賀屋は本当によかった。さすがに一人一人の従業員教育がしっかりしていて、皆さりげなく快適なサービスが出来るのです!さすがは伊達に"日本一の温泉旅館"と言われるだけはあります。

驚いたのは大浴場。男湯は中が3階建てになっていて、「え~っ、お風呂の中に階段?」とビビっていたら、脱衣場にいるスタッフがすかさず男湯の中の(裸で乗る)エレベーターを案内してくれます。私がエレベーターで下の階に降りると、階段を下りたスタッフが先回りしていて私に障害者用の椅子を準備してくれるのです。こういった配慮ができるのが、やはり加賀屋の凄いところですね⁉ 加賀屋の中にある「お土産屋さん街」。妻はすっかり買い物に夢中で大満足の様子。

夕食もさすがに加賀屋で、どれも美味しいものばかり。何より仲居さんの気配りのお陰で、快適な食事でした。

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美味しくって写真撮るのも忘れるほど…

加賀屋ですっかり我々のハードルが上がってしまったため、翌日以降の宿のサービスが超ショボく思えてしまった程です!


7日目:8月20日(木)

 

今日は福井県に行ってまた”高い”温泉を楽しむ日。連続して高級宿に泊まるなんて、本当に go to キャンペーンのお陰です。

加賀屋を満喫し、福井県の方に向かいます。今回は、本当に全く能登半島は観光をしないで加賀屋だけで脱出とは、何だか勿体ない気もしますが、今日は「海」より自分の中では「苔」がメインテーマの1日。

このあたりの地理には決して詳しくないのですが、石川県のドライブは意外と時間がかかります。能登半島には高速もたくさんあるのに、和倉温泉から金沢までも結構距離があり、そこから小松・加賀温泉郷あたりまでも結構長いドライブ。ナビは何故か北陸道(高速)をナビせずにずっと国道8号線をナビするので、結構運転のし甲斐があった約3時間。

昼前にようやく石川県最後の目的地である那谷寺に到着。

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真言宗好きな私としては石川県ではどうしても行きたいスポットでした。一昨日呑んだ友人にはこの近くの「苔の里」も推薦されていたのですが、苔は那谷寺でも次に行く予定の白山平泉寺でもたっぷりと見られると思い、時間の関係でスルーさせていただきました。

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那谷寺をのんびりと散策。猛暑からか、苔は何となく元気がなさそう。

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流石に由緒ある寺なので見どころはたくさん。

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本殿は階段の上にあるのですが、頑張って上ります。

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その後も階段がたくさんあり、足の悪い私を見て寺の方にもご心配いただきましたが、京都の苔寺のような危ない場所も少なく、何とか楽しむことができました。散策の途中の三重の塔も素敵。

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那谷寺、大変満足しましたが、今度は苔が元気な季節に「苔の里」とセットでまた来たいと思いました。

次は福井県に入り、白山平泉寺へ。平泉寺の山門にある蕎麦屋さんで、福井名物の「越前おろしそば」でちょっと遅めのランチ。福井県でのランチといえば、そういえば5年前にもこのすぐ近くの永平寺の山門で同じく「越前おろしそば」を食べた記憶が鮮やかに蘇ります。

昼食後、白山平泉寺をゆっくりと上りながら散策。

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「福井の苔寺」という別名を聞き、大いに楽しみにしていた白山平泉寺ですが、那谷寺同様このところの猛暑で苔は全く元気がなさそう。

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雨が降れば降ったで文句を言い、晴れれば晴れたで「苔に元気がない…」とは、なんて勝手なことばかり言う観光客なのでしょう?

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有名観光地なのに、人も少なく静かにのんびりと散策ができました。

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次の観光は丸岡城。この丸岡城にどうしても行きたかった理由は、この丸岡城が江戸時代からの天守閣が残っている12のお城「現存天守12城」の1つであり、実は我々夫婦にとっては、「現存天守12城」の最後の1つだったからです!つまり、これで江戸時代から残っているお城は全て見られたということになります。、実は12城のうち2つのお城(弘前城松本城)は、2015年に日本一周を始める前に訪問したお城ですし、その地理的な条件からすぐ近くからは見られず、”遠望”だけで我慢したお城もありました。(宇和島城備中松山城) 江戸時代から立っているお城ですからバリアフリーが望むべくもありませんので、私の体で上まで登れたのはあの姫路城ぐらいであとのお城は下から見上げる程度が精一杯ですが、それでも江戸時代の”兵どもの夢の跡”を見られて、この12城の制覇は歴史好きとしては大満足です。

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この丸岡城も「階段は急なのであなたには無理」と言われ、ギラギラとした炎天下の中なので下からの遠望だけで満足しますが、「柴田勝家の甥」が建てたという史実だけで何となく親近感が沸き、ずっと眺めていました。
お市の方、会ってみたかったな~!」

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この日の宿は、福井の名湯「あわら温泉」。でも、この日の宿のチョイスは大失敗。普段、私のポリシーは「高い宿の一番安い部屋を、出来るだけ安く予約する」のですが、今回go to キャンペーンもあるため、「普通の宿の高い部屋」をついつい予約してしまったのですが、これが大失敗。いくら高い部屋でも、サービスクオリティはその部屋だけレベルが上がる筈もなく、前日が加賀屋だったとういう要素を差し引いても、超不満な滞在でした。
大浴場や露天風呂付きの部屋そのものは決して悪くはなかったのですが、サービス精神のかけらもない従業員と、料理内容はともかく夕食のサービスは美味しいとか美味しくないとかを語る以前の問題で、殆どほったらかしにされた我々は、徐々に怒りがこみあげてくる怒りで満腹になった夕食でした。これで、昨日の加賀屋より宿泊代が(少しだけ)高いのですから、今回の旅での唯一の宿選びの大失敗でした!
「冷蔵庫飲み放題!」なんて心地よい広告を謳っているのですが、冷蔵庫に入っていたのはほんの僅か数本だけ… 「詐欺だ!」と訴えたいぐらいでした。
旅館の名前は秘しますが、皆様もご注意ください。


8日目:8月21日(金)

 

当初今回の旅行は、あわら温泉を最後にこれで家に帰るつもりだったのですが、「福井県から埼玉の自宅までは、結構遠いなぁ~。帰る途中、どっかにもう一泊しようかなぁ?」と思いたち、途中の新潟で私的には未宿泊ですが以前から「新潟県NO1の宿」との噂も(一部では)ある宿が、go to キャンペーンに参画しているので、ついつい予約してしまいました。まぁ、このあわら温泉の最低の宿が今回の旅の最後の晩になっていたとしたら、ストレスが溜まりまくって「いい旅だった!」とは決して言えなくなってしまうので、最後にもう一泊したことは結果的には大成功でした。
でも、「越前から加賀を挟んで越中~越後で、同じ”越の国”の中なのだから、そんなに遠くはないだろう」と高をくくって地図すらよく見ずに自分の感覚だけで予約した結果、実際に計画を始めてみると「高速をずっと走っても5時間以上は掛かる!」と、最終日の宿が下手をすれば真っすぐ埼玉に帰るのと同じくらい遠いことが判明します。”越後の国”の新潟県がとにかく横に長く、今回宿泊に選んだ月岡温泉新潟県でもかなり北の方にある温泉だったためです。でも、「go to キャンペーンの恩恵で、”高いところ(宿)”に泊まる」という初志を貫き、時間は掛かっても「新潟県NO1という噂を信じて」みることにします。

5時間以上かかるとなれば、この日は移動日になってしまう可能性もあるのですが、この日を完全に移動日にしてしまうのも嫌なので、少しだけでも観光をしたいと思います。向かったのはあわら温泉すぐ近くにある東尋坊

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5年前に東尋坊に来た時には夕方の慌ただしい時間での訪問という記憶があり、時間的な問題で遊覧船に乗れなかったと思っていたので、「今回は、遊覧船にでも乗ろうか?」と考えていましたが、改めて遊覧船のチケット販売所に向かうと、そこからはかなり急な階段があり手すりもなく私的には無理な感じ。

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結局諦めて、前回と同じく「2時間ドラマのラストシーン」の船越英一郎さんを思い出しながらの散策で満足することにします。

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遊覧船に乗れなかった代わりに、最後に東尋坊タワーに上って周囲の風景を眺めますが、正直期待したような眺めは見えませんでした。

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タワーの中にあった「東尋坊」の伝説によると、「白山平泉寺の暴れん坊の僧侶”東尋坊”を海に沈めたという伝説から、この地を東尋坊と言うようになった。」という伝説を見て、昨日の白山平泉寺から今日ここ東尋坊に来たことが、福井県を制覇したような気になり、何となく嬉しくなりました。

新潟までは5時間以上のドライブ。昨日まで楽しんだ加賀の旅を反芻しながら石川県を超え、5年後のアルペンルート再訪を誓った富山県のサービスエリアでは、白エビ天丼とホタルイカの最後まで富山県らしいランチ。

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富山県新潟県の県境付近はやたらトンネルが多かったという記憶があったのですが、何と合計26個ものトンネルがあります。26個一つづつを数えながらのドライブは退屈な中での貴重なアクセント。(でも、トンネルは決して好きではありません。)
新潟県に入り、関越道との合流へ。これを右折するともう埼玉県はあと3時間程度なのですが、この日目指す月岡温泉は左折して新潟市内を通り越し、新発田市ササニシキの穀倉地帯のど真ん中にあります。

この旅最後の宿「白玉の湯 華鳳」は加賀屋に負けず劣らずの大型高級旅館。部屋も大浴場も食事もよく、昨日とは大違い。
「ここ、加賀屋ぐらい、いいね!」と昨日は不機嫌だった妻も、たった1日で機嫌がすっかり直った感じでした。

 

9日目:8月22日(土)

 

最終日の朝、「加賀屋並みの高評価だった、華鳳」の我々二人の高評価が、一瞬にして崩れ去ります。それは、「このクラスの旅館なのに、朝食がバイキング」だったから。大型旅館だから仕方がないことなのでしょうが、バイキング嫌いの私も妻も、「百年の恋が一挙に冷めた瞬間」を味わいました。いくら夕食などがすべて良くても、(普段ならば)一人3万円以上を払って朝食がバイキングならば、恐らくもう来ることはないでしょう。(前日のあの宿ですら、朝食はちゃんと提供してくれました。)

朝食以外には満足した華鳳を出て、真っすぐに埼玉に向かいます。まだまだ暑い関東を目指してひたすら走り、自宅到着はお昼過ぎ。
本当に素晴らしい天気に恵まれた、最高の旅(1820キロの快適なドライブ)でした!

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これで今回の旅のレポートを終わります。
春から自粛期間が続き、ようやく旅が解禁できた感動をたっぷりと味わうことができました。「これでしばらくは旅に出なくても大丈夫かな?」と思っていたのですが、一度旅の麻薬に取りつかれた私はもう我慢が出来ない体になってしまっていて、9月の後半にはまた旅に出ることにしました!
そのレポートは近いうちに!