麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

春の北東北への旅<その2:弘前と青森県>

3日目:4月30日(土)

この日は、この旅のメインイベントである弘前に行く日。妻にとっても、9年ぶりに弘前在住の旧友と会うという、別の意味でのメインイベントの日。昨晩、その旧友から連絡が来て、今晩のアポイントを早めたいとの依頼があったので、本来ならば十和田市か黒石の桜を見てから弘前に行くつもりでしたが、どうやらどこも桜の絶景は望めそうにないこともあり、弘前以外の訪問を諦めて早めに弘前に行くことにします。
フロントの方から、「明日の早い時間の朝食は団体で混む」というアドバイスを受けていたので、のんびり起きて激混みの朝風呂にも何とか入り、ゆっくりと朝ごはんを。朝ごはんのバイキングスタイルは、片手で料理を取って運ばなくてはいけないので大嫌いなのですが、経費(人件費)削減のためか、残念ながらコロナ禍でも減る気配はありません。おまけに最近は料理を取る時に使い捨ての手袋がマストなので本当に面倒なのですが、朝ごはんがバイキングじゃない旅館は近年は一部の高級宿だけになりつつあるので、夜はともかく、朝は我慢、我慢。

いつもよりゆっくりと9時過ぎに宿を出ます。このGWは好天と悪天を繰り返す天気予報なので、今日は好天の順番の日。勿論、昨晩の雪や霙が積もることはないと信じていました。
まずは6年ぶりに宿近くの十和田湖にご挨拶。高度が上がるにつれ、道路脇の残雪は残っていますが、まずは快適なドライブ。発荷峠からの十和田湖は、何度見ても抜群の風景。

初めて発荷峠からの十和田湖を見たのは、昭和の時代新入社員添乗員として来た紅葉の十和田湖。以来この絶景が大好きになり、近くに来たらできる限り立ち寄るようにしています。

我が「日本の大好きな風景」のベストテンには必ず入るでしょう!

その後、十和田湖の左岸をドライブして黒石方面に抜けて弘前に行くルートを考えていたのですが、何故かナビの示す到着時間が異常です。この道は確か結構山道で、もしかしたらまだ雪道が残っているかも… という話を聞いた記憶もあり、ビビリの私は今日は弘前の見学時間を十分に確保することが最優先と、この左岸~黒石方向のルートを早々に諦め、Uターンして再び発荷峠経由で東北道の小坂インターに向かうルートに急遽変更します。
ところが、来た道と別れたあたりから怪しくなります。道路脇の雪は想像以上に多くなり、遂には道路上にも残雪が! 山からの下り坂の道にはカーブも多く、ノーマルタイヤの我が愛車は極力スピードを落として轍を頼りにノロノロと走ること十数分、スリップすることもなく、何とかこの危機を脱することができました!
そして、その後に待っていたのは桜並木の絶景!

結果的にはスリリングで楽しいドライブでした。

弘前到着は1時頃。駐車場の追加料金を支払って駅前の宿泊ホテルに車を停めます。
今回の弘前の宿は2011年の旅でも泊まったルートイン。過去2年、半年前の発売開始のタイミングで毎回東横インを(約半年間、旅行を断念するまで)押さえていたのですが、今年は半年前の発売開始日をうっかり忘れてしまい、数日後に慌てて見たら東横インはやはりもう満室。普段の料金の倍以上するルートインは何とか空いていたので、やむなく予約した次第です。早速ホテルに荷物を預け、ワンコイン(100円)バスにて弘前城公園へ。駅前のバス乗り場で弘前城公園の入場手続き(コロナ対策で事前予約制)をしたのですが、「埼玉からですか… ご苦労様です。」という係員の申し訳無さそうな表情で、今の状況を何となく悟ります。
バスは懐かしい弘前の中心街土手町を通って市役所前へ。バスを降り、公園方面に目を向けるとですそこには、日本一の桜が… ある筈でしたが、悪い予感が見事に的中して、桜は殆どが、もう葉桜でした!
弘前の桜のもう一つの楽しみである筈の花筏。見事に散った花びらがお堀を埋め尽くす… というやつです。葉桜になってもこの花筏は何とか見られるのではないかと急いでお堀を見てみますが、誰かがきれいにしたかのように普通の何もないお堀でした!

ここが、桜吹雪で溢れている...筈でした

やっぱり、弘前駅の受付のあの人の表情は、遠方からわざわざ来た我々に対する同情だったのですね!
とりあえず、弘前城公園に入り散策を続けます。「弘前城公園のいいところは、ソメイヨシノだけじゃなく咲く時期が違うさまざまの桜が見られること。」という言葉を信じて歩きますが、やはり圧倒的なソメイヨシノのボリュームに他の桜は圧倒されているかのようです。


とは言え、まだ咲いている場所もあるので、そういう場所に行ってはとりあえずパチリ。

この日のお昼は、屋台でおでんと焼きそばで残っている桜を寂しく眺めながら済ませます。満開の桜の下でビールを飲みながら楽しめればどれだけ素敵なことか!
勿論、コロナ禍の今はビールは飲めません。

弘前城公園の中心地である弘前城に入ります。

入場券を買ってお城のすぐ近くまで行きますが、弘前城に入場する行列には並ばず、お城と桜を周囲から眺めて満足することにします。

もっとも、バリアフリーがないであろう弘前城天守には、私には無理だったと思いますが…

そして、今日はいい天気なので弘前城から眺める岩木山は絶景です!

もう一度満開のソメイヨシノを見に来るという課題は残りましたが、とりあえず満足して弘前城公園を後にします。ねぷたの時2018年にも来た「津軽藩ねぷた村」には入場はせずに桜の時期の弘前のお土産だけ仕入れてあちこちの旧友に郵送して、「桜の時期に弘前に来たんだぞぉ~!」と、アピールだけして満足感に浸ります。

この日の夕食は妻の旧友夫妻と弘前市内の居酒屋で。妻はご主人とも面識があり、私も奥さん(妻の旧友)とも面識があったので、楽しい時間でした。イガメンチなどの弘前の名物料理も食べられたので大いに満足して宿に戻りました。

 

4日目:5月1日(日)

 

今日は弘前近郊と津軽半島の桜を見に行く日。日替わりで好天と悪天を繰り返すというこのGWの天気予報通りとすればハズレ順番のこの日は、やっぱり朝から雨模様です。
まずは岩木山へ。昨日飲んだご夫妻から弘前人の岩木山信仰の話を聞いていて、例えば「普通、マンションは西向きには建てないが、弘前では西向きでも岩木山の方を向いているほうが売れる。」のだそうです。そんな信仰深い津軽の方が信奉するお岩木山ですから、まずは岩木山神社にお参りをしないわけには行きません。

とりあえず参道を傘をさしながらトボトボと歩きます。

前の愛車には日本各地の神社の交通安全の御守をベタベタと貼って、自己満足に浸っていたのですが、新愛車には何となくステッカーを貼る気にならずにいるのですが、それでも以前の癖で神社に行くとついつい交通安全のステッカーを探してしまうのです…

岩木山の麓は、ある意味弘前以上に凄い桜の名所だと書かれたガイドブックもあり、なおかつ桜の開花時期は弘前より遅いとの情報もあり期待していましたが、雨の中を散歩する気にもなれず、適当に車を走らせながら、桜のスポットでは減速?停車して最後の桜を楽しみます。



でも、山麓のすぐ近くを走っているのに、昨日は機嫌よくその全貌を惜しげもなく開示してくれたお岩木山は、今日はすぐ近くに来ているのに全くその表情を見せてはくれません。いつもこのあたりを走るときに口ずさむ「帰って来いよ」を勿論今年も歌ってのドライブ!
津軽岩木スカイラインの入口には、まだ満開の桜があったので、「上まで行けば桜のいい景色が見られるかも?」と、有料道路を登ろうとしたら、料金所で係員が愛車のタイヤを見て、「今、上は雪が降っていて、ノーマルタイヤでは通行できません!」と止められてしまいましたので、ここの見学も叶いませんでした。

おまけに、まだ慣れないナビで行き先の入力を間違え、30分以上時間をロスしたので、今日のメインである筈だった太宰も見たであろう芦野公園の桜を諦めて、直接五所川原に行くことにします。芦野公園も、次に満開の弘前の桜を見に行く時には、セットで必ず行きますから!

とりあえず五所川原中心街に車を停めますが、五所川原で狙いをつけていたレストランは何故か休業! 代案も考えていなかったので、すぐにもメシを食いたい妻に急かされるようにすぐ近くのうなぎ居酒屋へ。朝からいいことがないこの日の鬱憤を晴らすべくランチには目もくれずにうな重をオーダー。「鰻、時間かかりますよ!」というので、「ひょっとして、隠れた名店かも!?」と、淡い期待を抱きましたが、残念ながら淡い期待は淡いままでした。

五所川原訪問の目的は「立佞武多の館」。五所川原立佞武多には、2018年に来て東北のお祭りの中でも最大級に感動したのですが(投稿はこちら)、3台ある巨大な立佞武多は1年に1台づつ交換されるそうなので、我々が見たのは2018年ですから、もう全ての立佞武多は入れ替わっている筈です。

立佞武多その① やっぱり、デカい!

巨大な立佞武多を上から眺めるには、エレベータで4階まで上がらなくてはいけません。

立佞武多その②

上から眺めるジャイアントロボのような立佞武多。この立佞武多が街を練り歩く興奮が鮮やかに蘇ります。

立佞武多その③

東北のお祭り、青森のねぶたなどはもう一度見たいとはあんまり思わないけれど、この五所川原立佞武多だけはもう一度見たいと本当に思います。今度は、この立佞武多が格納されているこの建物の前に陣取って、この建物に出入りする立佞武多が見たい!

 

今日の宿は五能線沿線の深浦。毎回、五能線の近くの道路をドライブしていても特に『リゾートしらかみ』と並走またはすれ違うことは全くなかった(それだけ、列車が走っている本数が少ない!)のですが、今回初めて踏切で車を停められます。「すわ、リゾートしらかみかな!?」と慌ててスマホを構えますが、残念ながら普通列車でした。

(2011年に『リゾートしらかみ』に乗った時の投稿はこちら

この辺りには、「海辺の露天風呂」で有名な「不老ふ死温泉」もあるのですが、我々は2016年に泊まってその夕食と夕陽に感動した「ペンション深浦」が今宵の宿。民宿風の宿なのでお風呂は楽しめない(と思いますので、前回も入っていません。)のですが、何度か入浴してこの辺りでは群を抜いて好きだった「ウェスパ椿山」がどうやら閉館してしまったようなので、激混みであろう不老ふ死温泉などは避けて、五所川原付近の日帰り温泉に入ってから深浦まで向かいます。
宿のお楽しみは食事と深浦名物の夕陽、宿は高台にあるので前回は本当に絶景の夕陽が見られたのですが、今回は雨天なのでほぼ諦めムード。ところが、前回同様豪華な夕食を楽しんでいると、ほんの一瞬だけですが雲が切れて今回も見事な夕陽を楽しむことができました!