麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2023年九州ドライブ紀行<その4:佐多岬と宮崎グルメ>

11日目:8月12日(土)

甑島の続きです)

ホテルで朝食も食べられないのならば、このサービスがイマイチのホテルに長居することはなく、7時前には下甑島の長浜港へ向かいます。勿論自動車航走の予約はしてあるので、乗船手続きに混乱はありません。長年憧れていてやっと来られた甑島、もう一度来ることは恐らくないと思うので、その風景を心に焼き付けます。

甑島… さようなら

途中に立ち寄った(行きに下船した)里港と隣の一昨日泊まったホテルエリアワンともお別れです。
今日は薩摩半島南端の指宿温泉に宿を取っています。フェリーが到着する串木野港から指宿温泉までのルートの途中には、鹿児島の超一級の観光地である長崎鼻開聞岳)や知覧など錚々たる観光地があるのですが、我々は2013年と2015年に共にこの辺りの大半の観光地はゆっくりと観光しているので、今回はこの辺りの有名観光地はスルーしようと決めていました。今回、我々が観光しようと考えていたのは、南さつま市の海岸線。薩摩半島のやや下の方に小さな半島のような地形があります。薩摩半島の中ですから、”◯×半島”のような名前は付いていないようですが、その周囲を中心に「南さつま八景」という観光地を作ってプロモーションしているようなので、今回はこれを出来るだけ訪ねてみようというプランにしました。
10時半に串木野港に着き、その半島の付け根まで走ると丁度お昼。観光地ではないこのあたりですが、狙いをつけていた海鮮系のレストランに。この辺りの名物「タカエビ」の定食がお目当てだったのですが、「今日、タカエビは入っていない」そうで念願は叶わず。でも、煮魚定食もとっても美味でしたよ。

食後はいよいよ南さつま八景めぐり。

看板も整備されていて期待が高まります!

すぐに着いたその1の高崎山展望所は、期待通りのグッドビュー! 

「こりゃ、期待出来るぞぉ?!」と先を急ぎますが、2で「あれっ?」て感じで、3に至っては案内看板も不十分で見つかりませんでした。加えて、大半が細く曲がりくねったアップダウンの激しい道路なので、思いの外時間が掛かり、4の笠沙美術館のあたりで、これ以上探しながら行くモチベーションがすっかり失せてしまいました。

笠沙美術館の対面には、「焼酎づくり伝承展示館 杜氏の里笠沙」があります。当初、芋焼酎を買って送るのはここを考えていたのですが、甑島で送ってしまったためここに用はなくなったのですが、トイレを借りたので何となく買わなければいけないような呪縛に支配され、またもや自宅用に芋焼酎を。
お土産といえば、娘一家にまだお土産を送っていないので、「最南端の都市枕崎で買おう!」と、二人の思惑が一致。南さつま八景を忘れて枕崎に直行することに。
実は枕崎には苦い思い出があります。2015年、枕崎駅にナビをセットして向かったのですが、最後にナビが変な道を案内して、車1台すら通れないような道へ。素直にナビ通り運転していた私も流石にヤバい… とバックで戻ろうとしたのですが、何せ車1台ギリギリの超狭い道だったので、派手にガリガリという音が… 運転に支障はなかったものの右側に大きなキズをつけてしまったのです。
(その時の投稿はこちら。)
ということで、前回の枕崎は失意の中だったので何を見ても食べても気分は晴れませんでしたが、今回はそれ以来の枕崎です。前回も来た記憶のある、漁港近くの枕崎お魚センター。前回はここでランチを食べたのですが、落ち込みが激しかったので美味しいとも感じず、そんな心境なのでお土産も全く買わなかったのですが、今回は娘一家用にお土産をさまざま選び、クール便で送ります。
その後は大好きな「初恋の山」である開聞岳を眺めながらのドライブ。早く温泉に入りたくなったので、開聞岳のビュースポットにも最南端の駅西大山駅にも立ち寄らずに指宿温泉の宿を目指します。
今日の指宿温泉の宿は高級旅館ではなく、日帰り温泉に併設のリーズナブルな宿泊施設。大混雑の日帰り温泉駐車場に何とか車を停めて、チェックイン後に早速5泊振りの温泉を楽しみます。指宿温泉といえば砂蒸し風呂で、我々も2013年には砂蒸し風呂を体験したのですが、私の体で砂蒸し風呂に入るには手伝ってくれる人(男性)が必要なので、今回は止めることにしました。
夕食も宿というか日帰り温泉に併設されたレストランにて。高級メニューではありませんでしたが、鹿児島県最後の夜を満喫しました。

 

12日目:8月13日(日)

 

この日は、この旅では甑島に続いて第2のメインイベントである九州最南端である大隅半島佐多岬に立つ日。8年前、大隅半島の広さを甘く見ていた私は、都井岬からいざ佐多岬に向かおうとナビをセットすると、とんでもない時間にならないと佐多岬には着けない事実に愕然として、佐多岬行きを泣く泣く諦めた黒歴史があります。今回は、鹿児島市内から大隅半島をぐるっと回って佐多岬に行くのではやっぱり遠いので、指宿すぐ近くの山川港から対岸の根占港まで行くフェリーを利用するプラン。でもこのフェリー、車は10台強しか積めない小型のフェリーで、お盆期間中は予約を受け付けずに早い者勝ち。そして今日は8月13日の日曜日ですから、恐らく1年でも最混雑日! 我々は早く佐多岬に着きたいので朝イチ便の8時のフェリーに乗るつもりで、そうするとこの日もホテルで朝ごはんは食べられず、7時からの朝風呂にも入れません。でも今回はどうしても佐多岬に立ちたいという思いが強いので、6時半にはホテルを出て山川港に向かいます。10分後には山川港に到着しますが、6時40分の段階で既に2台の車が順番待ち。我々も3番目に並びますが、その後も車は増え続け、7時過ぎにフェリー会社の人が来て、ネットに「係員から受付した紙を貰えたら、無事に乗れる」と書かれていた通りの紙(車のサイズを書いたメモ)を無事にゲットできました。なので何台の車が2時間後の次の便になったのかは不明、勿論フェリーも自動車デッキも満席です。

小さなフェリーで大隅半島へ。

薩摩半島大隅半島の一番近いところを結ぶフェリーですが、小さなフェリーなので意外と時間が掛かり1時間弱掛りましたが、ともかく無事に根占港に着き、ここから佐多岬までは約1時間。
ところが、ここ大隅半島には先日の台風の爪痕がたくさん残っていて、通行止めの道がたくさんあるようなのです。佐多岬に向かう道はさすがに通行止めにはなっていませんでしたが、何回も川のように水が溢れているところがあり、結構スリリングなドライブ。また、道の半分が土砂で埋まっているところも数か所あり、ドライブにはかなりの慎重さが求められます。
何とか佐多岬の駐車場に着いて、ここからしばらく歩いて佐多岬の突端近くまで行こうとしたところ、遊歩道は通行止めとのこと… 

憧れの佐多岬に… 行けない!

でも、この通行止めは先日の台風のせいではなく、もっと前の大雨の影響とのこと。仕方がないので駐車場すぐ近くの展望スポットから念願の佐多岬にご対面!

最南端!

ようやく、「本土最南端」の地を踏むことが出来て満足です。

次に佐多岬のもう一つの目的である遊覧船の乗り場に行ってみますが、こちらも運休とのこと。

こりゃ、遊覧船… 出ないねぇ~

念願だった佐多岬の観光はどうにも中途半端でしたが、甑島同様「来られただけでもラッキー!」と割り切るようにします。
佐多岬の遊歩道と遊覧船で2時間は使うつもりで、この日のお昼は岬周辺で適当に済ませるプランでしたが、佐多岬を出た時間が予定より2時間も早いので、検討はしたけど「絶対に間に合わない。」と諦めていたお店に向かって見ることにします。来た道を再び慎重運転で戻り、根占港を過ぎて向かった先は鹿屋市。ここの「鹿屋カンパチ」が我々が目指した名物。

ここが名物食堂

ところが流石にお盆の日曜日で、お店のウエイティングリストを数えると待っている人数は50人を超えています。丁度1年前に海鮮丼を求めて2時間半並んだ北海道の片田舎(失礼!)の小平町の「すみれ」(記事はこちら)が一瞬頭をよぎりましたが、他に候補もなくここは回転も早そうなので覚悟を決めて待つことに。
予想以上にサービスが早いのでお客さんの回転も早く、あっという間に50人が席に付き、並んでから1時間弱で我々も念願の鹿屋カンパチにご対面。

鹿児島県最後の食事は大満足のランチでした。

鹿屋市にはもう一ヶ所行きたかった場所があります。それは鹿屋航空基地史料館。自衛隊駐屯地の入口から入るので、何となくエキサイティング。駐車場から昔の飛行機がたくさん展示されていて、航空機ヲタクではないけれど、何となくいい感じ。

中にはゼロ戦の実物をはじめ、展示物がバラエティに富んでいてとっても見甲斐があります。

知覧の特攻平和会館のように、涙なしでは見られない展示もしっかりあり、涙の準備をしていなかった我々は、当然のようにここでも涙してしまいました。(年取ると、涙もろくなるんです… 本当に!)

鹿屋市に十分に満足した我々は、今日の宿がある宮崎県の都城を目指します。
都城… 子供時代、日豊本線経由西鹿児島(現在の鹿児島中央)行きのブルートレイン「富士」の停車駅としてその地名に猛烈に憬れた街。もう一つその地名にも何故か憧れた「志布志」が都城までのルートの途中にあるので立ち寄ってみます。立ち寄った場所は鉄道の駅ではなく「うなぎの駅」。

最近、国産のうなぎといえば鹿児島産が多いのですが、鹿児島県内と言ってもここ志布志辺りがその中心地なのだとか。でもうなぎを食べるほどお腹は空いていないし、何より売っているうなぎがそんなに安くもなかったので、結局うなぎは見るだけでスルーしました。
都城に宿を取ったのは、上述の通り子供の頃からの憧れの街だったから。時刻表の文字と地図から果てしない空想を飛ばした街だったからです。今の都城ふるさと納税が日本一で、宮崎牛を始めとした焼肉の本場だという情報を仕入れていたので、今晩の夕食は焼肉に決定! 都城焼肉党というお店を予約しています。

いやぁ~! 本場都城宮崎牛、本当に旨かったぁ~!

宮崎牛


これで子供時代に戻って、ブルートレインに乗っている夢でも見られれば最高なのですが… 、そんな夢心地にさせてくれた都城の一夜でした。

 

13日目:8月14日(月)

 

今日は宮崎県の1日。前回、2015年には高千穂と宮崎市内に泊まって、宮崎県内の主要観光地には殆ど行ったので、今回は前回と違う所へ行こうとプランニングを始めたのですが、どうにも魅力的な観光ルートが作れません。泊まりも観光地としてはややマイナーな都城と延岡にしたので、その間をちょっとだけ観光して、宮崎県そのものを感じようというのが結局、今日のアバウトなプランニング。
まずは溜まった洗濯物を持って都城市内のコインランドリーへ。24時間営業のコインランドリーの洗濯乾燥機に大量の洗濯物を入れたら、今では日本全国にあるコメダコーヒーで朝ごはん。モーニングで1時間粘って洗濯が終わるのを待ちます。洗濯物を取ったら、いよいよ今日の観光の開始。まずは高速道路を使って霧島に近いえびの高原方面へ。途中にある生駒高原というのが花が見られるスポットだというので向かってみます。

最近、何でも「駅」ですねぇ~!

花の駅という売店は営業しているもののこの時期に花は無く、公園は開店休業状態。一応誰もいない料金所を通って公園に出てみますが、本当に見事なくらいに全く花はありません。

おまけに花の駅で聞いた情報によると、えびの高原方面に向かう道は通行止めとのこと。これは付近に有毒のガスが出ているからなのだとか。ガスと聞いてすっかりビビってしまった我々はえびの高原を諦めます。午前中、3時間のタイムロスでした。
次の観光地は宮崎市内に近い西都原古墳群。古墳群の案内所があるというので向かってみますが、何と今日は案内所はお休み。古墳群に予備知識もなく案内所頼みだった我々は、ナビを失い古墳群の散策を諦め、近くの博物館へ。博物館自体は規模も大きく見甲斐がある施設なのでしょうが、古墳文化に造詣が深くない我々にはどうにも巨大すぎる感じ。

この博物館の最上階から西都原古墳群を眺めて満足することにします。

 

これが西都原古墳群

今日のランチは、最近宮崎といえば宇都宮や浜松をも上回る”餃子の町”ということで餃子のお店にあたりをつけていたのですが、宮崎は餃子を持ち帰るのが定番スタイルらしく、昼から餃子をその場で食べられる餃子専門店は意外と少ないようです。なのであたりをつけていたお店は隣町。ナビをセットするとお昼を大幅に超える時間を指します。いくら餃子が好きでも流石に2時過ぎまでのドライブは受け付けません。迷っている時に、ある天啓がひらめきます。それは、昨日はうなぎの駅でも縁がなかった「うなぎ」。確かこのあたりにプランニングの時に検討した鰻屋さんがあった筈。妻に話すと、昨日から体中大好きなうなぎモードになっていた妻は大喜び。ナビでお店はすぐに見つかり、5分程のドライブで到着です。ところが、この鰻屋さんの混雑が凄く、まるで昨日の鹿屋カンパチの行列の再現のよう。カンパチとは違い、うなぎの名店ではお客の回転が早い筈はないので、こりゃ2時どころか3時すら超えかねない… ということで、泣く泣く鰻屋さんを諦めます。後から調べたらこの鰻屋さん、宮崎県でも有数の名店だったようです。う~ん、残念。
餃子とうなぎを諦めても、それでもお腹は空きます。もうあてが全くなくなったのですが、そういえばさっき行った博物館の展望所の横のレストランからカレーのいい匂いがしていた事を思い出して、博物館に戻ってカレーをいただきました。

香りに誘われてのカレーは、ドライカレーでした。

あれやこれやで意外と時間を使ってしまいましたので、これからは今日の宿がある延岡を目指すことにします。国道を北上しているうちに、突然妻がポソっと呟きます。
「そういえば、宮崎県にいるうちにマンゴーが食べたいな!」
マンゴー… いくら本場の宮崎県と言ってもどこで食べられるかは私にも見当がつきません。今日の泊まりもビジネスホテルで、夕食は和食の料亭でコースを予約しているので、そこでマンゴーは食べられそうにありません。Google地図でマンゴーをキーワードに検索すると、出てくるのはケーキ屋さんなどで、ここで少しならともかく、大きなマンゴーを食べるのは絶対無理そう。
悩むうちに観光スポットとして考えていた美々津の街並みに到着。駐車場があれば散策するつもりでしたが、近くに駐車場が見つからず、とりあえずゆっくりと車を走らせながら街並みを楽しみます。(従って、写真はありません。) 

すぐ近くには「神武天皇舟出の地」があり、半信半疑で眺めました。

ほんまかいな…

このタイミングで、今日宿泊する延岡市観光協会に電話して、「今から延岡市内に泊まるのですが、市内のどこかでマンゴーを食べられる場所はありませんか?」と聞いてみました。こんな質問は滅多にないのかかなり周囲の方にも聞いてはくれたようですが、数分後に「ないですねぇ~」というつれない返事。「もう、これは無理かな?」とも思ったのですが、諦めずに可能性のあるところに行って見ることにします。
日向市に入って道の駅に立ち寄ります。生鮮品の直売所があり、そこには当然のように立派な@3700円のマンゴーを売っていますが、我々はナイフも持っていませんしマンゴーの切り方も知りませんので、これを買っても食べる方法はなさそうです。今日のホテルが高級宿なら切ってくれるくらいのサービスは期待できますが、今日の宿もとびっきり安いビジネスホテル。3700円のマンゴーの前で老夫婦はしばし悲観に暮れていました。我々の姿があまりにも可哀想に見えたのでしょうか… 店員さんが寄って来たので、妻は我々の窮状を訴えます。すると、店員さんは隣のそばコーナーに行き、厨房の方と話した後に、「これ、買ってくれれば、このそばコーナーの人が切ってくれますよ!」という嬉しい提案! 早速レジで3700円を払い、そばコーナーのおばさんにマンゴーを託します。数分後に出てきたマンゴーは、流石に本場宮崎の人が切ってくれただけあり、高級フルーツ店さながらのビジュアル。

憧れの「宮崎マンゴー」

そば屋さんの座席で、周囲の人がみんなそばを啜っている中で我々だけマンゴーを食べています。周りの人は不思議な顔してマンゴーを食べている我々を眺めていました。
3700円は少し高い気もしましたが、妻の望みを叶えられて満足です。

やっぱり、「うなぎ」や「花」ではなく頼りになるのは「道の駅」

延岡のビジネスホテルにチェックイン。今日の夕食は近くの料亭のコース料理を予約しています。コースと言っても然程高くはなく、一人5000円以下のメニュー。今日のメインはここ延岡のこのお店「高浜」が発祥の地だというメヒカリという深海魚のフルコース。

メヒカリという深海魚は初体験ですが、お造りもお酒のアテにもいいという噂を聞いての訪問です。

ビジュアルは??ですが… 焼酎のアテには最高!

でも、最初に普通のお造りが出てきます。「あれぇ~!? メヒカリのお造りじゃなかったの?」とフレンドリーでいい感じの店員さんに聞いてみますが、「ごめんなさい。今日、メヒカリが採れなくって、生のメヒカリはお出しできないんです…」なんだそうです。でもメヒカリの南蛮漬けや唐揚げなどはとっても美味で、焼酎がグイグイ進む味でした。

コースの最後にはメヒカリ寿司が出る予定だったのですが、生物がないので寿司も普通のお寿司。ここで私は寿司を食べずに、別の延岡名物を注文します。それは宮崎が本場ですが、その中でもここ延岡が発祥で本家本元だという「チキン南蛮」。本当なら延岡の「チキン南蛮発祥の店」に行きたいくらいチキン南蛮が大好きな私ですが、妻は鶏肉が大の苦手で、そんな店に行っても妻には食べられるものがないのです。従って、今回宮崎でのチキン南蛮は諦めていたのですが、メヒカリ寿司が無かったお陰で大好物のチキン南蛮を味わうことができました。

やっぱり、宮崎と言えばコレ!

本場延岡のチキン南蛮、最高でしたよ!