麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2018年最初の旅】静岡・伊豆<その2:富士山満喫の1日>


2日目:1月4日(木)

この日はいよいよ富士山を満喫する1日。経費節約のためビジネスホテルでの朝食は取らずに、前の晩コンビニで仕入れたヨーグルトを食べたら早速車をスタートさせます。
静岡市周辺の観光地は、前回一周目で訪ねているのでスルーが基本。久能山東照宮のすぐ横を通り、初詣には絶好のタイミングなのですが、今回は前回車の安全ステッカーも授かった家康公にはご挨拶しない無礼を詫びながら先を急ぎます。

今日最初に向かう先は、一周目の時には天気が悪く、今回どうしてもリベンジしたいという思いが今回の静岡を訪ねる大きなモチベーションにもなった場所でもある「三保の松原」。前回の訪問は大雨の中、勿論その見事な松林は見られて散歩もしたのですが、三保の松原に今これだけの観光客が押し寄せている理由は、「世界遺産富士山の構成要素に認定された。」ことですから、雨天でその富士山が松原から全く望めなかった前回については、「行ったことには間違いないものの、世界遺産三保の松原を見たとは言えない!?」という状況だったため、「富士山を望んでこその三保の松原!」というこだわりが私の中で強くあったためです。前回も清水のホテルから日程の都合上悪天候を承知で朝イチに訪ねたのですが、今日の晴れは確信できていたので「観光客がたくさん来て混雑する前に」と前回とは違う理由で前回とほぼ同じ時間に勝手知った駐車場に到着。前回駐車場は貸切状態でしたが、この段階でもうかなりの車が停まっています。
見覚えのある入口の階段を上ると、これも見覚えのあるたくさんの松と三保の松原のシンボル"羽衣の松"が見えるのは前回通り。
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でも今回は松林を抜け、砂浜をそのままずんずんと進むと、やがてその左手に見事な富士山がその勇姿を惜し気もなく見せてくれます!
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3年越しの念願がようやく叶いました!静岡県側から見る富士山は右中腹の宝永火山がはっきりと見えるのがその特徴ですが、後から見た三島に比べて、ここからの眺めのほうが宝永火山がよりはっきりと見えるようです。
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松林に戻り、前回も散歩した道を歩きます。この先にもう少し大きく(?)富士山が見えるというスポットがあるらしいのです。傘をさしながらの寂しい気分の前回の散策とは違い、スキップしたくなるようなルンルン気分の今日は、あっという間に目的地に着き、心いくまで富士をパチパチと写真に撮りまくりました!
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次の富士ビュー観光はちょっと場所を変えて静岡県東部の三島まで東名高速で1時間半のドライブ。沼津で東名高速を降り、昨日も静岡でお世話になった国道1号線=東海道を箱根方面に向かって走り、高度も徐々に上がって行き「このまま、箱根まで行っちゃうんじゃない?」といささか心配になった頃に三島の新しい観光スポットである日本最長の吊り橋「三島スカイウォーク」に到着しました。
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この新しい三島スカイウォークは、2015年12月にオープンした日本最長の歩行者専用の吊り橋なのだとか。我々が訪ねた長い吊り橋といえば、2015年5月に訪ねた茨城県の"竜神大吊橋"の当時の謳い文句は、"東日本最大級"。2015年の9月に九州大分の"九重夢大吊橋"を訪ねた時には、そこが間違いなく"日本最長の吊橋"だったようですが、我々が訪ねたたった3ヶ月後には、僅か10メートルでその"日本一"の称号をここ三島に奪われてしまったらしいのです。
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とはいえ、今日の我々の関心事はまずは吊り橋より富士山。橋の手前のビュースポットからは、見事な富士が威風堂々と聳えていて、この風景だけで入場料を払った甲斐があると思わせるぐらいの圧倒的迫力の富士山でした。このあたりから見ると、宝永火口は富士山のど真ん中に見えて、そのなだらかな山の稜線には影響を与えないことに今更ながら気が付きました。毎日、様々なところから富士山を眺めたお陰ですね!
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とはいえ、日本一の大吊り橋を渡らずに帰る筈はありません。平日であっても私の職場同様まだ休みの人が多いらしく大混雑の大吊り橋は、右麻痺の私にとってはありがたいことに"左側通行"で渡るルール。はじめは富士山を左前に仰ぎながらの快適な散歩でしたが、橋の真ん中に近づくにつれて予想以上の突然の揺れが来て結構スリリング。次第に富士を見る余裕はなくなり、とにかく前へ前へと先を急ぎます。ようやく橋を渡りきり、高台にある展望所に行き、改めて富士と周囲の風景をゆっくりと落ち着いて満喫することができました。
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帰りもひたすら早く歩くことに集中して、富士を眺める余裕は完全に失われています。昨日、大井川の橋を渡った時には強風がもっと凄かったのですが、「この日は昨日みたいに風が強くなくて本当に良かった。もし、吊り橋中央部で昨日のような強風に煽られたら、我々老夫婦は渡り切れたかどうか… 」と、妻と二人で強運を喜び合いました。
長さはともかく、3つの橋の中では最もスリルがある吊り橋だというのが私の印象です。もっとも、他の2つの橋へ行ったのは2年半以上も前なので、恐怖感を忘れてしまった可能性はありますので信憑性は??ですが…

この日の昼食は沼津漁港近くで。20年ほど前、伊豆家族旅行の帰り道にまだ幼かった娘と息子を連れて沼津港に来た時には、観光施設はおろか食堂も何もなかった淋しい漁港だったのですが、この20年でアミューズメント地区として劇的な変貌を遂げているらしいので驚きです!

エリアに近づくに連れて交通量が増えてきて、渋滞の中でナビが目的地を宣言した時には、周囲にたくさんある駐車場にはどこも行列が出来ています。一応今日1/4は仕事始めで平日の筈なのに… 私の認識が甘かった!
大きな駐車場であれば順番待ちの列に並べばいいのでしょうが、ここ沼津港付近には十数台規模の小さな 駐車場がたくさんあり、特にお昼前のこの時間にす出庫する車を期待して並ぶのはギャンブル。近くをうろうろと走り回り、ようやく少し離れた場所に駐車場を確保するのに30分近くも要してしまいました。

漁港付近のランチですから、やはり海産物がメイン。ところが、事前に地元の友人から情報収集していたおすすめのレストランには、全て長~い行列が… また、よく見ずに駐車した駐車場から渡されたパンフを改めてよく見てみると、「地図に記載がある店で食事&買い物をすれば駐車料金は無料!」とあり、私が狙いをつけていた行列の出来ているお店は、見事に全部対象から外れています。
結局、空腹に耐えられなかった我々は、駐車場地図にあった行列の少ないお店に入ったのですが、味は漁港近くのお店としてはごく普通のギリギリ合格点レベル。後で食べログを見たら評価は3.05程度でしたが、別注した沼津名物(?)アジフライはさすがに美味でした。

沼津漁港付近発展の中心となった施設は、「沼津深海魚水族館」。観光客特に子連れの多さに嫌な予感はあったのですが、ここまで来て行かない選択肢はありません。ところが入場料を払って中に入ると、中には結構な行列が出来ていて最初の魚が見られるまでに10分以上。そもそも暗黒の世界に棲む深海魚を明るい環境で見ることにやや無理があるのかも知れませんね。
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他の人気水族館のような巨大水槽もなく、ウリの「世界唯一のシーラカンス剥製」も所詮は剥製です。
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この日3度目&最後の富士ビュー観光は、伊豆パノラマパークのロープウェイ。3年前の伊豆旅行では、曇天の中で入口までは来たものの、どう考えてもこの天候ではロープウェイで上に行く意味がないと諦めて先を急いだ因縁の観光地。
でも今日の富士山はその全身を惜し気もなく見せてくれることを露ほども疑わずにロープウェイに乗り込みます。

2人でも貸切状態で運航してくれる気分がいいロープウェイで快適な上昇中に、「さぁ、富士山だ!」と満を持して後ろを振り向くと、何と富士山山頂部にだけ意地悪な雲が掛かっているではありませんか!
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他は全て殆んど雲がない絶好の天気なのに…  大混雑の沼津でぶらぶらせず、三島からまっすぐ来れば… と反省しても後の祭りです。

展望台の頂上まで登ってみたものの、意地悪な雲が遠慮してくれる気配はありません。
駿河湾はとっても綺麗なのに…
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「好事魔多し」「今年も、そんなに甘くはないぞぉ~!」「今年も、あんまり調子に乗るなよ!」など今年も慎重に十分に注意しようと改めて肝に銘じた2018年最初の出来事でした。

今日の宿は伊豆の温泉の中では、かなりマイナーな温泉ではないかと思われる畑毛温泉という温泉の宿。知人がこのホテルチェーンに関係していて、予約してくれたのです。
この畑毛温泉、32年間旅行会社で仕事してきた私も、販売などに関わった経験が殆んどありません。でも温泉と旅館の名前には微かな記憶があり、記憶を辿るとどうも20年以上前に職場の仲間と遊びに来た(もしくは職場旅行で来た?)のかも知れません。
施設を見たら思い出すかも?と期待しましたが、私の老いぼれはじめた脳はピクリとも動かず、全く思い出す気配はありませんでした。もっとも当時の職場旅行だったら行きのバスの中からすでに大宴会が始まっていて、宿に着く頃にはすでに泥酔状態だったことも数知れないので、もしそうだったならば覚えていないのは私の老朽化し始めた脳細胞だけのせいではないのかも知れませんが…

このホテルで感動したのは大浴場。右半身(手と足と頭!?)に麻痺がある私は、大浴場の浴槽に手すりがついていないとお風呂には入れません。温泉旅館などは大浴場の写真をネットで探せるので、候補の旅館のお風呂をネットで散々調べた上で予約します。離島や小さい町の旅館などには浴槽に手すりがない旅館や民宿なども多いのですが、そういう宿に泊まらざるを得ない時にはシャワーだけで済ませることもありますが、温泉旅館はお風呂に入るのが醍醐味ですから、大浴場の写真が見つからない場合には現地まで電話して聞くこともあります。
そういった経験から最近は大浴場の手すりは増えてきていてるように感じられ、私のイメージでは日本の温泉旅館の60%ぐらいには手すりがあるように感じられます。
手すりがあればお風呂には入れるものの、洗い場に高い椅子がないと体を洗うのに苦労する(特に座る時と立ち上がる時)などがありますが、そういう椅子が置いてある宿は更にその半数ぐらいで、ない宿では何とか工夫して凌いでいるのです。

この日の宿、大仙家さんにも手すりがあることは確認した上で予約したのですが、何とこの宿の洗い場の隅には手すりがついた障がい者用と思われる専用スペースがあり、当然のように高い椅子がセットになっているのです!  
病気になって7年、温泉に復帰してから5年、それからでも手すりがある50件程度の温泉に入らせて貰いましたが、温泉旅館の大浴場でここまで設備が揃っているところは初めてで、一瞬ですっかりこの大仙家の大ファンになってしまいました!